「いつまで付いてくる気だ」
氷河は背後の気配に声をかけた。
「気付いていたのか」
暗黒白鳥星座は物陰から出た。
「なぜ、オレを見張る」
日本を出てから付きまとう小宇宙を氷河は感じていた。それが、日本に入っても続いている。
「一輝様のご命令だからだ」
暗黒白鳥星座は日本を出る主に白鳥星座の動向を見守るよう命じられ、二度と青銅聖闘士たちと接触させないよう言い付かっていた。
「一輝はどうした?」
ふと、自分に愛を囁いた男の顔を思い出した。
「カノン島だ、お前に勧められてな」
暗黒白鳥星座の言葉に、氷河は目を見張った。
殺生谷での闘いで、氷河は一輝の腕の感覚を奪った。腕が落ちかねない凍傷を負ったまま白銀聖闘士たちと対峙していた一輝に、氷河はカノン島の噴煙の中へ七日七晩身を置けば腕は完治すると教えはした。だが、一輝が氷河の助言に従うとは思っていなかった。
「で、一輝はなぜオレを見張らせる?」
氷河は暗黒白鳥星座に向き直った。
「続く」
久しぶりなのに、短くってすみません。
私信・たくさんの本のお申し込みとご感想ありがとうございます。これからも細々とですが続けて行きます。
あと、リクエストしていただいた鴆もやりたいです(次くらいでしょうか…)ズバリ、リクエスト順ですッ。