多摩爺の「時のつれづれ(葉月の55)」
令和の米騒動(備蓄米の放出について)
10日ぐらい前だっただろうか、大阪に住む義妹から女房に電話がかかってきて、
「大阪はどこのスーパーに行っても、お米がないけど・・・ 東京は大丈夫なの?」と言うと、
うち(義妹宅)は、実家のお隣さん(農家)に電話して送ってもらうことができたけど、
一時はホントにどうしようかと思い、焦ってしまったとのことだった。
女房は・・・ 「今朝、近所のミニコープに買い物に行ったとき、お米は置いてあったと思うけど、
売り切れになったら困るから、明日行ったとき買っとくわ。」と、穏やかに話しながら、
翌朝、いつもどおり買い物に出かけ、何事もなかったかのようにお米を買ってきて、
帰宅後「普通にお米は買えたけど、確かに数量は少なかったような気がする。」と話していた。
米不足が各地で起こっているとの情報は、ニュースで知ってはいたが、
うちの近所では普通にお米は置いてあったし、
担当大臣が、新米が流通し始める来月の半ばぐらいになると、
米不足は解消されると言ってたので、特に気にすることはなかった。
ところが・・・ 事態が一変する。
先週末、嫁がやって来て「近所のスーパーにお米が置いてない。」と言うもんだから、
義妹から電話をもらった翌日に買ってきたお米を渡しておいて、
翌朝、買い物に行ったら「確かに数は少なかったけど、お米は普通に置いてあって、
お一人様一袋でお願いします。」との貼り紙がしてあったと言い、一袋だけ買って帰ってきた。
そして昨日、お米がなくなったら孫たちが困ると言いながら、女房は買い物ついでに一袋買ってきて、
一緒に昼メシを食いながら、ワイドショーを見ていたら、
大阪府の知事が、政府に備蓄米の放出を要望したとの報道があり、
併せて総理が担当大臣に、不足が起こらないように指示したとの報道もあった。
農業政策や、飲食業には詳しくないので、軽々にもの申すことはできないが、
一つだけ・・・ 気になっていたのは、街中のレストランや、食堂などの飲食店で、
お米がないから大盛りやお代りは無理としても、営業に支障が出ているとの声があるわけでもなく、
コンビニやスーパーで、お弁当やおにぎりが作れなくなったと悲鳴が出ているわけでもないのである。
そういったことを踏まえて、いまこのタイミングで、備蓄米を放出すべきなんだろうか?
その判断が・・・ ちょっと悩ましい。
いまある情報を俯瞰しても、物流のどこかで目詰まりしてるわけではないらしいので、
担当大臣が言ってたとおり、流通米は総量的に足りていると思われることから、
「もう少し落ち着いてくれ。」が正解なのかもと思っている。
また、いま備蓄米を放出したら・・・ 政府が米不足(総量が足りない。)を認めたことになり、
放出すると同時に、パニック的に米の買い足しに拍車がかかり、新米が市場に流通し始めると、
1~2週間ぐらいで落ち着きを取り戻し、今度は余剰米が溢れ、古米の価格が暴落し、
新米もその煽りを受けることから、めぐり巡って頑張ってくれた農家がバカを見ることになるだろう。
日銀が覆面で為替介入するように、覆面で担当大臣が指示して内々に備蓄米を放出すれば、
自然体で流通するので、騒動にはならないと思うが、
無形のお金と違って、有形のお米を動かすと、どこに、どれだけを配送するのかなどもあって、
覆面で放出することはまずもって無理であり、騒動が回避できるとは思えない。
さらにこの国では半世紀ぐらい前に、自主流通米制度が始まり、小売価格も自由化されているので、
農協はすでに米価に関する権威を失っており、
経済状況にスライドして、お米の価格が決まっていることを踏まえれば、
飲食店などから米不足の声が上がらないうちに備蓄米を放出して、
そのシワ寄せを農家に向けるのは・・・ 私の知識不足かもしれないが、ちょっと納得し難いだろう。
今回の米騒動や、備蓄米の放出を眼にしたとき、
ふと、3年前の9月に亡くなった義父の面影が浮かんできた。
米作りが生きがいのようなお百姓さんだった義父は、
1日の仕事が8時間で、週休が2日あって、祝日も有給休暇もある私とは違い、
それこそ365日・・・ 額に汗して働く勤勉な人だった。
うちはお米が確保できているので・・・ 無責任なことを言ってるのかもしれないが、
備蓄米の放出によって、需要と供給のバランスが崩れてしまい、
その結果として、米価が下がると、消費者は喜ぶかもしれないが、
お百姓さんの実入りが減ることを思えば、そればっかりは、なんとか避けて欲しいと願ってやまない。
我が家では、米騒動の引鉄を引いた「南海トラフ地震臨時情報」が出される前から、
東日本大震災を教訓にして、お米と飲料水とトイレットペーパーは、常に予備を確保してきたし、
お風呂の水は、翌日入れ替える前までは残しているし、
ガソリンに至っては、残りが1/4のメーターを過ぎたら、必ず満タンにするよう心掛けてきた。
義妹からの電話で、大阪にお米がないと言われたときには・・・ 確かに焦ったが、
ふと・・・ 義父の顔が浮かんできて、
けっして万全とはいえないものの「備えあれば憂いなし。」を再確認させてもらったように思う。
最後になるが、本件に関しては、さまざまな意見があって、
賛否が分かれることは承知してるし、ひょっとしたら思い違いがあるかもしれないが、
本文はあくまでも・・・ 個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解いただければありがたい。
今回も 頷きながら 為になりました。
息子たちは 飲食店では大盛り無料のままで 「それ食ってるよ!」と申してました(笑)
一時的な買い占め行動が引き起こしている米不足でしょう。
東日本大震災時のガソリン不足も一見客お断りで対処したGSの判断で困る事はありませんでしたよ。
仰るとおりなんです。
大阪の知事さんの要望も理解できますが、飲食店の声が大きくないのが・・・ なぜか不思議なんです。
スーパーに置いてないのは事実なんですが、午前中に買いに行けば置いてる店もあるようです。
大型店舗より、近くの小売り店が穴場かもしれませんね。
まさに群集心理ですね。
よくばって購入し、どこかに送ってあげようとしなければ、もうじき落ち着くと思っています。
先日から近所のドラッグストアで新米を売り始めましたよ〜
仕事帰りの夜に寄ったらまだ残ってたので
そろそろあちこちでも新米が流通しはじめるのかもしれませんね
それにしても、テレビが米騒動を報道するので不安が増すのではないのかなと気になりました。
うちの近所のミニコープは、大きなスーパーと違って駐車場のない、年齢高めのおばちゃんたち御用達の店ですが、
午前中に行けば、普通に買えると女房が言ってました。
南海トラフの影響がありそうな地域は、焦ったと思いますが、もうそろそろ落ち着いてくるんじゃないでしょうか?
心から同感しています。私は運良くお米を買う事が出来ましたが、皆様大変だと思います。
暑い日、寒い日関係なく作業に励まれる農家の方のお仕事は尊いといつも感謝しています。自分が家庭菜園をしてみて、本当にお野菜お米を作る事こ大変さを思い知りましたので、尊敬しかありません。これからの政策は、消費者以上に生産者に手厚くと願います。日本は瑞穂の国です。お米を有り難く大切に思っています。なおとも
お昼前に、雨が降る前に買い物に行くと女房が言うんで、近所のミニコープに荷物持ちでついて行ったら、
2袋でしたが、お米は残ってましたし、お弁当もおにぎりも普通に売っていました。
女房にお米を買って帰るの?と聞いたら、うちはあるので、買いたい人いると思うので今日は買わないと言ってました。
「凄いね。」褒めてあげるよと言ったら、
「いやいや、それほどでも・・・ 。」と笑ってました。
爺さんと婆さんの、小っ恥ずかしいのろけ話を聞いていただき、ありがとうございました。
お米の総量は変わっていないそうです。南海トラフ情報で買いに走った人がいたことと、お盆の流通が、重なったことが主な原因です。
インバウンドの外国人のせいとかNHKニュースでも言っていて息が詰まってしまいました。インバウンドなんて全体の0.5%。
店頭ではなくて、決まったルートで信用買いしている所は不足しなかったそうです。だから外食店では不足なし。
その時々で安いところで買っていたお店は売ってもらえなくてやはり無いそうです。
それより関東大震災の朝鮮人虐殺の時と大手メディアの思考構造が変わっていないことがショックで鬱になりそうです。
仰ること良く分かります。
大手のメディアが「みなさん、もう少し落ち着きましょう。」とひと言あれば、なんとかなりそうなのに、
事態が好転せず、悪化したときのリスクを考えてかどうかは分かりませんが、
いつもは政府の批判ばかりしてるコメンテーターが、こういったときは事実に淡々と反応するだけで、知らんぷりしています。
仰ってるとおり、ホントに困ったものだと思います。