夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

富士山と四溝柿の木

2015-10-03 21:52:48 | 富士山

     富士山と四溝柿の木

 

爽やかな秋晴れ

青空にたわわに実った柿の木

静岡県東部地方では、この時季どこでも見られる長閑な景色です。

 

 

 

富士山も見とれています!

 

 

 

四溝柿(よつみぞかき)と言う品種の古樹。

実に四つ溝があるので、四溝柿。

大きな樹に沢山の実を付けています。

誰も収穫しません。

四溝柿はとても美味しいのですが、渋柿なのです。

 

茶畑の脇に見えるのが、

四溝柿の木…

沢山なっていますが、収穫して、お金に換えることはほとんどしません。

渋柿なのでそのまま食べることが出来ません。

今から50年位前までは、さらし柿とか抜き柿と言って渋を抜いて食べました。

                  (晒し柿については、私のブログ   晒し柿もご覧下さいませ。)

 

勿論皮を剥いて、干し柿にもしました。

寒い時期に軒下に吊して、お正月におこたに入ってみんなで食べました。

温暖化の影響か、冬がそれ程寒く無くなって、カビが生える干し柿も出て来ました。

害虫や野鳥の被害も深刻です。

手間暇かけて作っても、食べられない。商品価値が無いのですから、売り物にもなりません。

勿論お金になりません。

今は美味しい食べ物が沢山あるので、柿を大切に扱う家も減りました。

実がなっても収穫しない木の方が多いのです‥…

自家用としてさえ加工しないのです。

柿の木は折れやすくて、落ちたら怪我をします。

それも大抵大怪我ですからみんな怖がってわざわざ登って迄採ったりしません。

 

昔私の生家では、湯抜きと言って、ビニールの袋に渋柿と塩水、蓼等を入れた物を、

お風呂の残り湯を薪で少し追い焚きした中に一晩置いて、渋を抜いていました。

   焼酎や、ドライアイスを使う方法は後から出て来ました。

焼酎やドライアイスはお金がかかります。

お風呂はタイル、ステンレス、システムバスと変化しました。

今でも薪でお風呂を焚く本格的な五右衛門風呂の家などほとんど無いと思います。

湯抜きの方が断然美味しいのですが、めったに出会えません。

我が家でも農民市場で渋柿を買って、プラスチックのお風呂で、温度、時間、塩の量等を色々と変えて試してみましたが、あまり美味しく出来ませんでした。

知り合いの仕事熱心な農家から、ドライアイスで抜いた柿を分けて貰う方が、味が確実なのです。

偶々農民市場で湯抜きの抜き柿を見つけると、懐かしくて爆買します!

 

四溝柿の晒し柿は、静岡県東部地方の高級な名産品となってしまいましたが、

私にとってはこの時季、どうしても食べたい思い出の味。

忘れられない味です!