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きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

つきつめれば格差の問題

2025年05月20日 | 禁煙治療
久しぶりの更新です。

5月末日からは世界禁煙週間が始まります。

最近は日本人の喫煙人口も減少傾向で、公の場や飲食店の禁煙化も推進されてきているので、タバコを吸わない人が受動喫煙を強いられる場面が減っていると思います。

けれども喫煙者はゼロになっているわけではなく、今でも吸い続けている人がいます。

効果の立証されている禁煙治療薬が、誰でも安価で受けられる社会で生活しているにもかかわらず、依存症という病気であることを放置し、治療を受けずにいる人がいるのはなぜなのか?

禁煙治療の保険適応が条件づけられてしまっているのも、国が解消すべき問題ですが、つきつめてみれば、格差の影響が大きいと考えます。

教育格差、経済的格差が知識の差(リテラシーの低さ)を生み、置いてけぼりにされている人たちがいるのです。

喫煙者のいる家庭の子供は、受動喫煙を受け続け、将来喫煙者になりやすい環境にさらされています。
誰もが受けられるはずの禁煙支援が届かない人たちがいるということを忘れてしまうと、新たな喫煙者を生むことにもつながるのです。

吸う人も、吸わない人も、正しい知識を持つことが、健康的な生活への第一歩となります。


入院をきっかけに禁煙治療を受けるチャンスを提供されたにもかかわらず、「いつでもやめられると思って吸っていたし、入院中はやめられているからニコチンパッチはいらない」と言って禁煙治療薬の使用を拒んだ患者さんが、案の定、退院後に喫煙を開始してしまいました。

「先延ばし」は典型的な依存症の特徴の一つでもあります。

禁煙治療についての正しい情報提供や、機会の提供を、これからも地道に続けるしかありません。


禁煙がもっとも成功しやすい方法は、禁煙治療専門医にかかってアドバイスを受けながら禁煙治療薬を使うことです。

薬局で自身でニコチンパッチやニコチンガムを購入する場合は、薬剤師に正しい使い方を指導してもらってください。

今は禁煙アプリを使用して的確なアドバイスを受けることも可能な時代となっています。







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