ペットシッター日記

ペットシッター吉山のお仕事奮闘記!
動物との感動の日々。。。
ドタバタの毎日を日記にしてみました!

平成28年度 動物取扱業研修

2016-11-25 | ペット
昨日は東京で初雪
みなさま、ペットたちは体調を崩していませんか?
とっても寒い1日でしたね

シッター吉山、昨日は研修でした

研修内容の1つに、
「動物の問題行動はなぜ起こる?適正飼育はどのように判断される?」という講義がありました。

そもそも「問題行動」とは何だろう?
問題行動とは異常行動(その動物が本来持つ行動様式から逸脱したもの)だけでなく、
その行動が正常行動であっても、そしてそれが正常な範囲のものであっても、
人間社会(飼い主の生活)と協調しない場合、問題行動と呼ばれてしまいます。
しかし、正常行動だからといって放っておいてしまえば、
飼い主が飼い続ける事が困難になりその後も行き先がなくなることがあります。

「問題行動」には、大きくわけて「生得的因子」と「習得的因子」の2つがあります。

生得的因子とは、
・脳の器質的障害(水頭症など)
・中枢神経系の機能的障害
・両親の気質(遺伝的要因)

習得的因子とは、
①出生から飼い主の手に渡るまで
・妊娠期の母親のストレス
・母性行動の質と量
・十分な犬(母親や兄弟)との交流(=同種の社会化)
・出生から発育期間を通じて子育てに補助的に関わる人間の影響

②飼い主の手に渡って以降
・飼い主とのミスマッチング(飼い主のライフスタイルに合っていない動物)
・適切な飼育管理と社会化不足・馴化不足(=動物飼育に関する飼い主の知識経験不足)
・飼い主との関係構築の不備(=誤った優位性理論)
・嫌悪刺激を用いる
・問題行動の「芽」を見過ごし放置する

以上のように問題行動の原因には様々なものがあるが、
その中の多くは動物福祉の不備によるものです。
飼育環境や条件がその個体にとって適切かどうかを評価するときは、
「5つの自由」(Five Freedoms)特に『正常な行動を表出する自由』がどの程度達成されているかが
大きなカギになると言われています。

「5つの自由」(Five Freedoms for animal welfare)とは、
1960年代に家畜福祉向上の基本として定められた。
世界獣医協会の基本方針に取り入れられている
FAO/WHO委員会でこの基準を遵守したガイドラインが採択される

Freedom from Hunger and Thirsty
飢えと渇きからの解放    =正しい食事管理と新鮮な水の保障

Freedom from discomfort
不快からの解放       =清潔で心地よい住環境の保障

Freedom from Pain,Injury and Disease
痛み、怪我、病気からの解放 =疾病予防、早期発見、治療の機会の保障

Freedom from Fear and Distress
恐怖と絶望からの解放    =恐怖や精神的苦痛を与えられない保障

Freedom to Express Normal Behavior
正常な行動を示す自由    =その動物種がもつ生来的行動をとることの保障

動物福祉が達成されていないと、その動物は転位行動や正常な行動からの逸脱が起こり、
さらには常同行動や常同障害にと発展する事があります。

動物福祉は担保されていますか?
問題行動の治療は、その問題となっている行動をしないようにする、
であるとか、行動を変える事について注目され、
またそれが重要項目であると考えられている事が多いようですが、
実際に問題行動を抱えている動物では、
この『5つの自由』がしっかりと担保されていない事が多いのです。
これらを出来る限り今の生活の中で整えてあげることで、
問題行動となっている行動が軽減される事がほとんどです。

適正飼育を考える時にはまずこの『5つの自由』に立ち返って今の飼育環境を検証してみてください。
ただし、この『5つの自由』は最高基準ではありません。
これは必ず守らなければならない最低基準であり、
それは当該動物が手元にきてから手元を離れるまで保障されるべきものであります。

ペットとの生活にお困りの飼い主さん、
『5つの自由』は達成されていますか?
ペットをしかる前に私たち飼い主がやらなくてはいけない事があります。

今回の研修講義でシッター吉山が強く感じた事、それは、
『ペットの問題行動』
それは人間が引き起こす『人間の問題行動』が多くの原因だと改めて感じました。

ペットという他種の動物と暮らす事。
それは、生涯努力なのだと思います。

以上、平成28年度動物取扱責任者研修報告でした!
最後まで読んでいただきありがとうございました。


2 コメント

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不完全飼主ですががんばります (猫さん大好き。)
2016-11-26 19:16:06
こんばんは。
有意義な勉強会ですね。お疲れ様でした。

この条項を全て整えてあげるのが本来ですが、やはりはずれてしまう部分もあり、不完全飼主な私には耳の痛い所です。
それでも、記事に載った部分を参考にして、日々反省しながら精一杯のお世話をしたいです。
縁あって家族になった大切な命ですから。

今日も良いお話をありがとうございました。
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Unknown (tetsu club・吉山)
2016-11-26 22:05:22
猫さん大好き。さん、こんばんは(^-^)

今年度の研修は例年に比べ、
おじさま方のイビキもほとんど聞こえず
多くの人が真剣に耳を傾けていた。
そんな講義内容でした!

学んだことをみなさんに伝えて、
何か感じてもらえたらうれしく思います。

長々と書いてしまいましたが難しく考えず、
共に暮らす日々を大切にしてください(^-^)/
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