三坂知絵子が劇団アロッタファジャイナの12月公演「今日も、ふつう。」に客演するというので、新宿3丁目の「シアターモリエール」へ。

「文化女子学院」に通う4人の女子高校生たちが組織する文芸サークル「日本文学党」が主人公。4人のうち3人は数ヵ月後に卒業を控えていて、3人のうち1人は駆け出し芸能人の彼氏が、もう1人は近々フィアンセと結婚する街工場経営者の真面目な兄がいる。ただし4人とも自分たちが面白い小説を書けないのは、自分たちがあまりにも「普通」の日常の中で生きている存在だからだと思い込んでいた。そんな彼女たちのもとにある日、十年前に起こったまま迷宮入りしている殺人事件に瓜二つのストーリーを描いた封書が届いて――。
という導入から始まるミステリー仕立てのストーリーだった。そんなわけでこれ以上ネタばれになりそうなことは書けないわけだが、最近の演劇としては長めな2時間以上の上演時間を感じさせないほど、テンポの良い御芝居だった。4人のヒロインたち個々を軸に展開される人間関係のドラマが凄くめまぐるしく錯綜し、なおかつ乱暴とも思えるくらいに場面が次々に切り替わるジェットコースターのごときストーリーなのだが、一方では脚本・演出ともに無駄なくすっきりと良く練れており、筋立てにも何とか最後までついていくことができた。もっとも「記憶喪失」でもって最後のオチにつなげていったのはちょっと苦しいかな? という気もしましたが(あと、事務所の社長への復習話が宙に浮いたまま終わっちゃってるのもどうかな? と。最終的にこの話は本筋ではないことが明らかになるのだが、途中まではここに鍵があると思いながら観ていた観客には少々肩透かしの感も。まあ、それがミステリーならではの意外性でもあるのだが)。
ちなみに主演格の女優さんたちは(私は事前に全然知らなかったのだが)「全国民的美少女コンテスト」でグランプリその他の受賞をしてしまうような20代前半の女子衆。というと斜に構えて「客寄せだろ?」と見る向きもあるかもしれないけど、ノンノン、これがまたなかなかの演じっぷりだったのですよ。
特に主役格の安川結花の奮闘ぶりはよかったな。あと、劇団旗揚げ以来の参加者というナカヤマミチコが発する凶悪なオーラも印象深かった。
三坂知絵子も例によってクセのある役回りを演じていたのだけど、これも面白いことに今回はそんな三坂が「割と普通の役」をやっていたと思えるくらいに、周りの配役が「普通」ではなかった。というか、この作品の肝は劇中で三坂が演じる役と××な関係になる役の山川紗弥が放った次の言葉だろう。
「普通に何でもないヤツが一番危ないんだよ」
これはまったくそう思いますね。「普通やらねーだろ」というフリーライターという立場から「普通の人々」が棲息する企業社会を見てきた私は「普通の人が持つ異常さ」のほうに、むしろ身の毛のよだつような恐ろしさを常に感じております。
ともあれ、なかなか面白い御芝居を見せていただいたことに拍手! 本日(14日)が千秋楽、しかも新宿駅から歩いて5分のところで午後に2回やってるそうですので、これを読んで関心や興味を覚えたという方々は是非観にいっていただければと。ではでは♪

「文化女子学院」に通う4人の女子高校生たちが組織する文芸サークル「日本文学党」が主人公。4人のうち3人は数ヵ月後に卒業を控えていて、3人のうち1人は駆け出し芸能人の彼氏が、もう1人は近々フィアンセと結婚する街工場経営者の真面目な兄がいる。ただし4人とも自分たちが面白い小説を書けないのは、自分たちがあまりにも「普通」の日常の中で生きている存在だからだと思い込んでいた。そんな彼女たちのもとにある日、十年前に起こったまま迷宮入りしている殺人事件に瓜二つのストーリーを描いた封書が届いて――。
という導入から始まるミステリー仕立てのストーリーだった。そんなわけでこれ以上ネタばれになりそうなことは書けないわけだが、最近の演劇としては長めな2時間以上の上演時間を感じさせないほど、テンポの良い御芝居だった。4人のヒロインたち個々を軸に展開される人間関係のドラマが凄くめまぐるしく錯綜し、なおかつ乱暴とも思えるくらいに場面が次々に切り替わるジェットコースターのごときストーリーなのだが、一方では脚本・演出ともに無駄なくすっきりと良く練れており、筋立てにも何とか最後までついていくことができた。もっとも「記憶喪失」でもって最後のオチにつなげていったのはちょっと苦しいかな? という気もしましたが(あと、事務所の社長への復習話が宙に浮いたまま終わっちゃってるのもどうかな? と。最終的にこの話は本筋ではないことが明らかになるのだが、途中まではここに鍵があると思いながら観ていた観客には少々肩透かしの感も。まあ、それがミステリーならではの意外性でもあるのだが)。
ちなみに主演格の女優さんたちは(私は事前に全然知らなかったのだが)「全国民的美少女コンテスト」でグランプリその他の受賞をしてしまうような20代前半の女子衆。というと斜に構えて「客寄せだろ?」と見る向きもあるかもしれないけど、ノンノン、これがまたなかなかの演じっぷりだったのですよ。
特に主役格の安川結花の奮闘ぶりはよかったな。あと、劇団旗揚げ以来の参加者というナカヤマミチコが発する凶悪なオーラも印象深かった。
三坂知絵子も例によってクセのある役回りを演じていたのだけど、これも面白いことに今回はそんな三坂が「割と普通の役」をやっていたと思えるくらいに、周りの配役が「普通」ではなかった。というか、この作品の肝は劇中で三坂が演じる役と××な関係になる役の山川紗弥が放った次の言葉だろう。
「普通に何でもないヤツが一番危ないんだよ」
これはまったくそう思いますね。「普通やらねーだろ」というフリーライターという立場から「普通の人々」が棲息する企業社会を見てきた私は「普通の人が持つ異常さ」のほうに、むしろ身の毛のよだつような恐ろしさを常に感じております。
ともあれ、なかなか面白い御芝居を見せていただいたことに拍手! 本日(14日)が千秋楽、しかも新宿駅から歩いて5分のところで午後に2回やってるそうですので、これを読んで関心や興味を覚えたという方々は是非観にいっていただければと。ではでは♪