（食欲不振なのか、
甘い物が目が行く。）
山形県の物産展で
【はる】さんが購入してきた
「乃し梅本舗」の「空ノムコウ」。
一目惚れしたらしく、
親戚への贈答用にも
買い集めてきた。
確認したら、
それもそのはず。
作者は、
「ガラス細工の作品を
お菓子で表現した。」
職人の拘りらしい。
「寒天料理は
透明にするのが常識だが
星空を表現するために
あえて空泡を作った。」
職人が拘った青。
味にも拘りが感じられる。
口に入れた瞬間に
仄かなジンジャーの香が
隠れて消える。
直後に
優しい砂糖の甘み。
「とろける甘さか？」
油断すると
意外と弾力的な
スライムを思わせる触感。
口の中で
プニプニと離れて
砕けれ混じって喉の奥に落ちていく。
最後に再び
ジンジャーの余韻を残して…
「濃紺の部分は香りが濃く、
透明な部分は澄んだ砂糖の味…
色によって
味が変わる…かな？」
そう感じたのは
私の幻想だったのだろうか？
【はる】さんは
細かく切って
グラスに入れて
炭酸水を注いで
「フルーツポンチみたい？」
「面白い！ あま～い！」
何だか楽しんでいる。
味と目を楽しむお菓子。
猛暑を避けて、
台風に引き籠って、
自宅で楽しんでいる。
