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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

工場内液体残圧利用水力タービン発電装置の勧め

2010年05月16日 | 省エネ エネルギー回収

工場内では、配管に色々な液体がポンプにより流されていますが、所々で減圧弁を入れて圧力を落としたり、また廃液として捨てたりなどされており、それらの液体が持つ圧力や落差エネルギーを回収して発電を行う設備をお勧めします。

その未利用液体圧力エネルギー回収装置に関する簡単な説明が次の図となります。

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たとえば減圧弁で圧力を減圧するような場所には上図左側のフランシス型水力タービンが適切です。

このフランシス型水力タービンであればかなりの高圧でも低圧に自由に減圧出来ると共に、回転数も速くなり発電機との接続性も良い、高効率の水力タービン発電機となります。

また、廃液などの液体の低落差を利用するには図中の右の低落差用プロペラ水車がピッタリであり、落差がわずか1mほどでも液体の落差エネルギーを効率よく回収する事が可能なのです。

しかも弊社のプロペラ水車は大変に効率が高いので、未利用圧力エネルギーの回収率は抜群に良くなります。

以上のような液体エネルギー回収型水力タービン発電機であれば弊社の実績として、わずか発電出力2KWのものから、最大は海水残圧利用水力タービン発電機350KWまでがあります。

つまりこの分野のエネルギー回収は大得意となりますので、なにか御計画などありましたらお気軽に弊社ターボブレードまでお問い合わせください。


電力とCO2を削減 低効率ポンプを高効率ポンプへ改造

2010年05月14日 | 省エネ エネルギー回収

工場設備や各種施設で多く使われているポンプは、一日のうちの長い時間運転していることが多く、年間の消費電力もかなりの量となります。

これら設備用ポンプで低効率のものを高効率のポンプに取り換えるか又は改造する事で年間の電力費とCO2の削減効果は大変に大きくなります。

低効率ポンプを高効率ポンプに替えることで省エネを行う簡単な説明図が下図となります。

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図は一般的な渦巻きポンプで2次元羽根を使っている為に低効率(60%ぐらい)な性能の左のポンプを、右側の3次元羽根を採用した高効率(85%ぐらい)のモーター一体型遠心ポンプに替えた事例です。

例えば100KWクラスの低効率渦巻きポンプを高効率ポンプに交換又は改造することで消費電力を20KWぐらい落とせたとすると、年間8000時間運転するならば20KW×8000時間=160000KWHの電力量を削減出来ます。

すると低圧電力の電気料金を10円/KWHとして、160000KWH×10円/KWH=160万円が1年間に削減できる電気料金の概算です。ちなみにCO2削減量は、年間約60トンとなります。

これを3年で設備費を回収出来るとすれば、160万円×3年分=480万円が100KWクラスポンプの高効率化にかけることの可能な金額となり、これは100KWクラスポンプを改造するには充分な金額となります。

ポンプは使用する電力のわりには本体は小型となりますので、例え使用電力が50KWクラス以下のポンプであっても高効率化改造費は2~3年で元をとることが出来ます。

以上のように、工場や各種設備での高効率ポンプへのポンプ改造は、電力費の削減とCO2の削減に大変効果が大きいのでどんどん進めるべき事業と言えましょう。


電力とCO2の削減 低効率ファンの高効率ファンへの改造について

2010年05月13日 | 省エネ エネルギー回収

低い効率で運転されている設備内の低効率ファンは、無駄に電気を消費していますので、これを効率の高いファンへ改造または取り替えることで、設備や工場での電力およびCO2の削減を行うことが出来ます。

それの簡単な説明図が下の図です。

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この説明図は、高効率ファンへの改造で最も簡単な方法である、現状の低効率ファンの2次元羽根を高効率の3次元羽根へ替えることで、ファン効率の20%以上もの効率改善が出来る可能性があり、それによる年間の電力費とCO2の削減効果は大きなものとなることを示しています。

例えばもし1000KWクラスのファンがある場合は、効率改善によって200KWぐらいの電力削減が行えるなら、年間1500万円近くの電力料金削減効果が期待出来ることとなります。

羽根を取り換えるだけでこれだけの電力削減が出来ると、その省エネ設備の投下設備費の回収期間は、2年に以内入ることは確実であり、3年目からは電気料金が大きく削減とされ、そのCO2削減の量も年間に576トンと大変に大きな量となります。

まだまだ古い効率の良くない大型ファンを使用している設備は国内に存在しており、それらをこの羽根取替えなどの改造で省エネ設備とするべく事業を展開していきます。


省エネ用 高効率軸流ファン 設計例

2010年04月18日 | 省エネ エネルギー回収

年間の電力使用量を減らす省エネのための高効率ターボ機械設計例として、冷却設備に使われる大口径の高効率軸流ファン設計例を載せて見ます。

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この高効率軸流ファンは、直径が1m程度ありかなり大きなものです。

ケーシングがほとんどない半オープン形プロペラファンという種類になりますので、羽根外周側の翼弦長が大変に長い、つまり外側が団扇のように広がっている特殊形状のブレードとなっています。

この団扇型のブレードには更に特徴があり、回転方向に突出した前進翼と呼ばれる羽根形状は、効率の改善と共に騒音の低減を狙って設計したものです。

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上図は横から羽根形状を見たものですが、良く見て頂けると羽根表面が波打っているというか起伏のある羽根面となっています。

これも翼ボス側から外側に遠心力で流れようとする空気の流れを整える役目を行い、効率の改善に大きく寄与しています。

このような複雑な羽根曲面形状を持つことによる高効率化したファン設計が、弊社の得意とする省エネ用ファン設計ということになります。

ファンは連続して長く運転されている機械となりますので、その高効率化による省エネ効果は年間で見ると大変に大きなものとなります。

この設計技術による年間CO2削減効果をより国内に広めていくことが、弊社の義務であると言えましょう。


展示会用パネル内容の御紹介 省エネターボ機械について

2010年02月25日 | 省エネ エネルギー回収

毎日連続して運転する場合が多いポンプ・ファン・ブロワでは、その効率をなるべく良くして省エネを図れば、年間の必要電力量を大幅に削減する事が可能となり、エコとCO2削減に大変貢献する事となります。

そのような省エネ高効率ターボ機械を設計することを紹介したのが下のパネルです。

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まず紹介しているのは、羽根を3次元形状の高効率羽根に替えることで、2次元羽根の低効率に対して劇的な効率改善も可能である高効率遠心ポンプの開発設計例を上段左に示しています。

そして遠心と軸流の中間の型式である斜流ポンプを高効率に設計した例が上段右側の図となります。斜流ポンプは流れに無理がなく、基本的に高効率なポンプなので、今後用途が広がっていくものと確信しています。

次に最近効率改善の問い合わせが大変に多い軸流ファンを設計した例として、割とボス比が小さく流量も多い割に求められる圧力増加が大きな軸流ターボファンの設計事例を中断左側に載せてみました。

そのような高効率軸流ファンを設計する場合に弊社にて使っている設計用ソフトウェアが、中断右側にある自社開発の軸流ファン設計ソフトとなります。これは非常に使い易いようにプログラミングを行い、羽根形状設計の自由度も非常に高いので大変便利な設計ツールとなっています。

次にファンよりも圧力が要求される用途に使う送風機としてブロワがあり、特に最近では羽根回転数をなるべく速くすることで高比速度3次元羽根高効率インペラを使う省エネブロワが多く開発されており、下段左が弊社設計の2万回転高速モーターを使用した高速高効率遠心式ブロワとなります。

このような高速高効率ブロワの下段右の図のように、複雑なインペラブレード形状を必要とする為、その設計もなかなか難しくなりますが、高比速度化による高効率化で従来のブロワに比べて圧倒的に省エネとなる為、益々普及がさかんとなっています。

ポンプ・ファン・ブロワなどのターボ機械で現在国内で低効率で使われているものを弊社設計の高効率型に替えるとものすごい量の国内CO2削減になると確信しています。

そのために、弊社では益々省エネターボ機械の開発設計を加速します。


ハイブリッド車エンジン用 電動ウォーターポンプ 最高効率設計事例

2009年09月30日 | 省エネ エネルギー回収

昨日ご紹介した、現在国内で最も売れているハイブリッド車に採用されたウォーターポンプ設計事例は、ポンプインペラの量産性を考慮して2次元羽根となっています。

2次元羽根とは、羽根を樹脂などで型成型で作る場合に、軸方向に型が抜けるような形状を持ったインペラをそう呼んでいます。

そのような量産優先の羽根に対して、とにかく性能を徹底的に追求したインペラとして、滑らかな曲面を持つ3次元羽根形状設計を行ってみたものが下図のウォーターポンプです。

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この最高効率を目指したインペラ設計の要点としては色々とありますが、いくつか挙げてみましょう。

まず羽根入口部分においては、軸方向水流を滑らかに半径方向流に転向する為のインデューサー的な3次元羽根部分を、入口相対流れ3次元空間上角度に対して正確にボスからシュラウド部まで作り込んでいます。

その入口の3次元ねじれ翼部を出た流れは、まるで回転するディフューザーのような拡大流路に入りますので、この翼間部分の拡大率とそれを構成する翼面のメリディアン方向に対する翼角度の変化率をも充分に滑らかな特性を持たせるように設計します。

そして最後は、翼出口部の出口角度と翼出口部の翼傾きの設定となります。

出口角度は必要な揚程を満たす為に決められなければなりませんが、翼出口部では翼圧力面と負圧面の圧力差から翼から出た流れは羽根出口角度より小さい角度で流出してしまいます。

幾何形状から決まる出口速度三角形に対して、ずれる実際の速度三角形を決める作業は、羽根枚数にも依存するものであるため、充分な検討が必要となります。

以上のような少々細かい設計計算を経た後に、高効率3次元羽根インペラが生成されますが、ひとつ言えると思っていることは、性能の良い羽根は見た目も良いということです。

これは、形状のバランスともいえるものが関係しているのではないかと思っています。


ハイブリッド車エンジン用 組み込み方式電動ウォーターポンプの設計例

2009年09月29日 | 省エネ エネルギー回収

ハイブリッド車のエンジン燃費を改善する為に、エンジンに組み付ける方式の電動ウォーターポンプの高効率設計を行った事例をご紹介します。

この事例は、現在国内に於いて最も売れているハイブリッド車のエンジンに採用され、その燃費を以前のものより2%改善することに貢献したものです。

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上図がその設計した電動ウォーターポンプのポンプ本体部となります。

ポンプ羽根は量産時に型にて抜けるように2次元羽根となっていますが、少しでも効率をアップさせる為に、羽根入口縁部には半径に応じて微妙に入口角を異なるように付けています。

この工夫により、ボス部でのブレード長が長くなり、流路拡大率を滑らかに出来たことも性能改善に効いています。

また羽根出口角度の設定に於いては特に気を使い、小型化する為に羽根出口直径を小さくしてしまうと羽根出口角度は大きくせざるを得ず、それにより急拡大の翼間流路となるため効率が下がります。

よってこの設計では、羽根出口直径は大きめに取り、最適な羽根出口角度を選定出来るようにしています。

さらに、羽根出口の高さ、つまり出口幅も重要な要素であり、これが高すぎると翼間流路での急減速が生じることで、翼間に流れないよどみが出来、効率を低下させますので、今回の設計では無理な翼出口高さの設計は排除しています。

そして流れが最終的に羽根出口速度を圧力に変換する重要なケーシングの渦巻き拡大形状については、何回も計算をし直してあまり速すぎない流速を採用しています。

ただこのケーシング内流速については、もう少し速くても良かったのではないかとも現在では思っています。

明日は、エンジン組み込み型電動ウォーターポンプの羽根が更に高効率な3次元羽根となった設計を御紹介しましょう。


温水用超小型遠心ポンプでの今後の開発方向について

2009年09月06日 | 省エネ エネルギー回収

色々な省エネや新エネルギー関係装置の中に使われる「温水用小型遠心ポンプ」の今後の開発方向性としては、超小型化と温水温度の上昇化への対応と考えています。

まず温水用遠心ポンプの超小型化については、ポンプ羽根を回転させるモーターの高速回転化により、モーター本体とポンプ羽根の超小型化が可能となります。

ポンプ羽根の超小型化については、超小型化しても効率を高い効率に維持することは弊社のこれまでの開発設計により可能としています。

もう一つの問題である温水温度の上昇化に対しては、超小型化するほどポンプ羽根への流入速度の増大によるキャビテーション発生という問題が大きなものとなっていくでしょう。

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温水温度の上昇化によるキャビテーション発生に対する解決策のひとつが、上図のような遠心ポンプ羽根前につけるスクリュウに類似しているインデューサーの付加となります。

このインデューサー(前置導水羽根)により少しの圧力上昇が行われることにより、遠心ポンプ羽根入口においては蒸気圧までの余裕圧力が発生して、通路を閉塞するようなキャビテーション泡の発生を防ぎます。

ただ一般的にはインデューサー羽根は複雑な加工しにくい形状をしていますので、それをどこまで単純化した形状として同様な効果を持たせることが可能なのか、それが重要な設計課題となりそうです。

この考えによる実験を既に行っており、なんとかいけそうには思っていますが・・・・


気体送風機の入口案内羽根制御による流量制御

2009年08月22日 | 省エネ エネルギー回収

気体送風機の流量変化時使用動力を適切に減らして省エネとする為に、ファンやブロワーの気体入口に可変式の案内羽根を設けて流量の調整を行うことが有効です。

そのような入口可変案内羽根の省エネ効果を出口バルブ制御などと比較して、どのくらい有利であるかをシミュレーションで求めることを行っています。

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上図は、入口案内羽根を計画しているところです。

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上図も入口ガイドベーン配置計画中のものですが、実はガイドベーン枚数を奇数にしないと組み立て時に難しくなると後で気がつきました。

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入口ガイドベーンを配置して送風機全体で解析を行ったのが上図です。

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これは入口ガイドベーン全開の状態で、出口側で流量を絞った状態での解析結果図ですが、シュラウド側での逆流が非常に顕著に出ています。

この翼間逆流域の発生を入口案内羽根制御での流量調整であれば少なく改善する事が可能です。

送風機運転状態でのエネルギーロスは、翼間流れの状態に依存しますので、それの改善が省エネにつながります。


高圧水動力回収水力タービンにより駆動される遠心ポンプ

2009年08月11日 | 省エネ エネルギー回収

海水淡水化施設などで捨てられている高濃度塩水の高圧力を水力タービンにより回転動力として回収を行います。

そして、その動力により遠心ポンプを回転させて元々の高圧ポンプの海水を更に圧力を高める為に設計してみたのが、下図の水力タービン+遠心ポンプ=水力ターボチャージャーとも言える装置です。

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これは外形図ですが、機械の左側が水力タービン部で右側が高圧遠心ポンプ部となります。

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そして上図が内部構造を示しますが、左側の水力タービンランナと右側の遠心ポンプインペラは軸で直結されていて、かなりの高速で回転していますので、遠心ポンプも1段ですが高圧を発生するポンプとなっています。

構造的にはシンプルであり、故障をする要素をなるべく排除した設計となっています。

これは大変な動力を削減できる優秀な省エネ機械と言えます。