先日、小学校で喫煙防止教室を行いました。
毎年依頼してくださるYH小学校。養護の先生がとても熱心で、本授業を維持、継続してくださっています。
1学年140名くらいの比較的大きな学校で、今春は分散登校や自宅学習を余儀なくされた子どもたち。
校長先生も他校から異動してきたばかりだったそうで「孤独でしたね」と。
6月から本格的に学校が再開されましたが、想像以上の先生方のご苦労があったに違いありません。
ぼーっと生きている大人たちにとっては、1年なんてあっという間。
「今年はできなかったけど、来年やればいいさ」なんて言えることは、ざらにあります。
けれど考えてみれば、子どもは大人の何十倍も何百倍もの速さで日々成長しています。
子どもたちにとっては、今は今でしかないのです。
コロナで失った日常というダメージは、大人のそれとは全く意味が違います。
修学旅行は場所を変更、日数も減らして行う予定だそうです。
手続きやらなんやら、さぞ大変だったことでしょう!
運動会も来月開催予定。
色々な考えの親御さんがいるから、対応に苦慮されたのではないでしょうか。
毎年恒例となった4年生の喫煙防止教室も、直前まで開催するかどうか検討をじゅうぶん重ねた上で決定したとのこと。
「教育を止めるな」と世間では簡単に言うけれど、現実には難問や課題だらけで、誰もが不安を抱きつつ、それでも歩んでいます。
いまできること、いまだからこそすべきこと、やめてはいけないことを見極め、実行する。
明るい未来は教育なしにはあり得ません。
本当にありがとうございます。
授業は4クラスを2クラスづつに分け、2回おこないました。
窓を全開にした体育館内に、じゅうぶん距離を保って座り、全員マスク着用。
折しも台風の影響でびゅーびゅー風が吹いていて、体育館に入ってくるなり誰かが「天然のクーラーだ!」と言いました(笑)
私が大声を出さなくてすむようにピンマイクも用意されていました。
8ヶ月ぶり、しかも2授業連続、内容もリニューアルしていたのでめずらしく緊張しました。
その他のネガティブ事情も重なって、当日朝はお腹が痛くなったりしましたが、終わってみれば、やっぱりパワーをもらえました。
4年生といえば、元気盛りな学年。
でも、子どもたちなりにこういう状況をみな理解し、落ち着いて行動しているのがわかりました。
心強いです。
家庭や学校での教育が行き届いているのも感じました。
聞けば、複数クラスでの集合や、校外講師を招いての授業は今年初めてのことだそうです。
「これで、やればできるってわかりましたね!」
「楽しかったですね!」
「さっそく学校便りに載せましょう!」
校長先生や養護の先生はそういって喜んでくださっていましたが、だからこそ、クラスター発生などとなっては今後に差し障ります。
授業を終え、教室へ戻る子どもたちに向かって、「すぐに石鹸で手を洗うのよー」とよびけかけました。
私も校長室に戻ってすぐに洗面台で手洗いとうがいをさせてもらいました。
授業は質問時間が多くとれるように構成しなおしたので、子どもたちとの対話を充実させられました。
面白かった質問。
「ゲームにもニコチンが入っていますか?」
もちろん、ゲーム依存はニコチンのせいではないけれど(笑)、子どもの脳は大人に比べて依存を引き起こしやすいことを話しました。
質問で授業のなかみが更に深まります。
「ワタシはゲームは好きじゃないからやらないけど、やったとしても、いつでもやめられるよ」と言ったときの子どもたちの驚いた様子には、私自身、正直びっくりしました。
でもおかげで、対面での相互交流する授業は、それだけでとても価値があるのだと、今回、改めて実感しました。