秋も深まりつつ今日この頃、めぐりくる季節にまたしても”期間限定メニュー”という胸躍る誘惑に、そう易々とは釣られまいと夕飯の外食にはコスパ最優先という使命を決めておきながらも、今年もこのカキフライ定食が登場するやいなや、与えられた期間の間にどれだけカキフライの甘美なプリプリさとサクサクの衣から染み出るジューシー感に思う存分浸れるかと、やよい軒の券売機に千円札を押し込む右手に思わず緊張感がほとばしってしまう極上の決断の瞬間がやってくるのだ。ここで必須の仕草は130円を追加して普通の味噌汁から貝汁への変更という誰もが羨む特権をなんなく行使すること。カキフライには貝汁。貝汁にはカキフライ。つまり古来大海原に囲まれた日本人としての受け継がれた永遠の螺旋を上り詰めるDNAのなせる業でもあり、大いなる幸として与えられた日本人の生命に必要なのは海の幸なのである。さらに言えばカキフライには中濃ソースは必要ない。卵とマヨネーズとピクルスの微塵切だけを合わせたやよい軒独特のシンプルで、それでいて濃厚なタルタルソースさえあればいいだろう。カキフライとの相性の良さは抜群!食べながらメニューを眺めていてこの使われている牡蠣は瀬戸内産だと書いてある。広島だろうか。つまりこの牡蠣は瀬戸内の海からはるばるやってきたのだ。さらにスピリチュアル的に言えば、カキフライを食べている間、私はここにはいない。瀬戸内の海を眺望できる潮が香る秋の涼しい微風が吹き込む海の家風の素朴な定食屋でカキフライ定食をいただいているのだ。こんな想像を逞しくすればもっと美味しくなるのは間違いない。
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