時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

あの・・・ 被害者は私ですが

2022年12月26日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の36)」
あの・・・ 被害者は私ですが

先週末から、列島の各地は、クリスマス寒波の襲来に難儀をしたが、
私の住む北多摩を襲ったクリスマス寒波は、
底冷えするような寒さに加え・・・ ときおり強く吹く、北北西の風だった。

そんな・・・ 風が強かったイブの昼下がりに、
1時間そこそこのウォーキングを終え、玉川上水緑道から脇道(車道)に入って歩いていると、
思いも寄らない出来事が起こるんだから・・・ 人生は、なにがあるかわからない。

向こうの方から、自転車に乗った婆ちゃん(80代の半ばぐらい)が、
明らかにフラフラしながら、危なっかしい格好で自転車を漕いで、私の方に向かってきていた。

なんとなく危険を察した私は、なに気に右端に避けたんだけど、
折からの強風に、背中を強く押されていた婆ちゃんが、
ブレーキをかけず、地面に足もつけず、どんどん、どんどん私の方に向かってくる。

「わっ、どうしよ?」そう思ったが・・・ もう間に合わない。
不思議なんだけど、ぶつかるときって、スローモーションを見ているみたいに、
あっ、あっ、あっ、来る、来る、来るって感じのまま「ドッカァァ・・・ ン」だから、
まさに・・・ 為すがまま状態であった。(これ、実体験)

もう少し詳しく云えば、婆ちゃんが運転する自転車の前輪は、私の股ぐらに突っ込んでいたが、
スピードがたいしたことなくて、私が両手で自転車のハンドルを掴んで止めることができたので、
衝撃はわずかなものだったが・・・ 一般的には立派な交通事故であり、人身事故である。

反射的に「痛てっ!」とは言ったものの、
痛みは、ほとんど感じてなく、
ズボンの一部に、タイヤの痕が付いていて・・・ 少しだけ汚れていた。

その直後、私の目に飛び込んできたのは、
婆ちゃんの背中越しに、こちらに向かって走ってくる、ちょっと強面のニイチャンだった。

ニイチャンには、私が婆ちゃんにイチャモンでも付けてると思って、慌てて走ってきたのだろう。
「どうされました。怪我はないですか?」と婆ちゃん声をかけると、
ちょっと厳しめの視線を・・・ 私に送ってくるではないか。(私は悪くないのに)

婆ちゃんは、片足のつま先を辛うじて地面に付け、ハンドルをかたく握ったまま固まっている。
そして、明らかに気が動転している婆ちゃんは・・・ 喋らない。
ニイチャンの私を見る視線が、さらにキツくなったように感じた。(こりゃ、ちとまずい。)

ここでまた、危険を察知した私は、ニイチャンに向かって言った。
「ちょっと待ってくれ。」、
「被害者は私ですが・・・ なにか勘違いされていませんか?」(ホントだよ。)

そう言って、右端に寄って避けようとした私に、婆ちゃんが突っ込んで来たことを説明すると、
私と婆ちゃんの顔を交互に見ながら、ようやく事態が把握できたらしい。
怖い、怖い・・・ 危うくニイチャン確保されて、御用の筋に通報されるところであった。

「奥さん(婆ちゃんのこと)ね、この人(私のこと)だったから良かったけど、
 小さな子どもだったら、大変なことになってたかもしれないよ。」(ホントにそうだよ。)

強面のニイチャンは、優しい声で諭すように婆ちゃんに注意をしてたけど、
婆ちゃんは「はいはい、分りました。」とは言ったものの、
私には、ひと言もなく・・・ 自転車を漕ぎ出すと、
またもやフラフラしながら、どこかに行ってしまった。(あれっ、どうしたの?)

そして、ニイチャンは、ようやく私に向かって言った。
「お怪我はありませんでしたか?」
「遅いよ、怪我があったとしても、加害者はすでに逃走してるじゃないか。」

心の中でそう思ったものの「大丈夫です。」と強がりを言って、その場を後にしたが、
帰宅後、足を見てみると、
左の脛に小さな擦り傷が一つ残っていた。

治療費を貰おうなんて、まったく持って頭になかったが、
せめて「申し訳なかった。」ぐらいあっても、
バチは当たらないと思うが・・・ 如何なものだろうか?

逃走した婆ちゃんだって、いずれは三途の川を渡ると思うが、
閻魔さまにこのこと問われたら、いったい、なんと応えるつもりなんだろうか?
他人事とはいえ・・・ そんなことが気になっていた。

以上、先週末に東京郊外・北多摩のある町で起こった、嘘のようなホントのお話し、
小さな小さな人身事故の顛末を、包み隠さず報告させてもらった。

生活のために、免許の返納ができないお年寄りの事故が、問題視されて久しいが、
お年寄りの、フラフラ自転車も・・・ 要注意であり、
自分では危ないと思ってないんだから、ホントに困ったものだと思う。

自転車は免許が要らないから、取り締まることもできないし、
この年代の方々は、周囲がなんと言おうと、自信に満ち溢れているから、
注意する方にも知恵が必要になってくるだろう。

やれやれだが・・・ 明日は我が身というか、自分のことだと思えば、
今回のことは他山の石として、75歳ぐらい(免許更新のタイミング)を区切りにして、
自転車を含めて、ドライバーを引退せねばと痛感する

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16 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2022-12-26 05:10:27
おはようございます。

ほんと、その程度の怪我で不幸中の幸いでしたね。

私も来年は後期高齢者になりますから、自転車に乗ることはやめないといけないと思います。が、車の運転免許を持っていないことと、長く歩くと腰痛を起こすという理由で今も時たま乗ってしまいますが、これからは押して歩くだけに留めたいと思います。
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Unknown (多摩爺)
2022-12-26 06:09:23
水仙さん、おはようございます。

かすり傷ですから、たいしたことはありませんが、
仰るとおりで、私も他山の石にせねばと思った次第です。
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Unknown (keiko(けいこ))
2022-12-26 06:34:54
おはようございます。
私も年配者の危なっかしい自転車🚲よく見かけます(私も注意するよう息子から言われてますーー。)
君子危うきに近寄らず、、そうしてますが、
おっしゃる通りだと思います。
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Unknown (霧子)
2022-12-26 06:49:20
おはようございます。

そうですか 私は高齢者の方の自転車には会ったことはありませんが自転車が来ても自動車でも通り過ぎないと動けないです。
今回のように自分に向かってきたらと思うと怖いです。。

特に自転車は怖いですね。
この暮れお怪我が少しで良かったと安堵しました。
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Unknown (多摩爺)
2022-12-26 07:27:21
けいこさん、おはようございます。

ホントに驚きました。
お年寄りの自転車は、フラフラしてる方が多く、バランスが取りづらいようなので、
いままで気にしてませんでしたが、要注意だと思いました。
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Unknown (多摩爺)
2022-12-26 07:32:08
霧子さん、おはようございます。

私の実家の方では、完全に車社会で学生を除けば、高齢者の自転車はあまり見かけませんが、
なぜだか分りませんが、東京は高齢者の自転車が多いように思えます。
気をつけるに越したことはありませんね。
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Unknown (wada67miho)
2022-12-26 09:28:05
多摩爺さま

とんだ災難でしたね。自転車怖いですね。歩道を平気で結構なスピードを走ってきますからね。だから、僕は歩道を歩く時には、真っ直ぐ歩くようにしてます。この前、後ろから来た自転車がぶつかりそうになって「危ないやないか」と言うので、「ここは歩道やないか」と怒鳴り付けてやりました(笑)。
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Unknown (mirapapa)
2022-12-26 09:46:41
いや〜、それは災難でしたね。
私も、人を気遣って、逆に目撃者に犯人扱いされそうになったことがあります。
年寄りは自分のことで精一杯なんでしょうが、それにしても残念ですよね。
大きなお怪我のなかったことが、不幸中の幸いでしたね。😅
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Unknown (多摩爺)
2022-12-26 10:04:22
わださん、こんにちは

最近テレビで、ちょくちょく自転車の取り締まりが厳しくなったと放送されてますが、
まだまだホントにあまいと思います。
私の住む住宅街では、自転車は一方通行の逆走を認められていますが、
信号無視で逆走してきますから、なんどか怖い思いをしたことがあります。
もっともっと、厳しく取り締まって欲しいと思います。
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Unknown (多摩爺)
2022-12-26 10:06:37
mirapapaさん、こんにちは

ホントに不幸中の幸いでした。
クリスマスに怪我させられて、犯人扱いされたら、それこそホントのクルシミマスですから、洒落にもなりません。
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