21世紀中年

昭和オヤジのときめき、ひらめき、感激、嘆きを思いのままに書き連ねます

直接払いに見る民主議員の無知

2010-08-24 09:31:06 | 政治にモノ申す
 農水省は農業者の所得補償として、今年度から米作農家への5600億円にのぼる直接払いをスタートしたが、次年度は麦などの穀物、さらに漁業者への補償まで範囲を広げるとして、1兆円規模の予算を要求するという。

 この直接払い制度だが、かねてからバラマキ政策と槍玉に上がっており、野党の抵抗は目に見えている。しかし、私が気になるのはバラマキ以前に、民主党の議員の多くが、この制度の意味を理解していないということだ。

 輸入農産物との競争による価格低下などで、コスト割れする生産者の所得のマイナス分を国が補償し直接支払うという制度だが、目的は食料自給率の向上、安全な食料の生産、後継者の育成ばど、衰退する農業に歯止めをかけるのが目的だが、実はそれだけが目的ではない。

 農業が衰退し、耕地面積が減ることは、地球温暖化が進む原因といわれている。つまり、農業者は食料の生産と共に、自然環境を守り温暖化を防止する役割も果たしているのだ。ところが、政策を進める閣僚や民主党の議員からは、このもうひとつの役割がほとんど語られない。たぶん、議員自身がこの大事な役割を認識していないのだろう。情けない限りである。

 農業を守るということは地球を守ることであり、この役割に対する対価として、所得補償が行われるのが、この政策の意義だ。これは先進国ヨーロッパでは常識とさえいわれている。

 バラマキ批判に対し、全うな説明もできない議員が多いことは実に嘆かわしいことである。
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