母国語学ぶ権利保障を 制度的支援へネット設立

2006年11月29日 | 外国人問題
「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク」などが開いた「多民族共生教育フォーラム2006愛知」(名古屋市・名古屋国際センター)
 急増する南米国籍の子どもや、在日コリアンらが通う外国人学校への財政支援と母国語を学ぶ権利の保障を国や自治体に働きかけようと、京滋をはじめ全国の学識者や弁護士がこのほど「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク」を設立した。

 京滋からは、外国人の人権問題に詳しい田中宏龍谷大教授が共同代表を、草津市で外国籍の子ども支援に取り組むNGO(非政府組織)「子どもくらぶ『たんぽポ』」スタッフのリリアン・テルミ・ハタノ甲南女子大助教授が運営委員を務める。

 同ネットによると、ブラジル人やペルー人らが通う外国人学校は東海地方や北関東を中心に急増しており、滋賀県の5校をはじめ全国で約100校に上る。こうした南米系の外国人学校のほとんどは私塾扱いで、国や自治体からの補助金はない。

 在日コリアンが通う民族学校は各種学校として認可されているが、免税措置を受けられず、私学助成もないという。

 11月中旬に名古屋市で同ネットなどが開いた「多民族共生教育フォーラム」では、京滋の外国人学校関係者も「授業料を高くせざるを得ない」「校舎や運動場の確保が困難」と窮状を訴えた。

 同ネットは国に▽校舎の建設や増築のため緊急に募る寄付金を免税にする「指定寄付金」制度▽寄付金が恒常的に免税される「特定公益増進法人」制度▽公立校と同様の卒業資格-をアジア、南米系の外国人学校にも適用するよう要請する。自治体には▽外国人学校を学校法人や各種学校に認可して助成金を交付する▽廃校の公立学校の校地や校舎を無償貸与する-ことなどを求める。

 田中教授は「多様な外国人学校を対象にした全国的な支援ネットは初めて。通学定期発行など、朝鮮学校が取り組んできた成果を、外国人学校の課題解決に生かせるよう橋渡ししたい」と話す。

京都新聞電子版
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006112900052&genre=F1&area=K00

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