時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

国民の心に届くメッセージ

2021年07月18日 | 時のつれづれ・文月 

多摩爺の「時のつれづれ(文月の22)」
国民の心に届くメッセージ

昨日(17日)の朝、報道番組に出演した総理に対して、
女性アナウンサーが「ぜひ、国民の心に届くメッセージをお願いできればと思います。」と要望した。

こういった言葉は、芸人顔負けのキレ芸が得意の野党議員たちが、
国会審議中に、もっともっと乱暴な口調で、頻繁に使っている常套句だが、
まさか、民放のアナウンサーが、それを言うとは思わず・・・ ちょっとビックリした。

彼女はなぜ「国民の心に届くメッセージ」といった、
ある意味・・・ 皮肉めいた問いかけをしたのだろうか?
思うにそこには、いまこの国の国民が陥った、二つの闇が影響しているのかもしれない。

その一つ目は、総理は良い仕事をしているにも拘わらず、
それを説明する際に・・・ 目力と抑揚がないことだろう。

大事な言葉に目力と抑揚がないと・・・ 必然的に、心には届かなくなってしまう。
ただ、それだけなんだが、それに尽きるし、あまりにも、それが大きい。

現内閣がスタートして約10ヶ月、振り返ってみれば、
ケータイ電話料金の引き下げ、不妊治療への公的医療保険の適用、
新型コロナウイルス用のワクチン確保と無料接種・・・ 等々
生活に近い場面で、素晴らしい成果をあげているにも拘わらず、
いまとなっては、そのほとんどが・・・ 人々の記憶のなかから消され、忘れ去られている。

ケータイ電話料金は、今春から驚くほどに下がったし、
不妊治療については、保険適用の前に、年明けから助成が拡充されている。
ワクチンだって・・・ 必要数を確保して体制を整え、全国の津々浦々で着々と接種が進んでいる。

今月になって、自治体への供給に不足が生じたことから、それが不満の捌け口となってしまったが、
野党やメディアが1年前にワクチンについて、なんと言っていたのか、それを思い出してほしい。

ワクチンの開発期間が短すぎるので、海外の臨床試験をそのまま信用することはできない。
国内で海外製ワクチンの使用を認める場合は、他国の状況を見たうえで、
国内の臨床結果を踏まえることとし・・・ けっして、焦って接種を行う必要はない。
そのように繰り返して・・・ 野党とメディアは、こぞって様子見を推奨していたではないか。

ワクチン接種だけが、コロナウイルスに対する攻めの対策だと思うが、
彼らはそうではなかったのだ。

彼らの切り札だったPCR検査は、ある意味では攻めの対策の一つだが、一過性の対策であって、
検査直後からの行動を踏まえると・・・ その信憑性には、
いつの時点で検査しても常に「?マーク」がついてくる。

一方で人流抑制、三密回避、治療薬などは、総て守りの対策であって、
精神的にも、肉体的にもダメージがともなう。

そのワクチン接種が、当初の予定より半年も早く完了できそうだというのに、
最近になって数量が足りなくなり、ブレーキがかかったからといって、
自治体のトップが騒ぐならまだしも、
あれほどブレーキを踏みまくっていた、メディアと野党が、まるで鬼の首を取ったかのように、
失政だと罵詈雑言を繰り返すのだから・・・ 開いた口が塞がらない。

悪いが、あなたがたに・・・ それを言われたくはない。
ワクチンの100%を、海外からの輸入に頼り、
世界の各国でワクチンの争奪戦が繰り広げられているなか、
我が国だけ、スケジュールどおりに都合よく調達ができたら・・・ それこそ奇跡である。

そこに持ってきて、あなたがたが踏んだブレーキで、ワクチン接種のスタートが遅れたことについて、
その釈明は・・・ 未だに、なに一つ聞いてないが、よもや忘れたわけではあるまい。

もし、総理の言葉に、目力と抑揚があれば、いまのような状況に陥ってないかもしれない。
確かにその通りかもしれないが、
数値目標を掲げて説明することに、言質を取られたくない性格が悪さして、
いまの状況
を招いていることも事実だろう。

とはいえ、目力と抑揚が無いなら無いなりに、
頭の良い取り巻きが、もっと知恵を絞り工夫すべきではなかろうか。

もう一つは、いつも思っていることで、
国民サイドが「聞く耳を持っていない。」ということだ。

総理の話が、面白くないから話を聞かないのか?
それとも・・・ ためにならないから話を聞かないのか?
はたまた・・・ ためになろうがなるまいが、ハナから話を聞く気すらないのか?

本来、天下国家の一大事であれば、話が面白くなかろうが、説明が拙かろうが、
理解するよう努めるはずだが、この国の国民は、大事なことを理解しようする努力を怠り、
だれかの後をついて行くことに味をしめてしまい、
恥ずかしげもなく・・・ 右へ習へが、当たり前になってしまった。

この国の国民が、聞く耳を持たなくなったのは・・・ どこに問題があったのか?
それは昨年の、最初の緊急事態宣言を解除したときにあったのではなかろうか?
「政策が正しかったのではない。国民が賢かったのだ。」と、メディアと野党が総括した、
軽率に口をついて出たこの言葉が、国民から緊張感を奪う、
重大なターニングポイントになったのではなかろうか?

大事な対策を話しているのに、それを報道するメディアが、
その意義と成果を掘り下げることなく、
この1年に渡って、政策の負の部分だけにフォーカスして、批判を繰り返してきたことも大きい。

それによって、人の命に関わることであるにも拘わらず、
多くの国民が「我慢できない。」と発するように、
メディアと野党が・・・ それを正当化してしまったのだ。

漫才やコントじゃないんだから、政策なんて面白いわけがない。
ましてや、飲食業界や医療業界を含む、多くの対策について、国民の思いは二極化され、
どちらを選択しても不平不満がでるなかで、
為政者は51対49の意見で判定し、動向を見ながら実施に至っている。

東北出身のたたき上げ宰相が、訥々と語る言葉に、目力と抑揚がないからといって、
国民の心に届かないことは認めるにしても、
だからといって、国民が聞く耳を持たなくなるよう、
偏った情報とコメントで、時間をかけて世論を形成しようとするのは如何なものだろうか?

いろんな意見があって良いと思うし、それを否定するつもりなどさらさらない。
とはいうものの、本来は賛成も反対もあるんだから、
両論を並べてからメリット、デメリットを比較検討し、
聞く耳を持たない層に対して「お前ら、しっかり聞けよ。人の命をなんだと思ってるんだ!」と
テレビ画面をとおして、一喝するのも
メディアの大事な役割だと思うが、間違っているだろうか?

コロナ禍が長引くなか、この国の国民ならば、
だれだって、総理から心に届くメッセージを聞きたいと思っている。
だが・・・ その責任は、為政者サイドだけにあるのではなく、
自分自身にもあることに気づくべきではなかろうか?

聞く耳さえ持つことができれば、きっと心に届くはずなのに、
いま、この国の国民は、それすら忘れてしまった。
一方通行の報道に、慣れてしまうことほど・・・ 危険なことはないと思うが、如何なものだろうか?

若者を含む、働き盛りの世代を中心に、聞く耳を持つ人々が増えてこない限り、
個人主義と社会秩序のせめぎ合いに・・・ 明快な解は見えてこないだろう。

だれもが、子供のころに・・・ 「人の話を、ちゃんと聞きなさい!」と、
親からよく言われ、なんども叱られていたことを、思い出してほしいと願ってやまないが、
いまとなっては、それすら無理なお願いになるのだろうか?


追伸
昨日のお昼前、二度目のワクチン接種に行ってきた。
一回目のときは、いつ針を刺したかどうかすら分らなかったのに、
今回は大きな針を使ったのかどうかは分らないが・・・ 一瞬だけ「痛てっ!」と感じた。

15分だけ会場で待って、さらに帰りのバスを待っていると、
倦怠感と言うほどではないが、ちょっと体が重いと感じるようになった。
帰宅して、遅い昼メシを食い終わったころには、
腕に若干の違和感はあるが体は全く元に戻っていた。

あれからも一夜明けたが・・・ 熱も出ず、いまのところ安心だが、
2~3日は、ウォーキングも止めて、安静にしておこうと思う。

それと、接種会場でのVRSへの投入だが、
若い担当の方がバーコードリーダーを使って読み取っていたが、
実に手際よく、無駄なく数秒で終わったので、これを面倒くさいというのは、
医療関係者や、お世話をいただいている方々には申し訳ないが・・・ 怠慢だと思う。


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4 コメント

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自在なフォーカス (ダム)
2021-07-19 07:30:01
ご隠居さん、お早うございます。
この度のブログ、いちいち納得しつつ拝読しました。
僕も菅さん、頑張っていらっしゃると思っています。
その半面、仰るように生気というよりも疲労の色が、日々の画面から伝わってまいります。
せめて、菅さんご自身からの率直なお言葉が少しでも出てくると良いなぁと思っています。
非難や糾弾は、一個人としては辟易しています。
野党は次期選挙、マスコミは視聴率どり?を優先してのものなのでしょうか。
何れにせよ、僕も含めた国民ひとりひとりが、目の前の事象だけじゃなく、ちょっと離れた視点から考える姿勢。日々に忙殺される中でも、ちゃんと考えることを続けていけたら良いなとも思っています。
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Unknown (多摩爺)
2021-07-19 08:53:08
ダムさん、こんにちは
最近の報道を見ていると、ワクチンしかり、オリンピックしかりで
賛成と反対の意見が、正義と悪の対立のようになっています。
都内でデモしてる方々は、辺野古でデモしてる方々や、学術会議を支持してる方々と同根のような気がします。
大事なことから目を逸らして、政局を盛り上げようとするのは、
自由を隠れ蓑にした、左よりの世論を形成しようとする、新しい翼賛会的な行動だと思っています。
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Unknown (kazzdokk)
2021-07-25 16:13:28
24日に2回目打ってきて、昨晩発熱。一度、下がりましたが、またぶり返し。
熱より体のあちこちにツキーン、ツキーンと痛みが走るのがたまらない。
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Unknown (多摩爺)
2021-07-25 16:35:38
kazzdokkさん、こんにちは

きっと、私より若いから熱が出たんだと思います。
とっても暑いので、ご自愛ください。
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