手打ちそば  川上

手打ちそば川上の案内とエピソード等お話いたします。

鴨脂と鴨エキス (概説)

2008-06-05 01:09:36 | ご案内

 
2003年の春頃から、鴨エキスと称する品の開発を始め、改良を重ね、ようやく
理想とする最終モデルに到達できました。

左側が合鴨脂、右側が鴨エキスです。
双方とも色は付いておりますが、スプーンに取ればほぼ差は無く、濁りはありません。

合鴨の脂質について
 ①エネルギー(カロリー)値が高い
     疲労時のエネルギー補給、寒い時に体を温める食(鴨鍋など)
 ②不飽和脂肪酸の含有率が高い
     血中コレステロールを下げ、生活習慣病予防に役立つ
     中でも体内でDHAに変わるαーリノレン酸を多く含有しています。
     ただし、酸化されやすいのが短所である。

鴨脂と鴨エキスの開発は、劣化を克服する事にありました。
 油焼けした揚げ菓子を食べた経験はありますか?
 すべての食品で、主要な構成成分として油脂を含む食品、製造時に油脂を利用したことにより
 油脂を含有する食品は多く見られます。
 そのような食品」に含有される油脂は、時間の経過と共にさまざまな反応が進行して変化が起こ
 ります。通常、そのような変化は、香り、色を変えたり、有害な成分を産出したりするので劣化と
 呼ばれています。
 油脂の劣化の度合いを知る手段として、それの主要原因である、油脂の加水分解と酸化の
 状況を調べる酸価、過酸化物価があります。
 食品に含まれる油脂の酸価、過酸化物価の測定が、その油脂の状態を判定する指標として、
 公的な規格の中で用いられているものを紹介すると、「食品衛生法施行規則」及び「食品、
 添加物等の規格基準」の中では、「即席めん類のうち、めんを油脂で処理したものの成分
 規格として、含まれる油脂の酸価が3を超え、又は過酸化物価が30を超えるものであっては
 ならない」と定められています。また、菓子の製造・取扱いに関する衛生上の指導に付いての
 通達では、油脂で処理した菓子の管理についての中で、販売される菓子は「その製品中に
 含まれる油脂の酸価が3を超え、かつ、過酸化物価が30を超えるものであってはならない。」
 及び「その製品中に含まれる油脂の酸価が5を超え、又は過酸化物価が50を超えるもので
 あってはならない。」と定められています。

   
鴨脂の原料     合鴨の皮下脂肪
  鴨エキスの原料   合鴨の皮下脂肪・合鴨肉(チェリバレー種・バルバリー
               種) 

  鴨エキスの分析 (当店製品)
     エネルギー (kcal)   100g当たり      853kcal
     水分     (g)     100g当たり      0.36g
     酸価                  1.03
     過酸化物価 (meq/kg)      5.06

鴨脂の活用
  
基本的には、フライパンを用いる料理に適しています。
   脂本来の匂いが、微かに感じる程度なので、味に深みを与えつつも
   素材を生かす、サポート的な役割
   調理例
     玉子焼き・目玉焼き    野菜炒め 
     キノコ炒め(味付けは醤油のみでOK!)

鴨エキスの活用(しっかりと煮溶かす・煮含めるのがポイント)
  
汁物で本領を発揮します。肉の風味がしっかりとしていますので、
   「鴨のだし」として利用できます。
   調理例
     そばつゆ  鍋の割りした  煮玉子(個人的に最高!)
     長ネギ炒め  ラーメンスープのサポート