TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ

2007年10月15日 | メディア・芸スポ
TBS系「アッコにおまかせ」で「初音ミク」を紹介した特集にネット上で批判が相次いでいる。「ソフト自体とは無関係な『オタク』をおもしろおかしく取り上げるテレビの印象操作にはうんざり」といった声が多い。

2007年10月15日 02時33分 更新

 TBS系列で10月14日昼に放送された「アッコにおまかせ」で、歌声制作ソフト「初音ミク」を紹介した特集に対し、放送直後からネット上で批判が相次いでいる。結果的に同ソフトが「単なるオタクのおもちゃという扱い」と失望する声や、「ソフト自体とは無関係な『オタク』をおもしろおかしく取り上げるテレビの印象操作にはうんざり」といった声が多い。

 特集は約2分半。まず東京・秋葉原で通行人に「初音ミク」について尋ね、秋葉原では知名度が高いことを紹介。同ソフトを使って音楽を制作しているユーザー宅を訪問し、ユーザーが「初音ミク」がPCで歌声を制作できるソフトだと明かした。

 ここでナレーションが「歌詞と音程を入力すればヴァーチャルアイドルが歌ってくれる」「萌え萌えアイドルがまるでレコーディングをしたかのように歌ってくれるのだ」などとソフトを紹介した。

 販売元のクリプトン・フューチャー・メディアの担当者も登場し、「つんく♂さんですとか、プロデューサーの方がまるでモーニング娘をプロデュースするように、一般の方も自分で作った曲や歌を歌わせることによって、プロデューサー感覚を味わえるような展開を目指して開発を進めました」と話した。

 先立って登場していたユーザーが、同ソフトを使って制作したオリジナル曲を生演奏付きで披露した。しかしその後は一転し、ユーザーの「3次元には興味がないんで」「俺の嫁」といった発言や、ユーザーの部屋に貼られていたギャルゲーキャラのポスター、コスプレなどを取り上げる流れになった。

 最後に、ナレーションがこのユーザーに対し「普段は何を」と質問。ユーザーが「コンビニでアルバイトを」と返答すると「ふーん、ご立派ですねえ」とナレーションが返して特集ビデオは終了した。

「ご立派ですね、TBSさん」

番組への批判コメントが相次ぐ「Vocaloid2」公式ブログ。担当者は取り上げられ方についてユーザーに謝罪し、2ちゃんねるでは「公式ブログで担当者がこんなコメントを出さざるを得なくしたTBSは、さぞ満足だろうな」という感想も

 放送後、販売元の公式ブログやネット掲示板などには「ひどい」「オタクを叩いて視聴率稼ぎという魂胆が見え見え」「若いオタク叩きに利用されただけ(安全に叩けますから)」──といった批判が相次いだ。

 公式ブログへのコメントは15日午前2時ごろには300件近くに達した。「メディアに取り上げられただけでもよしとすべき」という意見もあったが、大半は「悪意ある偏見でまとめようとする悪質な意図」といった憤りだ。

 ブログに書き込まれたコメントによると、特集内の販売元担当者のコメントは、番組側が用意した原稿だった、という。

 特集最後の「ふーん、ご立派ですねえ」とのナレーションに対しては、「口調が明らかに見下している。職業差別では」という指摘もある。

 ブログにはユーザーから、「放送で楽しかった気分は奪われ、創作意欲も大きく削り取られてしまいました。ホント、返して欲しいです>TBS」「物事に全力で取り組む人達をどうしてあそこまでおとしめることが出来るのでしょうか」というコメントもあった。

 「初音ミク」は、ヤマハの音声合成技術と声優の声を組み合わせ、メロディーと歌詞を入力すればアニメ風の声で歌を歌わせることができるPCソフト。クリプトンが8月末の発売から1万5000本以上を販売するなど、音楽ソフトとしては異例のヒットになり、同ソフトを使って制作した楽曲などをネットで公開する動きも広がっている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/15/news008.html



テレビ関係者は「初音ミク」を侮ってはいけない

 CGM(Consumer Generated Media)というキーワードが一時期もてはやされたが、テレビ局や大方の映像関係者の予想と期待通りに、従来の映像メディアを脅かす存在とは言えないのが現状だ。ところが、CGMは常に着実に進化を続け、テレビ局安泰の理由の一つである「映像制作の敷居の高さ」を揺るがしはじめそうなのである。(江口靖二のテレビの未来)
■アニメ声で楽曲のヴォーカルパートを制作できる「初音ミク」
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音源ソフトウエア「初音ミク」のパッケージ。税込市場予想価格は1万5750円前後
 「初音ミク」をご存じだろうか。これはヤマハの開発した音声合成ソフトウエア「VOCALOID」を利用した音源ソフトウエアであり、同名のキャラクターがバーチャル歌手として設定されている。VOCALOIDは、公式ページによると「コンピュータ上で歌声のパートの旋律と歌詞を入力すれば、そのまま楽曲のヴォーカルパートを制作することができる歌声合成ソフトウェアです。実際の人の歌声から収録したデータベースである『歌声ライブラリ』を用いて合成を行うため、元の歌声の性質が残り、リアルな歌声の合成音を得ることができます」というものだ。
 初音ミクは実際の声優の声をサンプリングした音源を使用しており、かつ今回はアニメキャラ用の設定のために、人工的な不自然さを逆に効果的にすら感じさせる再現力がすばらしい。
 だがテレビ関係者が侮ってはいけないのは初音ミクやVOCALOIDそのものではない。

■分業体制が確立し、個人では難しかった映像制作だが
 筆者も長年携わってきたのでかなり断言できるのは、映像制作というものは個人レベルで行うのは相当敷居が高い。企画、撮影、編集、テロップ(字幕)入れ、音楽、ナレーションといった一連の制作プロセスがあり、個々のプロセスもそれなりの能力や技術が要求される。お父さんが撮影した運動会ビデオを見せられる苦痛は誰でも経験があるだろう。
 プロの世界であってもこれらを1人でこなせる人は極めて少数であり、分業体制が確立している。企画者、台本作家、カメラマン、照明、音声、ヘアメイク、スタイリスト、編集、選曲、ナレーターなどなど何十人という人間によって役割が分担されている。
 動画CGMが注目されたきっかけはYouTubeだったが、著作権的にクリアでない映像が次々にアップロードされ、権利上問題のない映像はほんの一握りであった。自作映像が少ないのは当然の話で、先ほど述べたように映像制作はシロウトさんに易々とこなせる芸当ではないのだ。そこにテレビ関係者は相当の自信を持っていることは以前の本コラムで指摘した。

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「初音ミク」のスコア編集ツール(VOCALOID Editor)のユーザインタフェース
 ところが、状況が一変しつつある。 ニコニコ動画などにより素人による分業体制が確立されつつあるのだ。ニコニコ動画はアップロードされた映像に対して、オンライン上から字幕を入れるというものだ。プロの映像制作プロセスの中ではほんの一部分であるが、入れる字幕一つで映像の印象が全く変わるために効果がわかりやすく、誰でも参加しやすい。お父さんのブレブレ運動会映像もそこに挿入される文字によっては突然輝き出すことがある。
 ニコニコ動画では動画は「別の所にある既存のもの」を対象としている。この「素材」となる動画を制作するための音楽、ナレーション入れという制作プロセスに、先ほどの「初音ミク」が強力なツールとなっている。
 ニコニコ動画で見られる「初音ミク系コンテンツ」を先ほどの制作プロセスごとに見ると、企画は音楽ビデオもの。構成はオリジナル楽曲もあるが多くは既存楽曲でほとんどが無許諾。役者は初音ミクのキャラクター、編集の一部である字幕入れをニコニコ動画、音楽ナレーション入れの部分がソフトウエアとしての初音ミクという分業体制である。そしてこれらのすべてのプロセスがオンライン上で共有されていく。

■自分で映像を作りだすとテレビを見ている暇はもうなくなる

「ニコニコ動画」にアップされた「初音ミク系コンテンツ」
 これまでは撮影用のHD(ハイビジョン)ビデオカメラ、編集用のパソコンなどハードウエアが先行して進化し、価格も劇的に低下してきた。そこに編集や字幕、音楽やナレーションといった部分をソフトウエアが、それもオンライン上のサービスとして登場してくると、いよいよ動画CGMが扱いやすく現実味を帯びてくる。
 もちろんこれらが整備されたとしても、誰でもが動画で情報を出せるわけではない。しかし映像制作プロセスの一部分を切り出せば扱いやすさは飛躍的に向上する。それら各プロセスを共有しながら遊びながら制作していく。気がつくとあっという間に時間は過ぎてしまいテレビを見ている暇はもうないし、こうして作られた映像を見ていても結構おもしろい。
 映像制作上の各プロセス用サービスは今後も続々登場するだろう。しかしビジネス的にはそれぞれのプロセスだけで収益を確保していくのは簡単ではない。これらを継続的、安定的、計画的に行えることができればビジネスとして大きくなるのだが、おそらくそれはこれまでのマスメディア的発想なのだろう。困ったことに分担共有されるプロセスを誰かがコントロールしようとすると一気に魅力が低下してしまう可能性が高い。
 映像を扱うという点ではテレビもCGMも同じように見えるが、CGMはメディアというよりは、みんなで遊んでいじり倒すという点でゲームやSNSに近い。生活者がゲームに続いて映像関連の遊び道具やコミュニケーションツールを手に入れようとしている点をテレビ局は察知するべきだ。このままではテレビに振り向けてくれる時間はどんどん減少していくことになりかねない。
[2007年10月4日]
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITel000003102007





【初音ミク騒動】なぜ?TV番組のmixiランキングコーナー、流行の言葉「初音ミク」を放送した翌々日、いきなり打ち切りに…
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1193124827/-100

今話題の「初音ミク」を日テレの番組のコーナー(先週の水曜日)で取り上げた翌々日(金曜日)、いきなりコーナーごと打ち切りになっていたようです。ただ、初音ミク以外にも10位に創価がランキング入りしていたので、一概に初音ミクのせいとは言えないかもしれませんが、なぜこうなったのか?パックンのいうように視聴率?の問題なのか、疑念が多く残る形になりました。
ちなみに、このmixiランキング「きのう流行った言葉たち」を紹介するコーナーはみの氏の番組「おもいっきりイイ!!テレビ」が、10月に改変されてまだ3週間しか続いていなかったようです(女子アナ本人曰く)。
女子アナ本人も朝来て台本を見ていきなりなくなっているのに驚いたと言っており、益々なぜ?なのか不思議な状況である。
なお、このコーナー担当のアシスタントが日テレの女子アナ夏目三久氏(新人)で、くしくも名前が同じ「ミク」というのが
彼女がこのコーナーで「初音ミク」を取り上げた要因なのか?…、真相は定かではありません。

文:ぽこたん( ・∀・ )φがソースの動画より起きた「事実」を書き起こしました

ソース:ニコニコ動画(RC2)‐これは酷い…思いっきりイイ!テレビ mixi日記キーワードランキング
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1338474





TBS、中国メディア人材支援で奨学金

 TBSは、中国のメディアで将来活躍が期待される人材を支援するため、中国の国立中国伝媒大学に奨学金制度を創設しました。
 22日、その1期生7人に対する奨学金の授与式が北京で行われ、TBSの井上弘社長、中国伝媒大学から蘇志武学長が出席しました。  式典で挨拶したTBSの井上社長は、「この制度を通じて日本に興味を持ち、等身大の日本を体感してほしい」と述べました。(22日15:16)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3688505.html

news archives 中国メディアの人材育成、TBSが協力





子供アニメの復活を さまざまな職業と、働く面白さ伝える
2007年10月12日 朝刊
 「ジャパニメーション」という言葉があるように、日本はアニメ大国だ。でも、テレビでは深夜の大人向けアニメが増える一方、ゴールデンタイムから子供向けアニメが次々と消えている。ゲームやマンガを原作に、商品展開を狙った作品が主流になっている今、テレビ朝日で始まった「はたらキッズ マイハム組」(日曜午前6時30分)は幼児が対象で、今どき珍しいオリジナル作品。企画した外国人プロデューサーに、アニメに懸ける熱い思いを聞いた。 (宮崎美紀子)

 テレビ朝日で今月七日に始まった「~マイハム組」は、「マイスター」の称号を持つハムスターたちが、匠(たくみ)の技で人間を助ける物語。合言葉は「人じゃないけど仕事人」。主人公のガウディは、ハンマーで何でも作ってしまう天才的建築家の「大工マイスター」。ほかにもパティシエ(菓子職人)、パイロット、レスキューのスペシャリストなど、さまざまな職能を持つマイスターが登場。職人たちの「元締め」の老ハムスターだけが、マイスターの称号を与える権限を持っている。

 番組の狙いは、子供たちにさまざまな職業と、働くことの面白さを伝えること。企画したのは東映アニメーションのプロデューサー、ギャルマト・ボグダンさん。ルーマニア育ちでハンガリー国籍の三十八歳。

 「外国人の目で日本を見ると、日本はまだ学歴社会。でも、腕を磨いて職人になるという道もある。子供というよりも、一緒に見ている親へのメッセージです。子供に何か才能があれば、それを伸ばしてあげてほしい」

 そう思うのは、かつて日本の伝統工芸について研究した経験があることが大きい。海外から見た日本のイメージは「職人の国」だった。ハムスターが人間を助けるという構図は、町工場や職人が大企業を支えている日本のモノ作り現場の比喩(ひゆ)でもある。

 純粋に子供のためのテレビアニメを作りたいという強い思いもあった。ルーツはルーマニアでの子供時代にさかのぼる。

 「日本のアニメでは『アルプスの少女ハイジ』などの昔の子供向けアニメが好きですね。社会主義の国で、アメリカのアニメはあまりないのに、なぜか日本のアニメは多くて、小学生の時、おかっぱ頭の子は『カリメロ』と呼ばれていた。子供のころに見たアニメが、私のベターアニメーション」

 押井守さんや宮崎駿さんの映画など、世界で高く評価されるアニメはあるが、ハイジのオープニングの、空に飛び立つようなブランコのシーンに勝る感動はないという。

 ルーマニアでの大学生時代は、チャウシェスク独裁政権に対する民主化運動の闘士として活動、逮捕も経験した。その後、父の祖国ハンガリーに逃れ、一九九二年、文部省(当時)の留学生として来日。千葉大大学院でデザインを学ぶうちに、アニメ業界を志すようになった。昨年八月の入社以来、三十以上の企画を出し、今回、初めて作品化が実現した。

 「映画より、アニメの方が表現力がある。まず子供を夢中にさせられる。そして、一生の思い出になる。でも今、日本には、子供のためのアニメが本当に少ない。受けるものはあるが、すべてゲームや漫画が原作で、キャラクター商品での商売を視野に入れている。アニメはエンターテインメント。三十分間、子供を楽しませられれば、それで目的は達成される。もう一度、ただのエンターテインメントとしてのアニメを復活させたい」。ボグダンさんの夢は膨らむ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101202055798.html


ルーマニア革命戦士日本でアニメプロデューサー転身

 あのチャウシェスク政権を倒した男が日本でアニメを?。ルーマニア生まれのギャルマト・ボグダンさん(38)がプロデュースしたアニメ「はたらキッズ マイハム組」(テレ朝系、日曜・前6時30分)が7日から始まる。壮絶な半生を経て、母国から遠く離れた日本で実現したアニメ作りの夢。ボグダンさんは「日本人のモノづくりの素晴らしさを伝えたい」と語る。

 主人公は不思議な能力を持つハムスター。大工や消防士、パティシエに医師…。“仕事人”ハムスターが、人間社会のさまざまな難題に立ち向かっていく。「視聴者の方が、どんなふうに見てくれるのか。ドキドキしています」と目を細めるボグダンさんだが、アニメのかわいらしさとは対照的に、その半生は壮絶なものだった。

 1989年12月。ボグダンさんは“ルーマニアの東大”ブカレスト大の学生だった。「24時間寝ないで議論した。この国はどうあるべきかということを」ベルリンの壁崩壊以降、東欧の社会主義国では、民主化への動きがドミノ倒し的に活発化。ボグダンさんも有志を集い、チャウシェスク独裁政権の打倒という危険な計画のリーダーとなった。

 悪名高い秘密警察「セクリタテア」の監視は強まり、厳しさを増していく日々の生活。当局の嫌がらせなのか、愛犬のバルザック(コッカスパニエル)は家の庭先から消えた。それでも志に同調した仲間は数万人規模に膨張。デモ、衝突は何度も繰り返された。「先頭にいた軍人の銃口は上に向けられ、威嚇かなと思った。でも、そうじゃない。その間から顔を出した兵士が我々を撃ってきた」3歳下の弟・オビデューさんは右ひざを弾丸でえぐられた。

 チャウシェスク政権は崩壊。しかし、受難の日は終わらない。危険人物として混乱の中で当局からマークされ続けた。そして、いよいよ司直の手が。幸運だったのは検察官の娘が大学の同級生だったこと。事前に「逃げた方がいい」とリークしてもらい、電車に飛び乗り父の祖国であるハンガリーへ向かった。

 政治とは距離を取り、ブダペスト大で猛勉強を開始。三島由紀夫や黒澤明の作品を通じて日本文化の魅力にはまっていった。そしてアニメ。ボグダンさんが子供のころ、ルーマニアでは「ヤッターマン」「アルプスの少女ハイジ」といった日本のアニメが字幕付きで放送されていたという。

 ボグダンさんは文部省(当時)の留学生制度を利用して日本行きを決意した。千葉大で歴史や言語学を学び、98年にはスポーツジャーナリストの小松成美さんと結婚。日本は「第二の故郷」となった。

 来日後は、芸能プロダクションなどに勤務。昨年4月、長年の夢がかなうときがきた。あるパーティーで東映アニメーションの清水慎治さん(55)=経営企画室=と出会った。その後、食事をすることになり、ボグダンさんはその場で履歴書を手渡した。「『今までの人生を捨て、東洋の地でアニメを作り、世界へ発信したい』と言われた。すぐに会社に掛け合って面接しました」(清水さん)。外国人を即座にプロデューサーとして起用することは「非常に異例」だという。

 革命や政治的混乱に翻弄(ほんろう)されながら、日本で子供のころからの夢を実現させたボグダンさん。「日本人のモノづくりへの愛情や素晴らしさを表現した。物語性に徹底的にこだわっていきたいと思っています」

 ◆ギャルマト・ボグダン 1968年12月30日、ルーマニア・ブカレスト生まれ。38歳。父はハンガリー人、母はルーマニア人の二重国籍。ルーマニアのブカレスト大で比較文化を学び、89年の革命に参加し、チャウシェスク政権を打倒。その後、国を追われ、ハンガリーへと移住。ブダペスト大で日本文化を学ぶ。92年に来日。千葉大などで学び、98年に小松さんと結婚。通訳や翻訳家などを経て06年8月、東映アニメーションに入社。ハンガリー語、ルーマニア語以外に、英語、日本語、イタリア語、フランス語、スペイン語と7か国語を話す。

 ◆ルーマニア革命 1989年12月16日、同国西部でハンガリー系住民の強制移住に反対する市民らが警官隊と衝突したのをきっかけに、反政府デモが全土に拡大。その後、軍も市民を支持。チャウシェスク大統領は同22日、首都をヘリコプターで脱出したが、捕らえられ銃殺刑に。共産党による独裁政治は終息した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20071006-OHT1T00086.htm







「源氏物語」の仏語豪華本出版 洗練された日本文化
2007.10.22 20:05
 【パリ=山口昌子】世界の古典文学の最高傑作とされる紫式部の「源氏物語」の仏語版豪華本(翻訳・ルネ・シフェール)がこのほど、フランスで出版された。12-17世紀の絵巻やびょうぶ絵など520点の絵画が収録された全3巻1256ページにのぼる大書は、源氏物語の名が「紫式部日記」に記されてから1000年、日仏修好条約150周年、京都・パリ姉妹都市50周年にあたる来年を飾るのにふさわしいといえそうだ。
 仏語版「源氏物語」を出版したのは世界の傑作を絵画入りの豪華版で出版しているパリのディアンヌ・ドゥ・セリエ出版。7年の準備期間を経て出版にこぎつけた同社のディアンヌ・ドゥ・セリエ社長は、「源氏物語は日本文化の繊細さや洗練さを示すのに最適。しかも女性によって書かれたというのは驚きだ。この本によってフランス人の多くが日本文化の素晴らしさに接してもらいたい」とうれしそうだ。
 「源氏物語」を同社の豪華本シリーズに加えることを決めたのは2000年。日本画の山口華楊(1899-1984年、文化勲章受章、動物画を得意とした現代日本画の代表)の画集の出版企画で、「源氏物語」の仏語訳者で国立東洋言語文化研究所(INALCO)初代所長だった日本文学の権威、ルネ・シフェール氏(2004年死去)に出会ったときだ。
 シフェール氏は当時、病床にあったが、「源氏」の翻訳に10年を費やし、翻訳中は「源氏物語にとりつかれた」と述べ、その魅力を熱心に語っていたという。

 「源氏物語」に関する絵巻が登場しはじめたのは12世紀末で、17世紀の江戸時代まで多くの作品が誕生したが、最も古い12世紀の作品は世界に約20点しか存在しない。出版に当たって最大の難関は520点の収録絵画の版権問題。米ニューヨーク・メトロポリタン美術館や日本の徳川美術館、五島美術館のほかに、個人所有の作品の中には門外不出のものも多く、何度も拒否された末に、冗談まじりに「仏教に改宗せよ」と要請されたこともあったとか。
 2500点の絵巻やびょうぶ絵から厳選し収録した520点の絵画にはINALCOのエステル・レジェリー・ボエール准教授が解説を担当しており、絵巻物など日本独自の美術形態も紹介している。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071022/erp0710222006005-n1.htm

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