gooブログが終了するとのことですので、はてなダイアリーにお引っ越しをいたしました。
https://tao369.hatenadiary.jp/
更新の遅いブログですが、実は1番楽しんで書いてます。
お引越し先にも、またお越しいただけたら嬉しいです。
タオ
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タオ
「今度、入院することになっちゃって、一応、三泊四日って言われてて、そんなに心配しなくていいって先生は言うんだけど、ついいろいろ調べたらもう悪い方にしか考えられなくて、不安で死にそう……」
と、友だちに愚痴ったら、
「いいよ、いいよ、泣きなさいよ」
と言われて、ほんとに涙が出てきた。
でも泣いたら少し、楽になった。
ああ、人間ってほんとに弱い。
次に会った時、その友達が、
「入院中、足が冷えるから」
と言って手編みの靴下をくれた。
なんか優しさが詰まってて、また泣けてきた。
手編みって素敵だあああああ。
で、そんなに大騒ぎして入院した割には、あっさりと一泊二日で帰ってきた。
予定していた手術よりも簡単な手法で切除すべきものが切除できたのだそうだ。
一泊だったけど入院中ほんとに足が寒くて、でも靴下があったから平気だった。
ありがとう♪
「ええん、ジェラしい、ジェラしいよう……」
と、ライン電話の向こうでぽんぽんが訴える。
大学二年の芸術祭で、おともだちと二人展をしたのだが、そのお友達の絵がたいへん素晴らしく、完成度が高く、一緒に展示したぽんぽんは可哀想に、芸祭期間中、お客さんの反応や絵葉書の売れ方や、何もかもから自分との差を見せつけられ続けたらしい。
極め付けに学長がやってきて、そのおともだちに、
「いい絵だね、頑張ってね」
と、言ったのだそうだ。ぽんぽんの絵には一瞥もくれずに(いや、そんなことはないんだろうけどさ、目には入るもんw)。
「そうだねえ、よしよし……」
としか、こちらも言いようがない。
私も見に行ったけど、確かにその実力差は歴然だった。でも、そのお友だちとの展示までのあれやこれやや(そう、ちょっとあれやこれやあった)、ぽんぽんが今度の絵を描くまでの紆余曲折を知っている身としては、そこに身贔屓をたっぷりと上乗せして、内心、ぐぬぬぬぬ……と思う。
「才能のある人ばっかりでさ。どうせ私なんてもともとセンスも個性もないしさ……」
と、本人も詮なきことと知りながら、でもまあちょっと言葉にして吐き出せば、少しは楽になるんだろう。うんうん、と聞きながら、そういえば、と思い出した。
「この間、『100分de名著』が、アリストテレスの二コマコス倫理学だったんだけどさ」
「ニコ……?」
「二コマコス」
「何?」
「知らんけど。そこでさ、アリストテレスが嫉妬について、『他者の善を悲しむ』状態だって説明してるって言ってたよ」
「ん??」
「その人にとっての良いことを、怒るのでもなく、恨むのでもなく、悲しむっていう言い方が絶妙、みたいなことを、解説の先生が言ってた」
「ふうん……悲しいかあ」
「うん」
ぽんぽんはどう思ったか知らないが、私はこの「ぐぬぬぬぬ」は、悲しみっていうのがぴったりくるな、と思った。ギリシャ語は知らないが、古語の「悲し」の第一義は「いとしい、かわいい」なのだ。相手が持っていて自分には与えられないその善は、自分が本当に「愛しい」と思うものなんだよな。
「ま、大丈夫だよ。もう浪人時代からこんな目にばっかりあってるんで。落ち込み方も知ってるし、立ち直り方も知ってるからね」
と、ぽんぽんがクソ生意気に言う。
まあ人生のほんとの嫉妬ってまだまだそんなもんじゃないけどさ、大事なのは絵を描くことじゃなくて、その経験なんだよな。本気で悲しいと思う経験って、本気で大事なことからしか受け取れない。本気で大事なことがある人は、本気で、深く生きられると思う。
「だけどさ、雑貨はよく売れたんだよね。ちっちゃいキャンパスとか、焼いたお皿とか、絵葉書とか……」
と、変なところで変な才能を発揮したぽんぽんではあった。
で、二コマコスとはアリストテレスの息子の名前で、二コマコスがアリストテレスの倫理学についてまとめたので、そのように呼ばれたそうだ。
ここ数ヶ月、手書きで日記をつけるようにしている。
それを写メしてDay Oneという日記アプリに、その日撮った写真などと一緒に保存しているのだが、よく言われることだが、手で書くというのはこうやってキーボードで書くのとはまた違った頭の使い方をするようだ。
私が原稿用紙100枚の卒論を課された頃、ちょうどワープロが流行り出していた。文章を書くことが好きなくせに、それをまとめるの苦手だった私は(ってもう、この頃から苦手意識がバリバリあったんだよなあ)、書き直しがバカみたいに多いので、ワープロがとても重宝だった。だがなぜか大学側がワープロを禁止していて(手書きで出せ、ということでした。まあ漢字テストがあるような学部だったので、わからなくもない)、最後はブラウン管を眺めながら大学指定の原稿用紙に書き写す、という意味のわからないことをやっていた記憶がある。
それ以来急速に紙で書く方が不思議な時代になっていったが、自分の頭の中身のあまりのとっ散らかりように、書き直しが不便な紙で書いてみるのもそれをまとめる一手なのではないかと思いたち、懐かしのアナログ路線に切り替えてみた。
結果としてはアナログ化したからといって思考がまとまりはしなかったが、紙に文字を書くのは単純に楽しい。あと、目が楽なのか肩が凝りにくい。書けない時もネットに引っ張られたりしにくくなる。調子に乗ってガラスペンなど購入してみたが、あれは書写を楽しむツールで書き殴るためのものではないと書いてみてやっと気づいた。
そんなわけで、日記がわりにしていたこちらのブログがずいぶん間が空いてしまった。
言い訳方々、時々、
「みてるよー」
と言ってくださる皆さんへの、
「元気ですよー」
のご報告です。
アフロヘアがトレードマークの稲垣えみ子さんが、NHKのあさイチに出演していた。
彼女のシンプルなライフスタイルには、以前から憧れがある。
新刊の『家事か地獄か』に合わせた出演だったようだが、ほんとねえ、家事ねえ……。
家事は嫌いじゃないし、なんなら才能あると思う。
でも今はやっぱり家事に振り回されてる。
物も手間も、まだまだ減らせるなあ。
よし、楽しみ。