Aspiring Bobby-dazzler Starlet

岸利至さんが好きです!が!今は映画ブログになりました☆トラウマになるくらいの重い、暗い映画が好きであります。

DVDV「ゆれる」を観ました。2008年76本目

2008-06-29 01:08:18 | 日本映画
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
配給 : シネカノン
主演;ダギリジョー 、 香川照之 、 伊武雅刀 、 新井浩文 、 真木よう子


母の法事で実家に帰ったカメラマン猛。
残された家族は父と兄。父と兄は実家で叔父のたててくれたガソリンスタンドで働いている。
猛は、そこでアルバイトとして働いているおさななじみと知恵子と再会し、猛と兄、稔と知恵子で
吊り橋のある渓谷に出かけることにした。
その渓谷は兄弟が幼い頃、遊んだ思い出の場所だった。
しかし、そこで、知恵子が吊り橋から転落死するという事故が起きる。
その時吊り橋には、兄、稔もいた。
事故なのか、殺人なのか。裁判がおこなわれるのだが。

この映画、オダギリジョーもすばらしいが、香川照彦がものすごくイイ。
田舎で35歳、独身で母親の死後、父親の面倒をみて、仕事と家事に追われる毎日。
弟はカメラマンで女性にもモテモテ。弟の東京での活躍に比べ、平凡な生き方をしている。
両極端な兄弟の姿をこの2人の役者はとても上手く演じていた。
判決がでるまで、一旦留置書におかれている兄になんども面会に行きはげます弟に
「自分が殺人犯の弟になりたくないだけだろう?俺の無実を信じているのか?」
といわれた弟はゆれる。
裁判で検察官に執拗に責められ丸裸にされていく稔。知らなくてもいい事実まで知らされ、
神経もすり減っている。そんなことならいっそ有罪で裁判を終わりにしたいよ。
そんな気持ちもあったでしょう。
吊り橋事故から裁判の間。兄弟はゆれた。
その心のゆれを本当にうまく表現していたと思う。

兄の今までのような田舎暮らしをするくらいなら刑務所にいたっておなじなんだ。っていう言葉。
弟の、兄弟だから、かばいたいと思う反面、兄の言葉に傷ついてしまった瞬間。
最後に証言台にたった弟の言葉をきいてニヤリとする兄。
この裁判の結末は、運命の歯車としかいいようがない。
でも、とにかく、人間らしくゆれている2人の心に、心を打たれてしまうのです。
ラストシーンはどうだったんでしょうね。解釈がいろいろあると思いますが、
私はやっぱり兄弟の絆はどんなことがあっても何もなかったかのように、元にもどるのではないかと
思っています。そう信じたい。
私は兄がいますが、作品と違って、兄妹です。男同士の兄弟の方なら解釈もまた違うかもしれないですね。

一方、なにかのはずみで加害者になってしまう可能性を改めて認識しました。
これから、日本の裁判が変わります。自白、証言、マスコミのあおり。
ちゃんと裁いてくれるのでしょうか。この問題も、やはり人ごとではないですよね。

映画「昼顔」「夜顔」を観ました。2008年74~75本目

2008-06-28 01:03:09 | フランス映画
「昼顔」原題 : Bell De Jour
製作年 : 1967年
製作国 : フランス
主演;カトリーヌドヌーブ


「夜顔」
原題;BELLE TOUJOUR
製作年 : 2006年
製作国 : ポルトガル=フランス
主演;ミシェルピコリ

セブリーヌとピエールは仲睦まじい夫婦であった。
しかし、セブリーヌにはある性癖があり、夫の前では貞淑なフリをしているのだが、
内には妄想にかられていた。
ひょんなことから、友人からパリには売春宿がまだ存在することを聞かされ、興味をそそられる。
ある日、売春宿を訪れたセブリーヌは夫の働いている昼間に娼婦として働き、夜は夫に使えるという
二重生活を送るようになる。
セブリーヌは娼婦として出会ったマルセルという野蛮な男に惹かれ、2人の夫婦生活に波乱がもたらされるのだが。

この作品は、夜顔の紹介が雑誌に載っていた時、夜顔の前の話があるんだと知りました。
夜顔も劇場では見逃していたのですが、
丁度、早稲田松竹で昼顔、夜顔の2作品上映があることを知り、行ってきました。
昼顔はカトリーヌドヌーブの若かりし頃の姿に見ほれました。シャネルやサンローランといったフランスメゾンの
仕立てのいい服。
そして、これぞ映画!という内容の濃いストーリーでした。
セブリーヌは夫に内緒で娼婦をしていたのですが、親友がその娼婦宿を訪れた為に、娼婦だということを
親友に知られてしまうのです。
セブリーヌは夫の友人にセブリーヌが娼婦であることを内緒にして欲しいと頼むのですが、親友は
後に、ある事故にあって全身マヒになって口のきけなくなった夫の見舞いに訪れた時に、「夫ピエールに全てを話す」といって
部屋の中に消えて行ったのです。
夫はそのショックからかなぜか体が自由に動くようになったようです。
続編の「夜顔」を観てわかったのですが、親友が夫に真実を話したかどうかは闇の中なのです。
なぜなら、親友の告白の場面にセブリーヌは立ち会っていません。
そこをあいまいにした点がこの映画の良さなんでしょうね。40年前の
上映当時は「ピエールは真実を知ったのかどうか?」が議論になったのかもしれません。だから続編の
「夜顔」でも親友はピエールに真実を伝えたのかどうか?がテーマになっていたんです。
私は上映時間の関係で実は「夜顔」の方を先に見てしまったので、「昼顔」ではサブリーヌと親友がもっと深い
仲になっていたのかな?と思っていたのですが、昼顔でキーになった男はマルセルだったんですね。
フランス映画によくみられる三角関係ですね。でも当事者が三角関係だってわからずにいるのもおもしろいですね。

「夜顔」で語られるのですが、旦那の親友はサブリーヌを分析したんです。
サブリーヌはマゾの要素を持っていて、夫に秘密があるということ自体に快楽を覚えていたのだと。
サブリーヌも倒錯的要素があったんだと認めています。
彼女もいわゆる性癖に悩んでいたのですね。
でもある一件によって一筋に夫を愛して行こうって決められたんですもんね。結果オーライじゃないですか?

「夜画」の中でも結局、サブリーヌは夫が自分の秘密を知っていたのかどうかを確かめることができませんでした。
夜顔の設定では、夫は既になくなっていたからです。
旦那さんがもし知っていたとしても、知った上で
最期までサブリーヌを愛していたのだから良いんじゃないかと思います。
夫婦にはいろんな秘密もあると思います。でもだからといって固い絆は壊れる物じゃないんですよ。
いろんなことで余計に絆は深まって行くんだと思います。旦那さんは目をつむってくれた。

私は、「昼顔」で親友は夫にすべてはなしたと解釈しています。
サブリーヌに対しても思うことは、人生、すべて真実をしらなくても良いよと思います。
夫の親友が夫に真実をはなそうがはなさまいが、晩年よい夫婦生活をおくれたのだから。それでいいんです。

でも、「夜顔」だけをみたら物足りないですね。
昼顔をみたからこそ、たのしめる映画です。この企画を考えた早稲田松竹さすがです。
昼顔は大好きな映画になりました。
途中、娼婦館を訪れるさまざまな性癖をもった男達が面白かったです。

*他の方のブログをみてわかったのですが、「昼顔」を観賞した方は、セブリーヌが娼婦をやっていた事自体が
妄想だったという解釈もあったようですね。私は先に「夜顔」を観てしまったので、その解釈は既にありませんでした。
映画っていろいろな解釈が生まれるのもひとつの楽しみ。人それぞれが受け取ったイメージのまま
心におさめたいですよね。
続編によって「妄想説」を否定されてしまいましたね。夜顔は昼顔へのオマージュだったという
話ですが、続編の有無も是か非かって感じですね。




DVD「空中庭園」を見ました。2008年73本目。

2008-06-20 00:15:07 | 日本映画
ジャンル : ドラマ
製作年 : 2005年
製作国 : 日本
主演:小泉今日子 板尾創路 、 鈴木杏 、 大楠道代

京橋家はタブーをもたず秘密を作らずがルール。
バブル期につくられただれからもうらやましがられる団地に住み
理想的な家庭を気付いて来た京橋家。
しかし、京橋家の秘密が露呈しはじめた時、家族の本当のすがたがみえた。

「思い込んでいたら本当の姿は見えないよ」といった長男の言葉。
これがこの映画を象徴しているものだと思う。
京橋家は個人個人が、母親、父親、良い子供を演じていた。
長男の家庭教師であり、父親の愛人であるミーナがいった
「学芸会だこれは。みんなしってるくせにいい家庭を演じている」という言葉も深い。
この映画の受け取り方は2通りあると思う。
まずひとつ。絵里子の母親がいったセリフ。「やりなおし、くりかえし」というセリフがあった。
たしかに絵里子の過去は悪い思い出だった。
でも、たとえ悪いことがあったとしてもいい思い出にすり替えて、やり直して行こう。という前向きなもの
そして、もう一つ。絵里子が背負っていた母とのトラウマ。
それが、すでに絵里子の「思い込み」であり、本当は、彼女は母親に愛されていたのだった。
「愛されてなかった」という思い込みで本当は愛されていたことがみえなかったんだ。というもの。

受け止め方は観客によってちがうかもしれない。京橋家に自分をみるか、絵里子と母親の関係(家族)に自分を見るか。
私は、絵里子と母との関係に本当の家族をみた。
それはまさに、私もそうだったからである。
私は本当は、幼少の頃、愛情を受けてこなかったということに少々の恨みを抱いていた。
そしてそれがトラウマになっているとさえ思っていた。
でも、いろいろ事情をきいてみると、なんだ本当はすごく愛されていたんじゃないのかって知った。
絵里子が母親と確執があったと思い込んでいたが、兄のいうように母は絵里子をすごくかわいがっていて、
思い込みによってみえてなかった母の愛を知り 自分の家庭はなんだったのか気付いて行ったという感じ。

きっとこの作品はだれもが共感を得られると思う。
いろいろその人によって受け止め方が違うから、いろんな角度で自分に当てはめられると思う。
占い師にいわれた言葉が受け止め方で「あってる」と思うこんでしまうように。
しかし、小泉今日子はすごく良い演技をしますよね。自然体というか、みていて安心する演技です。

あともう一つ「秘密は墓場までもっていくんだよ」ってセリフ、いいですね。
深い!いいセリフがたくさんでてくる映画ですね!
映画は原作になかった場面を盛り込んでいるとのこと、もちろんエンディングも違うらしい。
読んでみたいと思います。

DVD「変身」を観ました。2008年72本目

2008-06-15 23:21:15 | 日本映画
製作年 : 2005年
製作国 : 日本
主演;玉木宏 (成瀬純一)蒼井優(葉村恵)

事故で長いこと昏睡状態に陥っていた成瀬純一。
実は、生きるながらえるために脳移植を施し、その結果を研究されているという立場になっていた。
大分様子が落ち着いていたので、退院が許されたのだが、脳移植をしたドナーの精神に人格を支配されるように
なっていった。

東野圭吾は好きです。テレビドラマ、「百夜行」も良かった。その時は主演の2人も良かったな。
今回は、蒼井優ちゃんが目的でした。玉木宏の演技はあまり観たことがなかったからどんなもんだろうと軽い気持ちで
観てみた。
でも、やっぱり蒼井優に食われちゃってますね。
純一が他の人格(ドナー)に支配されようとも、前の彼に戻ることを信じて、けなげで一途な、影のある女の子。
表情や、たたずまいにやはりすばらしいなと思いました。
ドナーと自分の周りの環境がひとつになって行くっていうストーリーは「21グラム」と似たような感じもしたし、
なにしろ、他の共演者がチープだなという印象。犯人はもっと印象強い人がいい。
脇役?大事な役だと思う。双子の妹も。
これなら連続ドラマで放送した方がよかったんじゃないかと。
蒼井優は役の大小にかかわらず出演するらしい。ストーリーのメッセージ性のあるものを選ぶとのこと。
でも、共演者には納得してたのかなぁ。
久しぶりに納得のいかない映画を観た気がします。私がこんなに映画に毒づいたのははじめてかもしれません。
蒼井優だけが救い。でも一人、まわりと相対比較すれば演技が浮いていたような気もする。もったいなかったな。

DVD「ぼくのバラ色の人生」を観ました。2008年71本目

2008-06-15 23:01:10 | フランス映画
原題 : Ma vie en rose
製作年 : 1998年
フランス
ジョルジャ・デ・フレネ (Ludovic)

好きなのは姉のきれいなドレスと口紅。
隣に住む同級生の男の子と結婚するのが夢の「男の子」リュードヴィック。
彼のバラ色の人生って?

これは、題材を知らず、フランス映画だから~と思ってみたら、なんとなくテーマは思いじゃないですか。
性同一障害に悩む男の子が主人公の映画。
でもこの子はまだ自分がそういう障害だっていうのは気付いていないと思う。
(そもそも、この作品が生まれた頃ってそういう障害、世間に認知されていたかな?)
周りの大人達がオカマオカマと野次ってもその言葉のいみさえわからない。
ただ悩む、ぼくは男の子?女の子?
神様が本当は女の子として授けたのに、生む時にちょっとまちがえただけ。
体は男の子。心は女の子なんですよね。
彼の家族は性別がなんであろうと自分のかわいい「子供」ということには違いないと悟って
生きて行こうっていうお話なんですけど、「ボーイズドントクライ」とかそれくらいの重いテーマの作品だと
思うんですよね。
このクラスに一人みんなと違う子が居ます。でもその違いを尊敬しましょうっていった
リュードビックのクラスの先生。素敵です。
私も性別を超えて、一人の人間として尊重し合えるような人間で居たいです。
この映画をみた人にはそう実践して欲しい。男も女も、人種も。
違いをみとめあい、いろんな個人、個性がある。
そういうメッセージをふくんだ良い作品だと思います。

でているのがかわいい子供達なので、取っ付きやすいと思いますので、みてない方は是非。


DVD「ポーラX」を観ました。2008年70本目。

2008-06-08 00:24:12 | フランス映画
原題 : Pola X
製作年 : 1999年
製作国 : フランス=ドイツ=スイス=日本

姉と呼ぶほど仲の良い母親と豪邸で何不自由なく過ごす新進作家の主人公ピエール。
彼女には弟と仲良く暮らす婚約者リュシーが居た。
ピエールにはいとこ、ティボーが居て、ピエール、リュシーとそのティボーの3人でいつも仲良くしていた。
そこにある日、「実はあなたには姉が居たのよ」と、姉と名乗る女が現れ、
現実を超えたいといつも願っていたピエールの鬱憤が爆発。現実逃避。
自称姉とパリで生活するようになるのだが。

ポンヌフの恋人の監督レオスカラックス作品であり、名前だけはきいていたのですが、
この作品をまだみていませんでした。
近所のツタヤにはいつも探してもなかったのですが、今日は意を決して検索してもらいました。
そうしたらビデオしかおいてなくて棚に並んでいなかったらしい。
私ポンヌフの恋人苦手だった。そしたらこれも、そんな感じ。
暗くて、難しいというか、たぶん主人公のセリフにあったようにこの映画には「現実を超えた」世界がそこにあるのだと思う。
私には超越していて理解が及ばないのです。すみません~という感じ(笑)
この映画の答えはないし、想像しかない。起承転結している作品が好きかというとそうでもないので、
嫌いではないのだけれど、頭を抱えてしまう。
最初はまたフランス映画、昼ドラ系のドロドロだよね?近親相姦とか、息子のマザコンとかさ。
と思っていたらそうでもないらしい。
私の予想?は、いとこがピエールを破綻させるつもりで仕掛けた罠ってこと。遺産相続かなんかの絡み?
結末はそれぞれ見る人の自由でイイと思う。
キーワードは血縁関係と「顔」ということばですよね。
普段日常でみせている顔と本当の自分の「顔」ってところなんでしょう。
そういう苦悩と破滅といったところでしょうか。
でも、重い映画ですね~。他のカラックス作品もこんな感じなのでしょうか?

DVD「タロットカード殺人事件」を観ました。2008年69本目

2008-06-07 00:15:42 | イギリス映画
製作年 : 2006年
製作国 : イギリス
主演;スカーレット・ヨハンソン
ヒュー・ジャックマン
ウディ・アレン

夏休みに友人を訪ねてロンドンに来ていたサンドラは、手品のショーを観に行ったところ、
手品師の餌食にされてしまった。そう、ショーに実際に参加してもらう役に選ばれたのです。
手品師が用意した箱にいれられると体がバラバラに‥ではなくその箱の中に、死んでさんずの川を渡っているハズの
はずのジャーナリストが幽霊として現れました。
今ちまたをにぎわせているタロットカード殺人事件の犯人が、御曹司のピーターライモンだと告げにきたのです。
ジャーナリズムを勉強している彼女のところへ、わざわざスクープのネタを伝えに来てくれたのです。
サンドラは手品師だったおじさんシドとピーターが本当に犯人なのか探すことにしたのですが。

ロンドン~大好き!
そんでウッディアレン出すぎでしょ(笑)主演自分!みたいな(笑)
自分が共演したい女優さんをキャスティングですよね??
でもロモーラガライのキャスティングにはセンスを感じます!イイ!
犯人がさいしょからわかっていてそれが本当なのか探って行くという手法で、
別人になりすましてピーターに近づいたり、結構ハラハラしますけど、
これは、サスペンスというよりコメディですよね?(笑)
ウッディアレンのユーモアは、セリフにあったように「みんながこのユーモアがあれば
世界は平和なのに。」とあるように、本当そうですよね。一人一人が心にユーモアですよ。
ちょっとくすって笑えるようなユーモアを持ち合わせたいですよね?

でも。この映画観ていて、周りの人に対して、この人のいってること、本心なの?って疑心暗鬼になる~。
みんな、秘密。もってるんですよね。きっと。
でもでも!最後まであきさせない脚本!事件がおこって犯人をさがすって映画なわけじゃないのに、
サスガです!

DVD「亀は意外と速く泳ぐ」を観ました。2008年67本目

2008-06-05 23:34:25 | 日本映画
製作年 : 2005年
製作国 : 日本
主演;上野樹里 蒼井 優

海外に単身赴任中で夫不在の住宅で、亀に餌をやるだけの平凡な主婦(スズメ)がある日、
スパイ募集の広告を目にする。おもわず連絡してしまった。
ある国からのスパイだという夫婦に出会い、活動資金として500万円を受けとる。
スパイだとばれないように、スズメは目立たないように生活しろといわるが。

このお話は蒼井 優ちゃん経由?で情報を得てみました。
なんだ?このタイトル?みたいな感じでみてみたかったんです。
タイトルの由来は主婦がスパイという意外性にかけたものと、
タイトルが長いおしゃれなフランス映画にあこがれていた監督が長いタイトルを【仮】でつけていたら
意外と受けがよくてそのままつけてしまったらしいです。
このような予算がすくない映画の方がかえってCGとかつかってなくて、脚本の腕だったり
味だったり、好きですね。
美術でもおもしろいものがたくさんあったんですよ。
ラーメン屋の壁に「冷やし中華始めたい」(願望かよ)という張り紙があったりとか(笑)
日常の裏情報(笑)のひとつとして、かりんとうを一日水につけるとどうなるか試すところとか。
止まれの標識の中には、間違えて「止れま」と書いてしまったものがあるとか。
これ、ツボにはまらないと面白くない人はおもしろくない映画だと思いますが私はすごく面白かったです。
てか、蒼井 優が女子プロレスって(笑)
ストーリーは結構筋が通っているというか、なにげなくすごしている日常も見方をかえれば新鮮でおもしろく
なるって事なんですよね。
スーパーで買い物するシーン。スパイのスズメがめだたないように買い物するには何を買えば良いのか。
そう意識すると意外に難しかったり、あこがれていた親友のクジャクから実は「あんたの方がうらやましい」
と思われていたり。
捉え方なんですよね。
そして、結論。目立ったりすることの方が実は簡単で、普通にいきていくことの方が、難しいって。
深い!確かにそうです!
おいしくないのに何十年もあるラーメン屋。駅前の床屋。メガネ屋。
その裏にはなにか事情があるはずだ。と、監督の目のつけどころのよさが、
この作品を生みました。
おなじもの観ていても、それをただやりすごすだけなのか、この監督のように深く観察し映画にしてしまう(!)のか。
そこに立証されていると思います。

私はどちらかというとクジャク派なんですよね~。
普通に生きられないんです。それも性なんですよ。

爆笑ではない、ゆる~い癒し笑いの映画ですよね。