父から母へのプレゼント

昨日、父が入所している特養「柏尾の里」の夏祭りがありました
別の特養「あすなろの家」に入所している母を、父の所に連れて行きました
車椅子の母を、車に乗せて、父のところに行くと、お祭りはもう始まっていて、父はホールで太鼓の演奏を聴いていました
私たちが父のところに行っても、父は誰だかわからないよう
音楽に興味のない父ですから、ホールから連れ出し、母と三人で、テーブル席に着きました
私が、屋台のやきそば、焼き鳥なんかを買いに行って、テーブルを離れると、父は私を探しに行こうとしたらしいのです目の前にいる母のことをすっかり忘れてしまっていたようです　　それでも、私が何度も、「お母さんよ、わかる？」と繰り返すうちに、「昌子か？やせたなあ」と言う言葉が
しばらくすると、もう部屋に戻りたいと言い出しました三人で、父の部屋に入ると、父はベットに横になり、母はトイレに行きたいと言い出しました
私がトイレ介助をしていると、寝ているはずの父が起き出して、タンスの引き出しを開けたり閉めたりして、何かを探しているようでした、、、
父のところに戻ると、父は黙って何か小さい箱を母に渡しました
母は、「いったいなんだね、お父さん、、」その箱を見たら、なんとそれは、私が去年永平寺で戴いてきた数珠でした私が父に「元気で長生きしてね」といって渡した数珠を、父は大事に引き出しにしまっていたのですねもう、私に会ったことも、父の妹に会ったことも、すぐに忘れてしまうほど、認知症が進んでしまった父が、母にプレゼントをするなんて、、、私はもう、感激して涙、涙、涙母が左手にしている黒い数珠が、父のプレゼントなんですよ。無表情な父に，「笑って」と言ったら、ご覧のように満面の笑みを私にプレゼントしてくれましたこの日のこと、忘れないでほしいなあ、、、