ウィーンでレベッカが上演されると聞いて、
いつか観に行きたいな(でもムリだよね)と思っていたのに、
幸運に恵まれて実際に観に行くことができました。
ウィーン旅行が決定して、旅行1ヶ月以上前からチケット手配。
ネットで予約したんですが、なにせ私はドイツ語は全然わからないし、
英語もあやしいんでかなり苦戦しました。
ようやくネットで予約できても、リコンファームメールを読んだところ
どうやらチケット配送のところでVersand Ausland(海外配送?)じゃなくて、Versand Inland(オーストリア国内配送?)を選んでいたらしく、ちゃんとチケット届くかやきもきさせられちゃいました。
国内外で配送料金違うのに、チケット届いちゃって、国内配送料のままクレジットカードには請求されたんですが、
いいのでしょうか???
事前にいろいろあったけれど、これを観るためにウィーンに来たといっても過言じゃないわけで、
劇場に到着した時は嬉しかった。
内容は映画で知ってる人も多いと思います。
ちゃんと原作も読みました。CDも買って聞きました。
BBCのドラマ版もしっかり観ていきました。
ヒッチコックの映画は少し原作に手が入れられていますが、
BBCは原作通りですね。
ミュージカルはヒッチコック版よりですね。
レベッカの死因が原作とは違って、ヒッチコックの映画のように殺害というより事故死なので、
ちゃんと警察に届ければ問題なかったのでは?という疑問も出ないこともないのですが。
それにしてもさすが期待を裏切らないミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイのコンビの作品(MAはビミョだけど)。
やっぱすごかったです。
「エリザベート」のような広い世界観はないけれど、レベッカの作品の雰囲気が音と歌詞から伝わってきました。
あ、ちなみに歌詞はやはりドイツ語なので、事前に脚本をネットで取り寄せて、
一字一字辞書を引きながら解読して行きました。
海外のミュージカルって大まかなあらすじくらい知っておかないと、観ててもわからなくて、
勝手にストーリーを想像して、全然別の話を自分でつくりあげかねないんでw。
(映画の予告編で、多分こんな映画だろうって思って観たら全然違うみたいな)
もちろん主役はIch(私)。
だけどレベッカの影のような存在のダンヴァース夫人の迫力がこの作品の良し悪しを決めるといっても
過言ではないですね。
ファーストのSUSAN RIGVAVA-DUMASさんではありませんでしたが、
仮装パーティの後、落ち込むIchに窓から飛び降りてしまいなさいと
ダンヴァース夫人が誘いながら歌う「Rebecca」という曲は本当にすばらしかった。
マキシム役は、人気ミュージカル俳優のUwe Kroger。
彼のマキシムはイギリス人じゃない!
あえていうなら、イギリス人とイタリア人のハーフ?(あんまり理由はないです。なんとなく)
まず、白いスーツに白い帽子をかぶっているわけですが、イギリス人そんなキメキメな白いスーツ着ないよ!(何を根拠に…)
そして新婚旅行のイタリアでIchとイチャイチャ。
慎み深いイギリス人はそんなことしません。(また、勝手な決めつけ)
きわめつけは、仮装舞踏会でレベッカの格好をしてしまったIchに怒鳴った後、手で口を抑えながら嗚咽&レベッカの死の真相をIchに語りながら号泣。
うーん。イギリス人って感情を表に出さないはずだ!(また、…以下省略)
死の真相を告白しているときIchが、ジャック・ファヴェルに会ったことを言わなかったのはレベッカを思い出してほしくなかったからっていうところで、
「レベッカの思い出?そんな必要はなかったのに…」って言いながら、ここでもイチャイチャ。……私もMrs.de Winterになりたい。
こんなに感情を表に出せるんだったら、たとえ離婚がウィンター家のタブーでも
できなくはなかったんじゃ…ってかそんなの気にするタイプじゃなくない?って思えてきます。
ここまでいろいろ突っ込んでますが、
実際のところ、生Uwe Kroger観られて本当嬉しかったなー。
人気があるのもうなずける実力と魅力のある俳優さんでした。
CDでもすてきな声なのですが、舞台は熱唱!!!!で、客席ものってて、
歌うごとにヒューヒューと口笛はならすわ、拍手はとまらないわで大盛り上がり。
他にもこちらはちゃんとイギリス人らしく見えるフランクや、
ジャック・ファヴェルのあやしいというかいやらしい感じもすごく出てたし、
仮装舞踏会でも大活躍するマダムホッパーもはじけてました。
演出面では、♪私たちはイギリス人よっていう歌のシーンでゴルフボールを使った面白いところもありました。
そしてセット。中央にせりあがる螺旋階段が出てきて、
仮装舞踏会や最後の火事のシーンですごい存在感を出してます。
また、海が見えるレベッカの部屋の窓のセットもすばらしかったです。
ただ、マンダレーのお屋敷とそれまでの道のりや、
レベッカの死の真相を探りに医者の所まで行った帰りの機関車などが映像で映し出されていました。
映像も悪くないけど、舞台で映像って使い方がいまいちだと興ざめしちゃうんですよね。
リアルさって必要ないと思うんです。
例えば、パントマイムで扉を開く動きをしたら、観る側もそこに扉があるんだなとみなすという
お約束の上で成り立ってるというところにも舞台の面白さってあると思っているので。
上手く使えばもちろん効果的ですけどね。
レベッカという作品は、死んだレベッカ、Ich、ダンヴァース夫人、この3人の女性のパワーバランスの
話のような気がします。
当初圧倒的な存在のレベッカとダンヴァース夫人。
私はそれにおびえていたけれど、
レベッカの実像とマキシムに愛されてることを知って形勢逆転。
でも死期が近いと知っていたレベッカがわざとマキシムをけしかけたのではというところで
やはりレベッカの強さを思い知るというような。
このミュージカルで形勢逆転のシーンでは、Ichがわざと「これはキッチュなものに違いない、こんなのがあるから不幸になるんだ」と言いながらわざと置物を壊していましたが(壊れる効果音があった)、私の席から、緩衝剤で置物が壊れないように
してあるのが見えましたw。
毎回壊してたらもったいないしね。
それからそのシーンの対になるうっかり置物を壊してしまってかけらを隠すシーンでは、
うっかりというよりわざとってくらい不自然な動きになっていました。ちょっとおかしかった。
原作は火事になったマンダレーに向かうところで終わっていますが、
このミュージカルでは、マンダレーに到着して、燃え盛る屋敷のなかでダンヴァース夫人が火のついたレベッカのローブを
着てさまようという衝撃的なシーンもありました。
螺旋階段の手すりももえているんですが、火のついたものを着てるってコワかったです。
そして廃墟になったマンダレーのシーンで終わりです。
あっという間で、もっともっと観ていたかった。
もちろん客席はスタンディングオベーション。
今思い出しても感動ものでした。
Raimund Theater
Ich:WIETSKE VAN TONGEREN
Maxim de Winter:UWE KROGER (Oはウムラウト)
Mr,Danvers:KERSTIN IBALD
Jack Favell:CARSTEN LEPPER
Mrs.Van Hopper:CARIN FILIPCIC
Beatrice:MICHAELA CHISTL
Frank Crawley:ANDRE BAUER (名前のEはアクサンテギュ)
Ben:NORBERTO BERTASSI