時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

然は然り乍ら・・・ 防衛費

2023年02月28日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の32)」
然は然り乍ら・・・ 防衛費

ロシアのウクライナ侵略を目の当たりにして1年が経ち、
破壊され尽くした街や、国外に避難する人々の状況をリアルタイムで見てしまった平和ボケの国は、
ようやく専守防衛の意味と現実が・・・ 一致したようである。 

メディアの世論調査では、防衛費の増加には、反対ではない(積極的賛成ではない)ものの、
その原資のために、増税されるのはイヤだという声が多い。

もちろん私もそうであって、まずは議員の歳費や、問題視されている文書交通費、
さらには議員定数の削減など、国会議員が自ら範を示してから、
それでも足りないなら・・・ 税で補填を求めるべきだと思っている。

そもそも論をいえば、軍備の増強で対峙するのではなく、外交に知恵を絞るべきである。
これは高度な理想として、あるべき姿として、左派系の政党や、学者や知識人の常套句だが、
私の頭の中は、お花畑(対話だけ解決するといった楽観的思考)ではないものの、
こういった声が・・・ 間違っているとも思っていない。

然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ そういった思いが届かないところに住んでいて、
仮に届いていたとしても、聞く耳を持たぬ権力者がいることも忘れてはならないし、
対話することは、当然あることであって、
改めて言うまでもなく、対話が疎かにされていることはあり得ない。

ところが、我が国を取り巻く一部の周辺国は・・・ こちらに戦うつもりがなくても、
戦いを仕掛けてくるかのような挑発を繰り返し、苛立ちを与えながら、
平然と領空・領海を侵犯するだけじゃなく、危険極まりないミサイルを打ち込み続けている。

そういった現実の世界に目を向けつつ、この国を取り巻く環境を客観的に捉えれば、
防衛力を強化してから対峙する(交渉の席に着く)のか?
それとも、相手を刺激することなく、論理的な外交で説き伏せるのか?
この国の防衛論議は、その2点に集約され、不毛ではないものの、堂々めぐりを繰り返している。

さまざまな意見があることを承知の上で・・・ 個人的な思いを吐露すれば、
そりゃ、ミサイルなんぞといった、物騒な物にお金をかけることなく、
頭と口を使って、外交で落としどころを探るに越したことはない。

しかし、この国が置かれた、地政学的な位置づけと、そのパワーバランスを直視すれば、
どうやら・・・ そうも行かないようである。

おそらく、同盟国とともに防衛力を強化してから、当該国と対峙し、
お互いが背後にある軍備を見定めたうえ、戦えば負ける可能性があると、互いを認め合った時点から、
お互いが納得しうる形での・・・ 軍縮交渉に入るのではなかろうか?

かつての米ソが、
そうであったように・・・ 歴史は繰り返されるのだろうか?
実に愚かなことだと思うが、再び同じ道を歩まねばならないのかもしれない。

技術は日々進化しているのに、情けないと思うし、残念で堪らないが、
精神の進化は・・・ まだまだ遠い先になるのだろう。
おそらく、国連の改革が出来たときが、そのスタートになるのかもしれないと思ったりしている。

そう捉えるなら、お互いが対峙できるまで、緊張を高めあった防衛力の強化は、
軍縮の交渉に入った時点で・・・ 明らかに無駄遣いになってしまうが、
それしか打つ手がなく、それで戦争が起こらず、それで人の命が守られるのであれば、
残念で堪らないし、悶々とするが・・・ そのプロセスを慎重に進めるしかないのかもしれない。

だったら、最初から話し合えという意見が、至極真っ当なように思えるものの、
情けないことに、お互いの軍事力が、高度なレベルで均衡しないと、
残念ながら・・・ 軍縮を交渉する席につけないんだから、
全くもってバカげたことであっても、無駄なお金がかかることは避けられないようである。

この国は、戦争が出来るような国ではない・・・ といった声がある。
極めて真っ当であり、極めて正論であり、尤もな声だと思う。

なぜなら、この国には、同盟国からの情報だけはあるが、
それを活用する・・・ 人(自衛隊員)、物(ミサイルや弾薬)、金(防衛予算)が足りてないし、
まかり間違えば、ウクライナのように国が消滅する可能性があるといった危機感もないことから、
物理的にも、精神的にも、戦争ができる状況下にないことは、当然と言えば当然だろう。

とはいえ、対峙せねばならない相手は、赤いタヌキと、狂ったキツネと、太った狂犬である。
この国に住む者だったら、当然理解していると思うが、
民主国家の常識が・・・ 全くもって通用しない輩なのである。

先々を見据えれば、議論の俎上に上がった防衛費の増強案は、
おそらく、無駄なコストになるのかもしれない。
しかし、そこに避けて通れない筋書きがあるのであれば、その筋書きをなぞるしかなく、
そこにあるであろう・・・ ジレンマもまた避けては通れない。

先日の国会で、トマホークを幾つ買うのかと追及した野党の大幹部がいた。
大変申し訳ないが、秘中の秘を暴露せよというような、稚拙な質問は勘弁してもらえないだろうか?
それがニュースで普通に放送されるんだから、恥ずかしくなってくるし、
可能であれば・・・ 早々に国会から退場願いたいとさえ思った。

いまのところ、なにも起こらないから、
いまから先も、なにも起こらないということはあり得ないし、
なにか起こったときに、備えがなければ国家の体をなしてないに等しく、バカまるだしである。

とはいうものの・・・ 防衛費を増大したからといって、
有事が起こった際、この国に被害がなく、100%守られるという保障はどこにもない。

然は然り乍ら(さはさりながら)、なにも対策を打たなければ、
舐めた輩は、益々エスカレートしてくるだろうし、
隙を見せれば、襲ってくることだって・・・ 否定することすら出来ない。

あくまでも、個人的な思いになるが・・・ いま、この国の政治に対して、
決定的に欠けてしまったというか、想定外の変化を遂げたものがあるとすれば、
それは100%の正解でないと納得しない、
柔軟性を欠いてしまった、頭の固い国民が増えたということではなかろうか?

マイナンバーカードの、セキュリティ対策しかり、
新型コロナウイルス対策の、奪マスクや5類への移行しかり、
世の中は流動しているのに・・・ 合格点では満足せず、常に満点を求めていないだろうか?

この国を取り巻く、物騒な周辺国は・・・ 「黙って言うことを聞け!」的な、
トップがひと言、強権を発動するだけで決まる、政治体制であることを忘れてはならない。
そこには議論というものがなく、あっという間に指示になるのだ。

そう捉えれば・・・ いま国会で行われてる防衛費に関する議論は、
不毛な議論ではないと思うものの、論点の核心にピントを合わせないまま、
余裕がないはずなのに時間をかけて、堂々めぐりを繰り返してないだろうか?

政府案が合格点でないなら、どうしたら合格点になるのか?
政府案が合格点なら、どうしたら満点に近づくのか?
まずは、ベクトルを合わせをしてほしい。
ベクトルが合ってなければ、議論は噛み合わない・・・ そう思うが、如何なものだろうか?

追伸
批判があることを承知で、あえて書かせてもらったが、あくまでも個人的な思いであって、
本件に対してコメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、
申し訳ないが、了解いただければありがたい。


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