商品としてのセグメントを変えつつ、65年以上に渡ってロングセラーとして君臨しているウイスキー。
それがサントリー「角瓶」です。
日本初のウイスキー、サントリーウイスキー(通称「白札」現ホワイト)が発売して8年が経過した1937年。
当時ウイスキー事業が大不振に終わっていたサントリーの救世主となったのが、この「角瓶」です。
亀甲模様のデザインは現在まで引き継がれていますね。
先に発売していた白札、赤札(現レッド)の売れ行きが不振だったことも手伝い、
山崎蒸留所には最長12年物までの原酒が揃っていました。
白札発売前、十分な熟成後の出荷を主張した竹鶴正孝氏(ニッカウヰスキー創業者、当時山崎蒸留所長)と
ビジネスライクに早期出荷を選択した鳥井社長。長期熟成モルトを使用した角瓶の成功は、
皮肉にも竹鶴氏の壽屋(後のサントリー)退職後の出来事でした。
また、発売当時の名称は「サントリーウイスキー12年」でしたが、全ての原酒が12年物以上だったわけでなく、
現在の、また当時のスコッチの年数表記規準に照らせばおそらくノンエイジ。
1950年台には、当時から愛称だった「角瓶」の名称を使用しています。
ともあれテイスティング。
まずバニラのような甘い香りがやってくる。
キーモルトは山崎バーボン樽だそうだが、シェリー樽もいくらか使っているのか、
落ち着いた丸い香りも感じることができる。後ろからアルコールの匂い。
香りに対し、口に入れたときの雰囲気は異なる。
初めこそ甘さが引き立つが、途中から悪い意味でのアルコールが一気に目立つようになる。
正直ロックで引き締めてもどうか、という雰囲気。個人的なオススメはハーフロック。
そこでこの数年流行り(猛プッシュ気味)の「角ハイ」で飲んでみる。
炭酸の爽やかさでプラスに働くような感じもするが、アルコールを伸ばして軽くなった印象が第一で、
味としてはトリスよりも良くも悪くも癖があるかな?という程度。
ハイボール専用機としてならトリスでもいい気がするし、かと言ってストレートで飲めるパフォーマンスではない。
歴史ある銘柄だけに、もう少し飲みごたえのある1本にしてほしいものですが…
香りC+ 風味D 厚みD 余韻D C/P C 総合D+
ウイスキー ブログランキングへ
角瓶は私の地元の北海道では「角サン」(角瓶・サントリー)と呼ばれています。それだけ北海道でも愛されています。
ただ、個人的にはこれはなぜか悪酔いして好きになれません。
兄弟分の白角や黒角、プレミアムは大丈夫なんですけどね...。大量に出し過ぎて質が落ちているのか...?
コメントありがとうございます。
ブログ、いつも拝見させていただいてます!
まだ白、黒のレビューはアップしていませんが、私も同じような印象です。
名前で売れてしまっている気がしてなりません。
記事でも挙げたように、ハイボールとしてはトリスと一長一短。もう少しお金を出せばオールドというサントリーらしさの分かる銘柄が買えるだけに、評価のしづらいお酒ですね。