ニュースは踊る

ニュース、その他に関する個人的感想です。「正しいこと」、など書きません。私は名は「三太郎」。

Xへの手紙  

2006-07-31 | Weblog

久々に小林秀雄などを読んでいる。少しは分かるようになったかと思ったが、相変わらず「何言ってるんだろう?」という感じである。「様々なる意匠」は昔に比べてやや理解できた気がするが、まあたぶん理解したように感じているだけなのだろう。

昔から僕は「詩」だと思って読んでいた。意味などあまり考えなかった。

この世の真実を陥穽を構へて捕へようとする習慣が身についてこの方、この世はいづれしみつたれた歌しか歌はなかつた筈だつたが、その歌はいつも俺には見知らぬ甘い欲情を持つたものの様に聞えた。

中略
 幾度見直しても影の薄れた自分の顔が、やつと見えだしたと思つた途喘、こいつが宿命的にあんまりいゝ出来ではない事を併せて見定めた。御蔭で(この御蔭でといふ言葉を忘れてくれるな)今の俺は所謂余計者の言葉を確実に所有した。君は解るか、余計者もこの世に断じて生きねばならぬ。「Xへの手紙」

「見知らぬ甘い欲情」「余計者の言葉」。今読んでもこういう表現は「詩」として好きである。

話かわって。

アメリカのテロ撲滅の支援と称して、中国でひどい人権侵害が行われているという。事実は調べようもないが、ありそうな話である。米、中、英、露、仏、これら常任理事国は本質的には帝国主義国家だからたぶん似たり寄ったりの非道行為をしているのだろう。

イラクの民間犠牲者はhttp://www.iraqbodycount.net/というHPに寄ると4万前後らしい。「前後」というは「正確にはもうわからない」ということで、現地の混乱がよく分かる。

昨日のNHKスペシャルは興味深かったが、「イラクの現状」は少しも分からなかった。ただ現地の人間とアメリカ亡命イラク人の会話を通して「テロだけではない。暗殺も多発している。誰が誰を(敵として)殺しているかもわからない。ここは地獄だ。帰ってきてはいけない」(概略)という情報だけは知った。

帝国主義にも「多少はまともな帝国主義」と「非道な帝国主義」がある。癌がさらに「悪性の癌」と「回復可能な癌」に分かれているように。

常任理事国。現実問題として帝国主義国家という「本質」を変えることができない以上、「少しはまともな帝国主義国家」になってもらわねば世界でますます人が死んでいく。当然日本も例外ではない。

前にも書いたが、常任理事国は巨大な武器生産輸出国でもある。「世界の貧困」にも大きな責任がある。ひどい話だが、「いい加減にしろ。」ときちんと「もの言える国」がない。国連にもその力はない。

これらの国々に「ものを言える」存在として日本は世界から期待されているのだろうか。それとも「アメリカの番犬」として諦められているのだろうか。あまり期待されているとも思えないが、巨大な経済力という武器をもつ以上、日本がその役割を果たさなくては「無責任」のそしりは免れないのかもしれない。

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