小児科医自殺で労災認定=「業務原因でうつ病に」-人手不足で宿直増え・東京地裁
1999年8月、小児科医師の中原利郎さん=当時(44)=がうつ病にかかり自殺したのは、過重労働が原因として、妻のり子さん(50)が、新宿労働基準監督署長を相手に労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は14日、「業務に起因してうつ病にかかり、自殺した」として、業務と自殺の因果関係を認め、遺族補償給付の不支給処分取り消しを命じた。
佐村浩之裁判長は、中原さんが都内の病院で小児科の責任者として勤務した99年ごろ、同僚の退職で宿直当番を多く担当することになり、全国的な小児科医不足から、補充の確保に苦心していたと認定した。
この話題にはやはり敏感に反応しました。小児科医不足によって救急車で病院をたらい回しにされ、亡くなる子供も悲劇ですが、過労によって亡くなる小児科医がいることも無視できない事実です。さらにその労災認定をめぐって裁判になるとは悲しい限りです。
中原利郎先生についての記事を雑誌で読んだことがありますが、かなりの激務であったようです。当直の回数も法律違反のレベルでなく、生きていけないようなものでした。私だったらおそらくその状況に耐え切れず職務放棄で逃げ出していることでしょう。
これは何も小児科医に限った話ではありません。公にならないだけで自殺したり、仕事を続けれなくなった研修医の話は聞きます。大抵そのような事件が起きた病院はその後の職務内容が緩くなっているという噂すらあります。
上下関係が厳しい世界に入るといつも中学生の頃を思い出します。理不尽な先輩からの命令に文句を言いながら、自分が先輩になると同じようなことをしているという矛盾を感じたのがそのころだからです。日本人はこの手のことになると進歩というものから程遠いと思います(それともこれって世界共通なんでしょうか?)
さて私が研修医として過酷な労働環境に異議を申し立てた時、上の先生たちはどのような反応をするのでしょうか?「自分たちも経験したことだ」といい始めたらもうその先に未来も希望もないです。病院運営が厳しいとしても少しずつの理解を示してくれることを願います。
(こういう理由もあってアメリカで働きたいのです!!!)