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きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

生きる意味

2021年03月03日 | 喫煙防止教育
喫煙防止教室を行った小学生から、よくこんな質問をされます。

「どうして人間はタバコなんてものを作り出したんですか?」

質問のしかた、言葉はいろいろですが、子供たちからのこういうたぐいの質問に対しては、勝手に都合よく解釈をして、「タバコの歴史」について解説することにしています。
人類史上で、人とタバコとの関係をあらわす最古の記録として有名なものに、マヤ文明の壁画があります。



私はこの壁画のレプリカを持っているので、もったいぶって「特別にお宝を公開!」などと言いながらタバコの歴史を子供たちに説明します。

子供たちはみな喜んでくれますけれど、実はわたし的には、内心、お茶を濁している感が否めないでいます。

なぜなら、おそらく、子供たちの疑問の本質にはきちんと答えられていないと思うからです。

つまり、子供たちは、もっと深い疑問を抱いています。

それは、「なぜ人は、自らを傷つけ、苦しめるという、愚かなことをするのか?」ということです。


以前、小学1年生のクラスで「みんなの夢は何?」と投げかけたことがあります。

そのとき、「長生き!」と応えた子が複数人いて、びっくりし、同時に感動したのを覚えています。

与えられた生命を存分に、健康に、幸せに生きる。
それこそが、この世の生命体の一部として存在する私たちすべてに与えられたはずの生き方であり、生きる意味そのものでもあるのだということを、子供たちから教えてもらいました。


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2020年度の喫煙防止教室

2021年02月15日 | 喫煙防止教育
今年度はコロナの影響で、学校に出かけて行って子供たちに「タバコの本当の話」という喫煙防止教室を行えていません。

ネット環境の整備も、公立学校では遅れているようですし、そうでなくても日常慢性的に多忙な学校の先生方にとって、リモート授業の準備までするとなると、多大な時間と労力を強いることになります。
学校にもIT専門のアドバイザー職員がいるといいですね・・・

先日、職場の20代の同僚に、Zoomのアカウント登録と簡単な使い方を教えてあげましたが、のみこみが早く、サクサクとやっていました。
あのくらいの世代にとっては、まったく難儀のないことのようです(笑)


昨年の夏休みが明けた時期に、学校の先生がたが同じ内容で喫煙防止授業ができるように、スライドショーに詳しい解説書をつけて、お送りいたしました。

その後、何校かの先生方からご丁寧に授業のご報告をいただきました。
子供たちの授業後の感想文を送ってくださった先生もいらっしゃって、それらをみてみれば、私の「タバコの本当の話」が無事引き継がれているのがわかり、とてもホッとしました。

そのうえ、コロナ禍が収束したあかつきには、また私に授業をやってほしいとも言っていただき、大変うれしく思っています。

これまでと同じように出張課外授業ができるようになるかどうか、現時点ではわかりません。
ですが、これまでのキャリアを無駄にせず、新しい時代の新しい形で、今後も学校教育に関わっていきたいと思っています。



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DNAを繋ぐ作業

2020年11月20日 | 喫煙防止教育
これまで、多いときは年間70校近くの小中学校に出かけて行って、喫煙防止教室を行っていました。

今年は新型ウィルス感染拡大の影響で、学校へ行って子供たちと接しながらの授業ができていません。

世の中的には、オンライン上での会合等がかなり浸透しており、学会や講演会もリモート参加型が増えていますが、公立の小中学校では環境が整っていないことが多く、我が国がIT後進国であることがわかり、教育が軽視されていることに憤りさえ感じます。

夏休み明け以降、小学校などでは先生方の並々ならぬご努力で、感染予防対策をしっかりと行いながら、新しい形での運動会や修学旅行等の行事に取り組んでいるようです。
ですが、医療現場にいる者としてはより慎重にならざるを得ず、せっかく授業のご依頼をいただいても、残念ながらまだしばらくのあいだはお断りせざるを得ない・・・という状況です。

それでも、子供たちに学ぶ機会を失ってもらいたくないという気持ちから、養護の先生方むけに授業資料を作成し、すでに多くの学校にお送りしています。

今回のようなことがなければ、このように資料としてまとめることはなかったかもしれません。

小学生相手の場合は、子供たちとの生のやりとりが学習効果をあげるためにはとても重要だと思っています。
ですから、資料はあえて「音声付講義スライド」の形にはせず、あくまでも先生方に共有していただけるような形式、つまり「音声なしスライドショー」と「解説つき台本」みたいなものをご提供しました。


例年、特別授業を行っている大学生向けに講義資料も作成したのですが、こちらは「音声付スライドショー」という形になりました。
一方通行な講義形式です。

私にとっては初めての講義動画となったので、できあがったものを見ると改善点はいろいろありますが、よい経験になりました。
YouTubeへのアップもやってみたらできました。
ユーチューバーには決してなれませんけどね。

でもこうやって、これまでの自分の仕事を色々な形にして残し、DNAを繋げていければなあと思っている今日この頃です。
















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ナゲットを食べるキウイ

2020年09月28日 | 喫煙防止教育
5年前に出会ったアニメーション。
依存症という病気がとてもよく表現されていますので、ご紹介します。

小学高学年~中学生くらいの子供たちとこれを一緒に見て、色々話をしてみたいなあと思っています。


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ニコチンゲーム

2020年09月26日 | 喫煙防止教育
先日、小学校で喫煙防止教室を行いました。

毎年依頼してくださるYH小学校。養護の先生がとても熱心で、本授業を維持、継続してくださっています。

1学年140名くらいの比較的大きな学校で、今春は分散登校や自宅学習を余儀なくされた子どもたち。

校長先生も他校から異動してきたばかりだったそうで「孤独でしたね」と。

6月から本格的に学校が再開されましたが、想像以上の先生方のご苦労があったに違いありません。


ぼーっと生きている大人たちにとっては、1年なんてあっという間。
「今年はできなかったけど、来年やればいいさ」なんて言えることは、ざらにあります。

けれど考えてみれば、子どもは大人の何十倍も何百倍もの速さで日々成長しています。
子どもたちにとっては、今は今でしかないのです。
コロナで失った日常というダメージは、大人のそれとは全く意味が違います。


修学旅行は場所を変更、日数も減らして行う予定だそうです。
手続きやらなんやら、さぞ大変だったことでしょう!

運動会も来月開催予定。
色々な考えの親御さんがいるから、対応に苦慮されたのではないでしょうか。


毎年恒例となった4年生の喫煙防止教室も、直前まで開催するかどうか検討をじゅうぶん重ねた上で決定したとのこと。

「教育を止めるな」と世間では簡単に言うけれど、現実には難問や課題だらけで、誰もが不安を抱きつつ、それでも歩んでいます。
いまできること、いまだからこそすべきこと、やめてはいけないことを見極め、実行する。
明るい未来は教育なしにはあり得ません。

本当にありがとうございます。


授業は4クラスを2クラスづつに分け、2回おこないました。
窓を全開にした体育館内に、じゅうぶん距離を保って座り、全員マスク着用。

折しも台風の影響でびゅーびゅー風が吹いていて、体育館に入ってくるなり誰かが「天然のクーラーだ!」と言いました(笑)

私が大声を出さなくてすむようにピンマイクも用意されていました。

8ヶ月ぶり、しかも2授業連続、内容もリニューアルしていたのでめずらしく緊張しました。
その他のネガティブ事情も重なって、当日朝はお腹が痛くなったりしましたが、終わってみれば、やっぱりパワーをもらえました。


4年生といえば、元気盛りな学年。
でも、子どもたちなりにこういう状況をみな理解し、落ち着いて行動しているのがわかりました。
心強いです。
家庭や学校での教育が行き届いているのも感じました。

聞けば、複数クラスでの集合や、校外講師を招いての授業は今年初めてのことだそうです。


「これで、やればできるってわかりましたね!」

「楽しかったですね!」

「さっそく学校便りに載せましょう!」

校長先生や養護の先生はそういって喜んでくださっていましたが、だからこそ、クラスター発生などとなっては今後に差し障ります。

授業を終え、教室へ戻る子どもたちに向かって、「すぐに石鹸で手を洗うのよー」とよびけかけました。
私も校長室に戻ってすぐに洗面台で手洗いとうがいをさせてもらいました。


授業は質問時間が多くとれるように構成しなおしたので、子どもたちとの対話を充実させられました。

面白かった質問。

「ゲームにもニコチンが入っていますか?」


もちろん、ゲーム依存はニコチンのせいではないけれど(笑)、子どもの脳は大人に比べて依存を引き起こしやすいことを話しました。
質問で授業のなかみが更に深まります。

「ワタシはゲームは好きじゃないからやらないけど、やったとしても、いつでもやめられるよ」と言ったときの子どもたちの驚いた様子には、私自身、正直びっくりしました。


でもおかげで、対面での相互交流する授業は、それだけでとても価値があるのだと、今回、改めて実感しました。


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死亡者数800万人以上

2020年05月27日 | 喫煙防止教育

ニュースでは、「まずはじめに新型コロナウイルス関連です」というのが常套句となり、感染者数や死亡者数が読み上げられるのが通例となりました。

そんな数字を見ると気持ちが落ち込んでしまうので、新聞もテレビもネットも、コロナ関連のものをなるべく見ないようにしていた時期がありました。

 

かつてない緊急事態を経験しているあいだにも季節は巡り、気づけば5月も終わろうとしています。

 

5月の終わり・・・といえば、「世界禁煙デー」です。

世界保健機関(WHO)が5月31日を世界禁煙デーと定めたのは・・・1989年。

おおっと、私が医師になった年です!

とても運命を感じます。

 

毎年この時期には、WHOのホームページでスローガン(標語)を確認しています。

World No Tobacco Day 2020

今年のスローガンは「The secret's out」、直訳すると「秘密は暴露された」です。

 

タバコ会社は子供や若者をターゲットにして、販売戦略を練り、莫大な広告資金を投入しています。

その販売戦略は実に巧妙で、さまざまな広告媒体を使って、未成年者をニコチン依存症という病気にかからせ、自社を裏切らない顧客とし、結果として自分達の私腹を肥やし、若者たちの明るい未来を奪おうとしています。

その黒い戦略方法を子供達に理解させ、彼らが正しい選択をできるように教育を推進していきましょうということが、このスローガンには込められているのです。

 

私も常々タバコ会社の販売戦略について最新のものをリサーチし、喫煙防止教室で子供達に紹介してきました。

子供達の授業後の感想文に「詐欺だ!」「許せない!」「だまされないぞ!」といった言葉が書かれているのをみると、授業をやってよかったと心から思います。

 

最近のタバコ広告のトレンドは、やはり電子系タバコですね。

若者が好むような様々なフレーバーが加えられています。

またネットでは、多くのファッショナブルなバリエーションの柄が売られていて、そんなサイトを見ていると、スマホの着せ替えカバーを選んでいる錯覚におちいります。

 

また、電子タバコ系広告では主に「臭くない」とうたっており、外出自粛が続くなか、「自宅で吸っても家族に文句言われないから安心」といった内容の文言が並びます。

 

でもねえ、臭いんですよ、やっぱり。

臭くないと思っているのは、吸ってる人だけです。

禁煙外来でも、診察室がすごくタバコ臭くなって困ることがあります。

受診前に「これで最後・・・」と、思いっきり吸ってくる方がたまにいらっしゃるからです。

 

さて、5月26日現在、新型コロナ感染症による世界の死亡者数は34万人を越えました。(ジョーンズ・ホプキンス大学集計)

いっぽう、タバコが原因で亡くなっている方は、世界で年間800万人以上といわれています。(WHO)

そのうち120万人は、受動喫煙による死亡です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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難しい言葉

2019年06月24日 | 喫煙防止教育
小学校での喫煙防止教室は10歳前後の子供たちが相手です。

ですので、授業ではなるべくわかりやすい言葉を使って、文章は短く、かつ、ジェスチャーを交えて、聞き取りやすい話し方をするように心がけています。


時々、授業後の質問タイムなどで、ある単語が出てこなかったり、あるいは考えていることをうまく文章に表せなかったりする子がいます。

そんな子供たちを見ていると、仏語クラスでの自分が重なって、「わかる、わかる、そのもどかしさ!」と同感しつつ(笑)、いつもギヨム先生がしてくれるように、単語を補ったり、言いたいことを推察して正しい文章にしてあげたり、といった手助けをします。


実は、外国語に限らず、日本語をまだじょうずに操れていなかった頃の自分の記憶というものが私にはあります。

あれは小学校に上がる前の、幼稚園の年長さんのときでした。

あるとき、お隣に住む同級生のお母さんに話しかけられました。

「ゆかちゃんも△&%#@ならいにいく?」


そのとき私は、「△&%#@」という言葉が難しくて聞き取れず、まったく頭に入ってきませんでした。

おばさんが言った言葉が、文字として捉えられず、「△&%#@」のまま空中分解して消えてしまう感じ・・・その感覚を、今でも覚えています。


「△&%#@」はなんという言葉だったかというと、「お習字」でした。



小学3-4年生相手の喫煙防止教室で、子供たちにとって最も難しいと思われる単語は「受動喫煙」です。

もちろん、どういうことかを説明したあと、言葉としてもきちんと覚えて欲しいので、子供たちの脳の中の引き出しにしっかりとしまってもらえるよう、心がけながら話をしています。








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小学5年生の感想文から

2019年06月04日 | 喫煙防止教育
いつも楽しみにしている喫煙防止教室の感想文。
I小学校5年生の子供たちの感想から一部をご紹介します。


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ぼくの身近にはきつえんしゃはいないけれど、まちにいくと、タバコを吸う人がいっぱいいて、ぼくはこんなふうな大人にはぜったいになりたくないとかんじました。

タバコは止められなくなると思っていましたが、ちゃんとしたくすりがあって、よかったです。


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「家族に喫煙者はいないから」と無関心な大人は少なくありません。
でも、子供たちは他人のことも心配できるんですね。
すばらしいことです。




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今までは、お父さんがすっていて、ダメだと言いたかったけど、なかなか言える勇気がなくて、ずっとそのままにしていたけど、今日の授業を受けて、ダメだと言える勇気がもてました。

先生、本当にありがとうございます!


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子供たちにとって親は良い意味で言って絶対的な保護者なので、言い方は悪いですが、子供たちは嫌われないように、いつも親の顔色をうかがっています。

これまでモヤモヤと「タバコは悪いものなんじゃないか?」と本能で感じていたことが、勉強して正しかったとわかって、タバコをやめてと言う勇気が生まれたのです。

教育がいかに大切かを実感するのはこんなときです。



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ぼくは、おかあさんやおとうさんに、ちゅういをする。

もし、たばこをすったとしても、ぼくは、ぜんいんにすっちゃだめといいます。

ぼくは1人になったらかなしいです。


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実は、「誤字脱字、てにをは間違いだらけ、平仮名のみ」で、担任の先生の赤字の目立つ感想文でした。
でも、気持ちは120%伝わってきました。



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タバコのことをいっぱいおしえてくれて本当にありがとうございます。

私のかぞくではお父さんがタバコをすっています。

だけど私がお父さんに先生のタバコの話をしたら、お父さんのタバコをやめる度が55%ふえました。

先生のおかげです。

ほんとうにありがとうございました。


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55%増えたとは、2回に1回くらいは、言ったらやめてくれるようになったということでしょうか?
娘に関心をもってもらえるうちに、お父さん、やめられるといいですねえ。


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令和最初のお教室

2019年05月13日 | 喫煙防止教育


令和になって最初のタバコの授業は故郷の群馬県で。

母校の小学校で初めて授業をした時の養護の先生とのご縁でうかがうようになった渋川市立津久田小学校と赤城北中学校。
今年でもう8年め!

いつも授業は三学期の寒い時期で、大雪の年もありましたが、今年は新緑美しいこの季節。

津久田小では毎年4年生に授業をしています。
今年のクラスは少しおとなしい雰囲気。

鐘が鳴ると挨拶のあとそのまま授業に突入だったので、子どもたちにこんな質問をしてみました。

「さて、私は何の仕事をしている人でしょう?」


昨年から、学校へはなるべく着物で出かけています。
子どもたちに日本の伝統文化に慣れ親しんでもらいたいという気持ちからです。
というより、単純に自分が着たいからなんですけど(笑)

この日の私は、先日祖母の箪笥を整理していて見つけた青い着物に、自分で仕立てた久留米絣の半幅帯を締めていました。



さて、子どもたちの答えは・・・

「温泉で仕事してる人」

ああ、仲居さんね(笑)
それとも、旅館の女将のことかな?


「着物作る人?」

おお、なるほどね。
この着物はお祖母ちゃんが作ったのよ。

明治生まれの祖母が仕立てた着物を着た昭和生まれの医者が、平成生まれの子供たちを相手に、令和の時代に授業やってまーす!

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ユル・ブリンナー先生

2018年09月18日 | 喫煙防止教育
喫煙防止教室では、パワーポイントを使って授業をしています。

本物の肺や心臓などの画像を見せることで、なるべく子どもたちの記憶に残るように、という思いからです。

校長先生や養護の先生などから、「先生がお持ちの画像は本物ですから、説得力があります」とお褒めいただきます。


けれど、いまや、ネットで誰でもそういう画像は目にすることができます。
医者でないと手に入れることができない、というわけではありません。

それに、昔から保健室にはタバコを吸っていた人の真っ黒に汚れた肺の写真のポスターは貼られていました。

そのような真っ黒な肺の写真を見せると、みんな「うえーっ!!」と一様に驚いてくれるのですが、実はみんな一度は見たことがあるはずなのです。



でも、普段は病院で働いている医者が見せる、というところに、実は大きな意味があるのではないかと思っています。

もちろん、ただ写真を見せるだけではありません。

肺が真っ黒でボロボロになってしまうと、人間はどんなふうになってしまうのか?

私たち医療者はそれを間近で見て知っています。

そして、このような病気は決して完治できないため、日々、心を痛めてもいます。

その心の痛みも一緒に、子どもたちに教えるのです。

学校の先生ではなく、医療者がわざわざ学校へ出かけていって行う授業の重さが、そこにあると思います。



実は、患者さんやそのご家族にご協力いただけないかと考えたりもします。

がんを経験した有名人のなかには、がん検診普及活動をしてくださっている方も何人かいらっしゃいますが、タバコのこととなると・・・

今の日本ではなかなか実現は難しい気がします。


海外では、患者さん自身がもっと子どもたちに直接的に語りかけてくれています。

その先駆者ともいえるのが、映画「王様と私」で有名な俳優ユル・ブリンナー氏です。






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