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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

プラント内圧力エネルギー回収液体タービン発電機 185Kw 27年前

2011年05月25日 | 省エネ エネルギー回収

プラント内の無駄に捨てられている液体の圧力エネルギーを回収する液体タービン発電機の事例として、27年前に自分が最初に関わったタービン発電機185KWについて紹介を致します。

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この液体圧力エネルギー回収タービンが回収するエネルギーは、大規模な蒸気タービン発電機復水器の海水冷却水がプラント内の事情で残圧30mをもっており、それがエネルギー回収するまでは減圧弁にて音と熱として無駄に捨てられていたのを、この液体タービンで動力として利用したものです。

よって仕様液体は海水となるので、タービンのケーシングなどほとんどが耐海水ステンレスを使用したわりと高価なスパイラルケーシング型フランシス式水力タービンとなっています。

発電出力も185KWと大きいので、年間の電気料金削減量は非常に大きくなり、設備費は3年以下で回収出来、その後も長く利益を出し続けたと記憶しています。


プラント配管部 動力回収型タービン発電機概略計画図

2011年05月09日 | 省エネ エネルギー回収

プラントの配管部に減圧弁などによる無駄な気体エネルギーの消費がある場合は、その箇所にバイパス配管路として「エネルギー回収型タービン発電システム」を設置することで、省エネとなるエネルギー回収を行うことが出来ます。

その事例として概略の計画をしたのが次の図となります。

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全体構成を検討するための計画となるため、あまり詳細なタービン発電機廻りではありませんが、バイパス配管でタービン発電を行うための必要な全体は示しています。

入口・出口バルブ、安全弁などが必要な弁類であり、その他は極小型化した高速タービン発電機があります。

高速タービン発電機は、その内部に高速発電機をタービンの羽根直結にて内蔵していますので、周波数が高い電気を発生します。

その為、タービン発電機は小型の円筒形のシンプルなものとなりますが、高周波数の電気はインバーターを使って系統に連携出来る綺麗な周波数に変換する必要があります。

よってこの計画図にはないですが、周波数変換盤・系統連携盤などが他に必要です。


工場からの排気風により発電するならばこれだ!

2011年01月10日 | 省エネ エネルギー回収

工場などの施設から高速の排気風が外部にただ捨てられているとすれば、それから発電を行う特殊な風力タービン発電装置は次の図のようにするのが最適です。

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これは、排気風出口から少し話した位置にディフューザーケーシングを持つ風力タービンを設置して発電を行う方式です。

少し違う方向からタービン発電装置を見ると次の図となります。

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すでに流体解析による性能解析も行っており、この方式であれば確実に排気風発電が省エネ施設となります。

ただ、数十KW以上の発電出力を得るならば相当に排気風速が速くなければなりません。

そのような候補地点がどのくらいあるのかが良く分からないところではありますが。


排気風利用風力発電の性能解析 排気出口と距離をとった場合

2010年07月22日 | 省エネ エネルギー回収

煙道や集塵機出口などの割と高速の風を利用して発電する「排気風発電」の性能検討解析において、先日は排気出口とタービン入口がわずかしか離れていない解析例を見て頂きましたが、少し近すぎた為に排気出口とタービン入口が離れていない場合との区別があいまいな結果でした。

そこで今回は下図の解析結果図のように、かなりの距離を排気出口とタービン入口の間にとり、タービンの外側ケーシングまでを巻き込む全体流れとなっている様子を解析結果よりご覧頂きます。

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この上図を見ると一目瞭然のように、ケーシングディフューザーの外側を空気が廻り込んでいき、タービン出口側の風にも影響を及ぼすことが分かります。

その様子を下図のような流跡線表示で見てみましょう。

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この流跡線表示はタービンの定格回転数での解析のため、タービン後に乱流がほとんど残らず綺麗な流れとなっています。

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上図の流跡線を見るとディフューザーケーシングの廻り込みも良く分かり、タービン出口での旋回成分の少ないタービン効率の良い状態ということも分かります。

この排気出口とタービン入口を離さないと、排気上流側に圧力上昇が起き想定風速が成り立たなくなることをなかなか分かって頂けないエンジニアの方もいらっしゃいます。

しかしここはしつこいほどに押さえるべき技術上の要点であり、何回も何回も説明を行って理解して頂くように努めています。

しかし自分の間違った考え方を断固として曲げないエンジニアの方も中にはいらっしゃいますが・・・・・


排気風発電の検討解析 排気風力発電

2010年07月18日 | 省エネ エネルギー回収

煙道出口の風や、排気出口の風など、その風の速度が高い風速を持って捨てられている場合に、その排気風力での発電つまり「排気風力発電」はどのような方式が有効であるか、色々と検討をして、その性能の解析も下図のように行っています。

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この解析条件は、排気管に接して排気風力タービンが設置されている状態であり、その解析の目的は、どれほどの出力性能を出せるのかを計算しているものです。

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排気出口とタービンが接するようになっていると、そのタービンは風の通りにとっては抵抗となり、その抵抗は出口に圧力を生じ、その結果排気管路の抵抗曲線が大きく変化して、風量を減らすこととなります。

タービンを設置する事によって風量が減っても問題ない場合は良いですが、一般的には確保すべき風量があるでしょうから、この排気口とタービンが接する方式は多くのプラントで不適と言えましょう。

よって次の解析は、風の排気口から少しタービン入口を離して運転を行った場合にどうなるのかの結果を見て頂きます。

離し過ぎても風が弱まるでしょうし、近すぎれば圧力の逆伝達が起きますので、適切な距離は解析の試行錯誤で見つけるしかなさそうです。


新事務所の環境解析 熱流体解析でエアコンの効きを見る

2010年06月22日 | 省エネ エネルギー回収

今度移転する新事務所にて夏の冷房としてエアコンを1台で運転した場合と2台で運転した場合の効きの差を見る環境解析を行いました。

今回はエアコン1台運転にて熱流体解析を行った結果です。

最初は、屋内風の流跡線図となります。

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次の下図は、ちょうどデスク上面少し上ぐらいで床に平行に切断した温度分布図です。

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そして最後は、その図を斜めから見たものです。

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これらエアコン1台での部屋内温度を見ると、エアコンの下あたりはかなり暑い状態であり、あまり快適に過ごせないことが分かりました。

そこで明日は、エアコン2台を同時に運転するとどうなるか解析結果を載せてみます。

この解析では、パソコンを発熱源として熱を与えて解析計算していますので、例えばサーバー室などの空調効果などについても解析可能となります。

以上です。


廃熱エネルギー利用発電装置の開発が着々と進行中

2010年06月14日 | 省エネ エネルギー回収

未利用エネルギー発電システムである、下図のようなシステムを持つ廃熱エネルギー利用発電システムが着々と進行中です。

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工場廃熱、燃料電池廃熱、エンジン排熱、太陽熱などの自然熱などの低温(60度~200度くらい)を使って発電出来るシステムとなります。

全体は、エネルギーを交換する熱交換器などやポンプ、蒸気発生器、凝縮器などかなり複雑な付帯機器が多いので、全体システムは複雑で高価になる可能性もあります。

しかし、ある程度使用媒体と熱源が良ければ有効な発電システムになるでしょう。

特に大分県の別府で捨てている温泉熱は、非常に有望な発電源エネルギーです。

これを開発せずしてどこを開発する! と言って良いでしょう。

私の実家も別府なので、最適化と・・・・・・


シロッコファン最小流量時の流れの様子

2010年06月08日 | 省エネ エネルギー回収

昨日性能線図をお見せしました性能が良くないシロッコファンの流れ解析結果の中で、今日は最小流量時つまり流量ゼロでの解析結果の流れ状態をお見せします。

最初の図は、軸断面でのカットの速度コンター図と速度ベクトルとなります。

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次の図は、軸と直角な平面での断面に速度コンターを表示したものです。

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そして最後は、斜めからファンを見た流跡線の図となります。

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この流跡線図を見ると、羽根入口側ではものすごい渦が発生しているが、そこだけで流れがぐるぐる回るだけで、出口からは流出がない様子が分かります。

この状態を続けると、空気は撹拌されてどんどん熱くなりますので、長時間の締め切り運転はお勧め出来ないものとなります。


効率の良くないシロッコファンの性能解析を行いました

2010年06月07日 | 省エネ エネルギー回収

性能の良くないシロッコファンを性能解析して、現状の効率などを求めることを行いました。

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上図が性能線図です。下の各図は最も効率の高い点付近での解析結果図となります。

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上図は、軸を中心に切断した断面での速度コンター図となります。

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上図は、軸に垂直な面で羽根の平面的な速度コンターを示したものとなります。

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上図は、斜めから見た入口から出口までの流跡線を示しています。

その他の流量点での解析図は明日以降に載せてみます。


工場内低圧廃蒸気利用タービン発電の勧め

2010年05月17日 | 省エネ エネルギー回収

今日は、工場内で無駄に捨てられている低圧の廃蒸気を利用してタービンにて発電を行う「未利用エネルギー利用発電」をお勧めします。

その簡単な説明図が下図となります。

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図にあるように、蒸気圧力が10Kg/cm2以下となってあまり利用出来なくなるような場合に、それを捨ててしまうのではなく、タービンに導いて小型高速タービンを駆動してエネルギーを電気などとして回収してしまおうというものです。

特にタービンを超小型化・高速回転化しているので、通常は非常に高価なタービンとなるところを低価格のタービンとして発電装置の全体価格を劇的に下げることとなります。

机の上に載るほどのタービン発電機で軽く100KW以上の発電出力を出すことが出来ますので、その省エネ効果は大変に大きく、設備費回収年月も3年以内には充分入ることとなります。

特に蒸気配管の途中で減圧弁を使用している箇所には、この蒸気圧回収タービン発電機を取り付けることが出来る場合が多いでしょう。

このシステムの全体構成を次の機会にはお見せしたいと思います。