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2021年Perfumeについて思う二、三のこと。

2021-04-18 06:04:43 | 音楽・CD

[Official Music Video] Perfume「エレクトロ・ワールド」

2021年Perfumeについて思う二、三のこと。
(動画はオフィシャルPVを埋め込みました。)

【プロローグ】
 2001年3月にピチカートファイブは解散した。ひとつの時代の終焉を迎えたのは寂しい。しかし、そんなノスタルジーに浸る隙も与えられないような時の移り変わりの速さは、ポスト渋谷系と言う使命を背負ったような形で、同じ年にCAPSULEが本格CDデビューを果たす。一方で2000年に広島で結成された「ぱふゅ〜む」にA-chanから誘われるがままにnocchiが加入したのが2001年。やがてPerfumeとCAPSULEの中田ヤスタカが接続されることになる。

【成熟】
 最近2日に一回くらいのペースで食材を買いに夕方スーパーマーケットに行ったりしている。今週水曜日にベルクへ行くとPerfumeの「spending all my time」が店内BGMとして流れていた。翌日木曜日には、いなげやで偶然にも「spring of life」が響き渡っている。店内BGMのレパートリーに当たり前のようにPerfumeの音楽が浸透している。生活空間に常にあるPerfumeの風景。両方の曲とも2012年にシングルとしてリリースされており10年近い歳月を経て今聴いても全く色褪せないサウンドであり、さらに彼女たちのキレっキレっのダンスシーンまでもが思い浮かぶのだ。

 ところで2020年暮れの紅白で私はPerfumeのメドレーを観た。「Dream Fighter」と「Baby cruising Love」を聴いた時に、溢れる懐かしさと感動とともに、途方もなく激しい不安と寂しさを覚えてしまった。なぜなのか。この2曲は3人とも20歳にも満たない若い頃の曲であり今の3人と比べて月日の流れを誇大妄想的に実感してしまったのだ。そこには成熟したPerfumeの現在がまざまざと立ち現れてきたのだ。結成されて20年が過ぎ、メジャー15年が過ぎた。女性3人グループとしては過去に存在しなかったような息の長い活躍ぶりに、kashiyukaが30歳を過ぎてもPerfumeを続けているとは思わなかった...と言い、いみじくも「奇跡の15年」と表現していたのを思い出す。確かに解散の危機を経験して乗り越えてきた3人。本人たちも驚きの思いなのだろう。そうしたエピソードを思い出した時にPerfumeの2021年はどうなるのだろう。2022年は…?全世界的な感染症の影響に了解しつつも、以前よりかなり落ち着いた活動になっているのが気になる。成熟さはひとつの完成形をみたのでありそのあとに待っているのはやがては来るべき〝END〞のような気がしてならない。(Perfumeに限ってそんなことはあるはずもなくと思いつつ…)


【Future Popとエレクトロ・ワールド】
 私はPerfumeのアルバムの中で一番好きなのは『COSMIC EXPLORER』である。最高傑作だという認識だ。理由はあらためて別で書くけど、成熟されたPerfumeだからこそ可能となった傑作でもあり、しかしその成熟=完成形の行末にビビッてしまっているという私の中で他愛もない矛盾を抱えてしまった。この矛盾をいかにして柔らかく解きほぐし消化していくか。やがて多少とも安堵の心境までたどり着いたのが次に2018年にリリースされた『Future Pop』を2021年の今も振り返り、読み解くことだった。アルバム名でもあるシングルの『Future Pop』はMVを観てもわかるとおりNTTdocomoとのコラボで「未来」をテーマにした世界観を表現している。何度も繰り返しMVを凝視していた。未来都市。通信技術が高度に発達し、空中に指先で形を描くようなジェスチャーをするだけで、難無く相手のプロファイルにアクセスできたり、IOTを駆使してEV化された自動車を含めたあらゆる電化製品は自動化されて、街に暮らす人々に豊かな生活が享受できる明るい未来が待っている。しかし、実はそれは未だ実現していない仮想的な領域に過ぎない。もう気づかれてしまったかもしれない。私はこのMVを観て、想起せざるを得ないのは『エレクトロ・ワールド』の世界なのだ。『エレクトロ・ワールド』はPerfumeを初めて知ったきっかけとなった曲であり、私自身のオールタイムベストな曲でもある。  『Future Pop』と『エレクトロ・ワールド』。この2つの対極の位置にある世界観。2019年の『再生』と『Time Warp』から推し測ってもどうしたって『エレクトロ・ワールド』への回帰となってしまうのである。世界の状況は変わってしまった。しかしPerfumeはこれからも時空を超えた中で存在し、さらに強調するならば、とっくの昔からFutureで、 Popなスタイルを走り続けてきたのである。エレクトロ・ワールドの歌詞をじっくり見て欲しい。描かれた未来像はシュミレートされた仮想世界。誰かがスイッチを押せば瞬く間に消えてしまう現実なのだ。Perfumeの終焉があるのかなどと心配するのは他愛もないことなのだ。なぜなら先にわれわれのエレクトロ・ワールドのENDが到来するのだから。


「エレクトロ・ワールド」歌詞
この道を走り進み進み進み続けた
地図に書いてあるはずの町が見当たらない
振り返るとそこに見えていた景色が消えた
この世界 僕が最後で最後最後だ
エレクトロワールド 地面が震えて砕けた 空の太陽が落ちる
僕の手にひらりと
本当のことに気づいてしまったの
この世界のしくみ キミに手紙残すよ
ああ あああ ああ あああ
ああ あああ oh yeh エレクトロ・ワールド
街ゆく猫だって空を飛んじゃう街で
キミの存在さえ リアリティーがないんだよ
ああ あああ ああ あああ ああ
あああ oh yeh エレクトロ・ワールド
見えるものの全てが 触れるものも全てが
リアリティーがないけど 僕はたしかにいるよ
この道を走り進み進み進み続けた
地図に書いていてあるはずの町が見当たらない
振り返るとそこに見えていた景色が消えた
この世界 僕が最後で最後最後だ エレクトロワールド
地面が震えて砕けた 空の太陽が落ちる 僕の手にひらりと
この世界のスイッチ 押したのは誰なの
あああ もうすぐ 消える エレクトロワールド



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