JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

経費削減(一輝とネコ19)

2013-08-20 01:50:00 | ノンジャンル
--まぁ、待て、ご老人…。この世知辛い世の中、あんな年をとった小汚いだけのネコを、わざわざ面倒を観ようという人間は、そうはおらんぞ。
--年をとったこ汚いネコで悪かったの…。
 老人は歩みを早めた。
--まぁ待て、短気は損気だというだろうが。
 一輝は老人を引き止めた。
--短気で粗暴なお前さんなんぞに、いわれたくはないわい。
 老人がムクれたのが、一輝には解った。
--解った、謝るから行くな。
 一輝は老人の前に出た。
--それが、人に謝る態度かな--。
 老人が上目遣いに一輝を見た。
--解った、済まなかった、だから行くな。いや、お待ちください。
 食事に仙薬等を混ぜられたくなかったから、一輝は素顔に頭を下げた。
 食事に仙薬なんぞを混ぜられたら--一輝は素直に頭を下げた。
--イヤ、やはりワシは出て行く、今の暮らしは、ワシの性に遭わん。
 老人は一輝を避けるようにして歩き出した。
--なにが性に遭わん。アレだけ氷河に可愛がられて。
 ネットや書籍でネコの生態」を調べた氷河は、ネコをブラッシングし、爪を切るなど、一輝が代わって貰いたいほどの世話を焼く。
--お前さんのせいだというのが、まだ解らんのか?
 老人は、またチラリと一輝を流し見た。
--オレが何を…。
 そこで一輝は言葉を切った。

「続く」