中国、“文化赤字”に危機感 ハード製造もソフト作れず

2006年04月08日 | 支那朝鮮関連
 輸出の急激な増大で中国では貿易黒字が拡大し続けているが、その一方で中国の国内メディアでは「外国との文化交流では私たちは完全に赤字になっている」「われわれの祖先はすばらしい文化を作り出しているが、私たちは何も作り出していない」といった“文化赤字”に対する危機感が広がっている。
 華僑向け通信社「中国新聞社」などによると、この問題を最初に提起したのは、前国務院新聞弁公室主任(閣僚級)で人民大学新聞学院の趙啓正院長。同氏は今月初めに北京市内で行われているシンポジウムで、具体的な数字をあげながら中国文化が外国文化に押されている現状を示した。
 具体的には2004年に中国が米国から購入した書籍の著作権は4068種に対し米国に輸出したのは14種。02年までの3年間、中国を訪問して公演活動を行ったロシアの芸術団体は285団体に対し、中国からロシアに訪問したのは30団体。04年までの5年間、中国は外国から4332本の映画を輸入したが、輸出したのはわずか数えるほどしかなかったという。「中国は今、テレビを製造して輸出できても、テレビに載せるソフトを作り出すことができなくなっている」と趙氏は述べた。
 こうした問題提起を受け、中国の各メディアやインターネットの掲示板では「今までの文化政策を反省すべきだ」「海外向けに中国文化を宣伝する政府の部署を設けるべきだ」「外国文化の輸入を制限すべきだ」といった意見が相次いで寄せられている。「四千年」の文明史を持ち、世界文化の発信地の一つと自任する中国にとって、趙氏の「文化赤字」の指摘は、民族のプライドにかかわる一大事のようだ。(矢板明夫)
【2006/04/08 東京朝刊から】

http://www.sankei.co.jp/news/060408/kok027.htm

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