<NHKスペシャル「かくて“自由”は死せり~ある新聞と戦争への道~」>
小林八十吉という方が紹介されていた。
大正デモクラシーの時代に長野県で自由教育を進め、音楽を通じて、子どもたちの芸術性を育てようとした人だった。
「私という人間が、この純真な子どもを、白紙のような子どもを受け持つ」
とうことに畏怖に近い念も持ち、真摯にそれに向き合った方だった。
でも、時代の流れに押され、閉塞した社会状況(そして侵略戦争に発展する)、そして政治の腐敗に対する不信から、どんどん国粋主義に押しやられていく。自由は人々を救えないと彼は結論付け、政治活動に没入し、革命的な思想に走っていく。
芸術は高みを目指し、その反動で奈落に突っ込む。
<歴史秘話ヒストリア 運命の御前会議 昭和天皇 戦争回避への苦闘>
昭和天皇は御前会議で、天皇は発言しないという慣例を破り、祖父である明治天皇の和歌を読み上げたそうだ。
よもの海みなはらからと思ふ世になと波風のたちさわくらむ
芸術は、この世の論理を超え、戦争推進派の心をも震わせるはずだった。
そういう作用が、芸術に、和歌に期待されていた。
しかし、戦争は起こってしまった。
二元性の世界では、芸術は、肉体の欠乏に対する恐怖に勝てない。
肉体を打ち捨てて、それに勝つ人だけが芸術家でありうるのかな。
もったいないなあ……と思う、西日本に台風上陸前の雨の夜。
あさみどり すみわたりたる 大空の ひろきをおのが こころともがな(明治天皇)
小林八十吉という方が紹介されていた。
大正デモクラシーの時代に長野県で自由教育を進め、音楽を通じて、子どもたちの芸術性を育てようとした人だった。
「私という人間が、この純真な子どもを、白紙のような子どもを受け持つ」
とうことに畏怖に近い念も持ち、真摯にそれに向き合った方だった。
でも、時代の流れに押され、閉塞した社会状況(そして侵略戦争に発展する)、そして政治の腐敗に対する不信から、どんどん国粋主義に押しやられていく。自由は人々を救えないと彼は結論付け、政治活動に没入し、革命的な思想に走っていく。
芸術は高みを目指し、その反動で奈落に突っ込む。
<歴史秘話ヒストリア 運命の御前会議 昭和天皇 戦争回避への苦闘>
昭和天皇は御前会議で、天皇は発言しないという慣例を破り、祖父である明治天皇の和歌を読み上げたそうだ。
よもの海みなはらからと思ふ世になと波風のたちさわくらむ
芸術は、この世の論理を超え、戦争推進派の心をも震わせるはずだった。
そういう作用が、芸術に、和歌に期待されていた。
しかし、戦争は起こってしまった。
二元性の世界では、芸術は、肉体の欠乏に対する恐怖に勝てない。
肉体を打ち捨てて、それに勝つ人だけが芸術家でありうるのかな。
もったいないなあ……と思う、西日本に台風上陸前の雨の夜。
あさみどり すみわたりたる 大空の ひろきをおのが こころともがな(明治天皇)