成人の日に思いを寄せて

多摩爺の「時のつれづれ（睦月の２０）」
成人の日に思いを寄せて

昨日は成人の日だった。
私の時代は１月１５日が、成人の日として決まっていたが、
ハッピーマンデー制度が導入されてからは、
お正月休みの疲れを癒やす、三連休として定着し、満足度が高い祝日になっている。

コロナ禍のなか、昨年は多くの自治体で、成人式が中止されたり延期されたりしたが、
今年はオミクロン株が猛威を振るう中でも、各自治体毎に知恵を絞って開催するところが多く、
嬉しいことに・・・　多くの新成人の誕生を祝うことができている。

作夏、若くして病に倒れ、霊山に旅だった従弟の一人娘も・・・　今年、成人を迎えた。
今年の春からは、１８歳を節目に成人となるようだ。
だからといって、成人式が１８歳になることではないと、テレビでは言ってたが、
もしそうであったら、従弟も娘の晴れ姿を見ることができたのかもと思うと・・・　ちょっと切ない。

病弱だった父の役に立ちたいとの思いから医師を目指し、
念願叶って医大への入学を果たしていただけに、こみ上げるものがあるが、
必ずや、その志の果たすような・・・　立派な医師になってくれることと願ってやまない。

話は変わるが孫の成長にも・・・　目を見張るものがある。
ともに６月生まれの、４歳の女の子と２歳の男の子が、三連休は我が家に遊びに来てくれていた。
といっても近所なので、毎週来ているので珍しいことではないが、
半年前までは、大人しくて、素直な良い子だったのに２歳の男の子がもの凄くわんぱくになっている。

姉にちょっかいをかけて叱られると・・・　直ぐに「ごめんなさい。」と言うものの、
姉から「許さん。」と一喝されると、大きな声で泣き出すが、
１０分後には悪さを繰り返してしまい、また叱られている。

そこが可愛いと言えばそうなんだけど・・・　それだけではない。
テレビのリモコンを持てば、あちこち触るし、
テーブルタップの電源を切るもんだから、突然テレビが切れることも茶飯事だ。
私の部屋のパソコンのプリンターは滅多に電源を入れないのに、彼がきた後は必ずオンになっている。

魔の二歳児、悪魔の三歳児、天使の四歳児なんて言葉もあるが、
４歳になった上の子は、２歳のイヤイヤ期と、３歳のちょっと度が過ぎたイヤイヤ期を経て、
いまでは少しずつではあるが、天使の兆しを見せつつあるが、
下の子は、二歳児特有のイヤイヤ期があったのか、なかったのか、
それすら気づかないうちに・・・　一気にわんぱくになってしまった。

しかも、わざとらしい眼でこちらを見ながら、ニヤッと笑って悪さを繰り返すのだから、
やって良いことと悪いことが分っていて・・・　なんだか弄ばれてるような気がしないでもない。
下の子は言葉がでてくるのが遅くて、心配していたが、
２歳の誕生日を境にしゃべり出すと・・・　一気にギャングと化してしまった。

私は仕事人間で、毎日帰りが遅く、週末も仕事があったりして、
自分の子供たちの、この頃の記憶がほとんどなく、
反省するだけでは済まないような失敗をしてしまったと・・・　いま頃になって気づき悔いている。

そのことが、ずっと前から頭のなかにあって、せめての罪滅ぼしじゃないが、
孫たちとは同じ目線で向き合いながら、いろんなことを教えてやろうと思って、
自分なりの工夫をしており・・・　それが楽しくて仕方がない。

マンション住まいなので、孫たちが部屋の中で走ると息子は直ぐに叱ってしまうが、
確か１年ぐらい前だったと思うが、
私は上の女の子を抱いて外に出ると、マンションの外観をに見せて、
お爺ちゃんの部屋の下にも、部屋があることを教えてから、非常階段を使って足音を響かせ、
うるさいってどういうことか教えたことがあった。

それは、ただ単に・・・　私の自己満足だけだったのだが、
つい先日、上の子が下の子に「走ったら下の人に叱られるよ。」と言ってたのを目の当たりにし、
なんだかとっても嬉しくて、つい心の中でガッツポーズを作っていた。

とはいうものの・・・　もう少しだけ、やんちゃな彼を見ていたいという気持ちの方が、
早く落ち着いてほしいとの思いより強くて、いささか悩ましい日々を過ごさせてもらっている。

孫たちが成人を迎えるとき、元気であれば傘寿を超える歳に至っている。
それがどうってことじゃないが・・・　夕方のニュースで成人の日の報道を見ながら、
「長生きしなきゃね。」と言った女房に、「だね。」とだけ短く返し、含み笑いをするなか、
そこには、想像の世界で成長した、孫たちの姿が見えていた。