たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事のこと,家族のこと,そして脳出血や失語症のこと・・・。

「あだ名」の効果(3) ~ 「あだ名」は凶器? ~

2010-02-02 18:13:22 | お仕事
「『あだ名』の効果(2)」の続きです)





「ずっと『ぶー』って呼ばれてたんです。」

スポーツ万能,
性格も明るくて
いつも笑顔の女の子だったから,
そういうそぶりは見せなかった。


その子がなぜか,
一部の男子に
「ぶー」と裏のあだ名をつけられ,
「かわいくない」等と陰口を言われていたらしい。
私が,
「元々は男子とも仲が良かったのに,
 思春期なのかな?」
ぐらいにしか気付かないほど,
本人は明るく振るまい続けていた。

陰で泣き続けてきた彼女を
回りで支えてきた友達も,
自分自身も陰口を言われることが怖くて
励ます以上のことはできなかったらしい。
今度のことで「これがチャンス」と
みんなで立ち上がることができたのである。


「男子達は,
 さっき謝りに来ました。」
「でも,まだ許せないよね。」
「私達が先生に訴えていることを知ってるから,
 今も集まって相談してるよ。」
「かなりビビッてたよね。」
そういったことも含めて
彼女たちの訴えを一通り記憶して,
「わかりました。
 彼らがどうするのか,
 様子を観ましょう。
 私もしばらくは許すつもりはありません。」
と一旦話を終える。


直後に,
様子を窺っていた男子達が寄ってくる。

「謝ってきました。
 すみませんでした。」
と,しおらしく許しを求めてくるが,
「謝る相手は私ではないよね。」
「彼女は許してくれていないでしょ?」
「長くかかってつけてきた傷は,
 癒すのにも時間がかかるよ。」
「私も,
 すぐにあなた達を許すつもりはありません。
 彼女とあなた達の様子を観たいと思います。」
と突き放す。


以上で指導は一旦終了。
(「様子を観ます」という言葉で釘をさしたから,
 卒業までは再発することはないだろう。
 中学校ではクラスは分かれるし・・・・・・。)


昼休みの後,
彼女の机の上は
男子達からの謝罪の手紙で溢れた。
「えぇ?! C君は『あだ名』や悪口を言ってないのに?」
「みんな『ごめんなさい。もう言いません。』ばっかりだよぉ。」
なんて,
友達と笑い合う彼女の様子を見て
(9割方は落着。
 あとは,
 時間をおいて男子達から『理由』を聞いてみよう。)
と考える。



卒業前のこの時期は
子ども達の心の扉がゆるみ,
これまでにたまった塵や埃がこぼれやすい時期でもある。
小学校での汚れをきれいに「禊ぎ」して,
気持ちよく卒業していってもらいたいものである。
(早い時期に明るみに出て良かった(^_^;)) 

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