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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

動力回収用多段遠心型水力タービンで回転数が速すぎる場合はペルトン型を使います

2009年07月29日 | 省エネ エネルギー回収

以前説明しました海水淡水化用高圧水動力回収水力タービンは下図のように多段遠心型の水力タービンでした。

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更に高圧な排水海水が残った場合には、遠心水力タービン型では回転数が速くなりすぎる場合があり、そのようなケースでは下図のようなペルトン型水力タービンが適応出来ます。

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ペルトン型水力タービンは、もともと落差数百メーターの水力発電所に使われるタイプであり、高圧水を使う割には回転数を低く取れるので、海水淡水化残圧が数十Kg/cm2あっても、駆動される側の3600rpm以下の毎分数千回転には合わせることが可能となります。

ただ、ペルトン型タービンは空気中でランナバケットが回転する衝動型タービンの為、羽根に当たったあとの水は勢いを失い下に溜まりますので、それを他所に排水する吸引ポンプは別に必要となるでしょう。

このように自然の水力発電所だけでなく、色々な場所で水力タービンを利用する可能性はまだまだ多く残っていて、それは省エネによる環境保全に大きく貢献する事が出来ます。


海水淡水化用高圧水の残圧を回収してエネルギーとする水力タービン計画

2009年07月18日 | 省エネ エネルギー回収

世界では水が不足する地域も大変に多く、そのような国では海水淡水化により真水を作りだして需要に答えている場合も益々増えているようです。

そのような海水淡水化を行う場合に、塩分を除くための浸透膜に高圧で海水を供給するための高圧水ポンプを、たとえば下図のようなバレル型多段ポンプなどとして構想設計をしています。

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このような高圧ポンプは大変大きな電力を消費しながら塩分除去浸透膜に高圧水を供給しますが、浸透膜で塩分が除去される海水の量は送った水の4割ぐらいで、残りの6割は塩分濃度の濃い高圧を持った塩水として捨てなければなりません。

圧力を持ったままの塩水を捨てるということは、もともとの高圧ポンプに消費した電力を無駄に捨てることとなりますから、残塩水の高圧エネルギーはなんとか回収して動力エネルギーに変換すれば大変な省エネとなります。

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高圧残塩水の高圧エネルギーを回収して回転動力に変換する為に構想設計を行ったのが上図の高圧用水力タービンとなります。

この構造を持つ水力タービンであれば、かなりの高圧水でも無理なくエネルギーを回収する事が出来ます。

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構想計画図を基に、3次元化したものが上図です。

割と複雑な全体内部構造となっているのですが、実際に製作するときは作りやすく、組立しやすい構造となっています。というのも自分はタービン系の構造設計には大変に慣れているからです。

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そして最後の上図が、全体3次元設計後の全体カット図となります。

この高圧水タービンも流体解析を行って、性能を確認してみます。


省エネ目的 空調用シロッコファンの効率改善設計と解析

2009年04月14日 | 省エネ エネルギー回収

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設備内空調のより省エネを目的として、最も連続して電力を消費するターボ機械のひとつである「空調用シロッコファン」の性能改善目的の設計・流れ解析を上図のように行っています。

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一般的にシロッコファンは効率が良くても60%程度となりますので、20%程度の効率アップを行うように性能改善を行えば、連続運転での省エネ効果は充分に見込まれます。


省エネ目的の室内気流解析

2009年04月13日 | 省エネ エネルギー回収

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省エネのために室内空調状態を調べる解析例が上図となります。

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空気の吹き出し口としての空調設備や排気の換気口などを実際のとおりに配置するとともに入口の開口部なども考慮して正確に室内流れ解析を行うことが出来ます。

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もちろん3次元流れ解析ですから、室内の縦方向の空気流分布状況も正確に分かりますし、滞流部もすぐに判断出来ます。

この基本的な空気流れを基として、それに空調温度を加えることで室内が均一な空調状態にあるかどうかを見て、無駄な空調がないかどうかを解析していきます。


電子機器関係冷却装置の高性能化も行います

2009年03月28日 | 省エネ エネルギー回収

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IT分野の電力量の増加を、主に冷却関係ターボ機械を中心として高性能化・最適化を行うことで省エネを行い、CO2排出量を抑えるための開発・研究も当社の重要な事業分野のひとつです。

上図は、主にグラフィックボードなどの冷却を行う高性能ターボファンの設計・解析事例です。

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電子機器用冷却ファンについての現状は、狭い空間にある程度風量・風圧の必要なファンを入れなければならないため、効率が犠牲になっているものも多いでしょう。

また、ファン単体だけではなく、サーバー室なども含めた冷却域全体の最適化を行わなければ電力消費の削減率が低いため、総合的な温度管理シミュレーションを行う必要があり、当社では、発熱源、筺体、風路、ファン、空冷水冷、ポンプ、部屋などを含む解析が可能です。

上図は、最近電子機器に良く使われているシロッコファンをターボファンに近い形まで最適化することで高効率化と低騒音化を行ったファンの流体解析結果です。


ファンの省エネを高効率化で!

2009年03月27日 | 省エネ エネルギー回収

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空調や換気などに使われる送風機のファンは、一つ一つの使用電力はポンプに比較すると少ないですが、使われている数が大変に多くなるので、ちりも積もれば山となるように、各ファンの効率改善を少しずつでも行うことが大きな省エネとなります。

上図は、軸流型のファンを高効率化するために色々と形状を変更しては流体解析にて性能を確認しているものです。

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ファンにも色々な型式があり、プロペラファン、軸流ファン、斜流ファン、遠心ファン、シロッコファン、クロスフローファンなど、どれも高効率化はなかなか難しい開発となります。

しかし当社では、上図の3次元エアフォイル羽根遠心ファンのように高効率化を目指しての開発と解析は常に進行しています。

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クロスフローファンなどは、設計時に過去のデータに依存する部分も多いなかなか最適化の難しいファンです。

しかし当社では、上図のように過去データからの最適形状を決め、流体解析で性能を掴むことを繰り返し行い、効率の良い設計とするべく研究しております。


ポンプ高効率化設計による省エネ化 電力を大幅に減らすように

2009年03月26日 | 省エネ エネルギー回収

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省エネを推進する開発設計として、弊社では、ターボ型ポンプの高効率化を行っています。

ターボ型ポンプは比較的大電力を使うものが多くなり、流体性能のアップによる電力の削減による省エネが、非常に有効な機械です。

上図は、羽根3次元化設計により究極まで効率アップを達成したポンプ羽根となります。

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例えば、50KWの普通のポンプがあった場合に、高効率化で45KWに使用電力が下がったとすると5KWの純粋な電力削減になるのですが、これは5KWの自然エネルギー発電所を造るのに匹敵するかそれ以上のCO2削減効果があることになります。

上図は、3次元高効率ポンプ羽根を5軸加工という高精度加工で製作したものです。

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ポンプは、液体を扱う為に空気を扱うファンやブロワに比べて本体は小さいのに電力を多く食うのに、まだまだ効率が低く無駄な電力を浪費した運転をされているものが、国内にも大変多いのが現状です。

そして、このようなポンプも、高速化・小型化・インバーターによる運転最適化制御が今後重要なものとなるターボ機械です。

当社(有)ターボブレードでは、ポンプの最適化設計、改良設計、小電力化制御など進めてまいります。


ターボブロワーの高効率化による省エネ開発設計

2009年03月25日 | 省エネ エネルギー回収

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設備などで連続して大きな電力を使用しているターボ機械の種類として、比較的圧力の高い送風を作り出すターボブロワーと呼ばれる機械があります。

上図は、そのターボ機械の効率を限界まで上げる為の高効率羽根を設計してみたものです。

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図のように、高効率のターボブロワは、複雑な曲面を持つ羽根が必須となります。

上図は、それをシミュレーションで確実に性能が出ているかを流体解析で確かめているものです。

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高効率のブロワー羽根は、設計用語で言えば比速度が大きい羽根となります。

比速度が大きいとは、羽根の空気が通る通路がゆったりとしていて、無理なく空気を流せる形状をしている羽根を言います。

そしてそれは、通常のターボブロワーよりも小型となり、回転数を高くする必要があります。

つまり、小型・省資源・高効率(電力が少なくて良い)と現在の設備機器に求められる要求にはピッタリのターボブロワーとなります。

この高速・高効率ターボブロワーは、送風機設計の中心機種として当社(有)ターボブレードでは開発設計を行っていきます。


廃蒸気の有効利用に遠心型蒸気タービン駆動2段コンプレッサーの設計例です

2008年12月05日 | 省エネ エネルギー回収

環境や省エネに良く、そして捨てているものの有効利用を推進する機械を今日はご紹介します。

工場などで有効に利用されずに捨てられる圧力の低い蒸気を使ってタービンを回し、その動力で工場で非常に電力を食っているコンプレッサーの動力源になる機械です。

蒸気遠心タービンと遠心コンプレッサーを組み合わせた省エネシステム機械です。

081205small_3Gv081205small  左側の図が、低圧の廃蒸気などを使って蒸気タービンとして動力を発生する遠心型蒸気タービンとなります。

そして、右側の図が、その蒸気タービンの回転力で駆動される空気を圧縮するための空気源となる高圧遠心コンプレッサーです。

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この組み合わせシステムのよいところは、蒸気タービンは高速小型で大馬力が出るので、遠心コンプレッサーも小型で高速なタイプを駆動出来、全体として性能に比較して非常に小型の機械となるところです。

それにより、機械本体は安価となり、運転費も廃蒸気を使うのでほとんどかからず、とっても省エネとエコに貢献する機械システムです。


省エネ用タービン駆動高圧ポンプの全体設計例

2008年11月27日 | 省エネ エネルギー回収

工場・プラント内などで無駄に捨てられている蒸気エネルギーなどを有効に利用することで、動力回収・省エネを実現するタービン駆動高圧ポンプの設計例を載せてみます。

081127 省エネ用タービン駆動ポンプ全体は、左図のようになります。

図のなかの左側がバレル式ディフューザー多段高圧遠心ポンプとなり、右側が特殊なポンプ駆動用タービンとなります。

081127pic02 高圧ポンプには、冷却用配管やら色々な用途の配管が周りに張り巡らされています。

ポンプの大きさに比較して図中右側のタービンは大きくなっています。それはポンプは高速型なのですが、タービンはもっと高速型なので、回転数を合わせる為にはタービンの羽根径を増やして更に多段タービンとしなければならないからです。

多段ポンプの設計なら(有)ターボブレードにお問い合わせください。