時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

自由が侵されるおそれがある。

2020年10月09日 | 時のつれづれ・神無月

多摩爺の「時のつれづれ(神無月の8)」
自由が侵されるおそれがある。

3年ごとに半数の入れ替わりがある、日本学術会議の会員について、
任命権限のある内閣が、6名を拒否したことから・・・ 騒動が始まり1週間が経った。
国会では、コロナ対策以上に力を入れて、野党の追及が行われている。

学者のみならず、作家、映画監督、俳優等々、
インテリと云われる分類に属する方々から批判の声がでているなか、
ある大学総長が、同大学のホームページに、任命拒否に関して懸念するとの見解を発表した。
要約すれば、みなさんの声の大半は「自由が侵される・・・ おそれ(可能性)がある。」であった。

真打登場は、野党政権時代の与党幹事長を務めた方の発言だろう。
「今こんな国になりつつあるのは、戦争経験者がいなくなりつつあるということもあるだろう。」
「戦前の言論弾圧を知らない。」
「同調圧力が働き、政府批判をしようものなら家に石を投げ込まれた。」
「そういう恐怖を国民の多くは知らない。」と前置きしたうえで、

「この人物は、総理に批判的なので教授にはしません。」
「この人物も、政府に批判的なので学長にはできません。」
「そんな国まで、あと一歩と危惧する。」とのコメントを発した。

戦時中のようになってしまうというが・・・
インターネットが、ここまで発展した今日の社会で、果たしてそうなるだろうか?

もし本当にそうなるとすれば、大陸のようにネットへの投稿を全て監視し、
批判意見を全て削除することしかないが、
そもそも・・・ そのような大陸へ、約150名の議員を含む、約500名を引き連れて、
ご機嫌伺いしたうえで、直後に、当時の大陸ナンバー2(現在のトップ)と、
天皇陛下の特例会見を仕組んだのは、誰あろう・・・ いま声高に批判しているその人である。

大陸シンパのあなたの口から、言論弾圧だの、同調圧力だのといった言葉が飛び出すとは笑止千万
「天に向かって唾を吐く。」という諺があるが・・・ まさに、そのとおりではなかろうか。

あなたはいったい、この国をどこへ導こうとしていたのか?
天皇陛下に対し、特例会見を仕組んだ意図は・・・ いったい、なにを企んでのことだったのか?
そしていま、敵の敵は味方の論理をかざし、
政策はさておいて、共産党と手を握って政権交代を目論んでいる。
申し訳ないが・・・ 政治はゲームではないとだけは申し上げておきたい。

熱くなるのは止めて、話を戻そう。
一般的に思うのは・・・ 事件が起きてからでは手遅れになるので、
侵されるおそれがあるのであれば、早い段階で、そういった悪い芽は、摘み取らなければならない。
普通の感覚なら、そう考えるのは当然のことだと思うが・・・
今回の件は、インテリたちが云うほど、深刻なことなんだろうか。

例えば・・・
隣の部屋のオッサンの目つきが卑猥なので、
犯されるおそれがあると云って騒ぎ立てたら、どう扱うのだろうか?
鮨屋のオヤジが扱う包丁さばきが不気味で、
刺されるおそれがあると云って騒ぎ立てたら、どう扱うのだろうか?

今回の件と同列に扱うなと・・・ 云われるかもしれないが、
おそれ(可能性)がある。」ことに違いはない。

そう捉えれば、学者やインテリが云ってることと、
五十歩百歩であり、目くそ鼻くそであり・・・ 大差はない。
にも拘わらず・・・ この国のインテリたちは、
何を血迷ったか知らないが、不安を煽り、イチャモン付けに余念がない。

もちろん、事件が起きてからでは遅すぎるので、事前に対策するに越したことはない。
とはいえ・・・ 命にかかわるような侵害でなければ、
事後に裁判を起こしても・・・ 決して遅くはない。
大陸や半島と違って、この国の裁判所は法律に則っており、判決を間違えることはないだろう。

さらに、インテリたちは総じて、目の前にある危機には、恐ろしいほど盲目であり、
大陸や半島が暴発する可能性については、触れることすら拒んでいる。

「尖閣諸島を、武力で奪いに来る可能性がある。」
「南シナ海の航路が、航行不可になる可能性がある。」
「ミサイルを日本海に向けて撃ち込む可能性がある。」

自国の領土や公海に於ける権利が侵される可能性については、
外交で何とかなると・・・ お花畑論でその場を濁し、
自らのイデオロギーに反するような事柄については、けっして向き合おうとはしない。

先の大戦を起こした反省を踏まえ、軍事研究はしないと宣言するのは、
ある意味わからんことではない。
とはいえ、自国の研究を阻害するということは、他国を利することに繋がると思うがどうだろう?

それを特別職だろうが、国家公務員が行って良いのか、
普通に考えれば・・・ 間違いだと誰にでも直ぐに分かる。

大事なことは、「先の大戦の反省」と「備えあれば憂いなし」を天秤にかけてみたら、
偏りなく・・・ 均衡が取れるかということである。

そして、いま・・・ 閉会中の国会審議では、6名の任命拒否について、
野党が持論を展開して追及を始めている。
切っ掛けは、確かに6名の任命拒否から始まったが、
国民の共通認識として議論を深めなきゃならないのはなんなんだ?
 

私は「日本学術会議」という組織の、本来あるべき姿を、徹底して議論することだと思っている。
そこから入らなければ・・・ 枝葉末節であり、重箱の隅であり、
木を見て森を見ずの議論しかできないだろう。

「日本学術会議」の目的を含め、予算額や定員(会員数・事務局人員数)に妥当性はあるのか?
専門分野(分科会)における会員の、イデオロギーのバランスは妥当なのか? 偏りはないのか?

さらに、これまでの提言内容と、その整合性(時勢は刻々と変化している)について、
政治の判断はどうだったのか?
その提言と判断を、歴史という視点では、どう評価し、総括してきたのか?

素人感覚で恐縮だが・・・ 本来は、こういった議論をしたこなかったことについて公にし、
あるべき姿を議論すべきであって、
6名の拒否は・・・ その
切っ掛けに過ぎないと思うがどうだろう?

メディアで報道されている、閉会中の国会審議模様を見ていると、
本来あるべき議論をしてるというより、
残念ながら・・・ 野党による、自作自演で語気が鋭いだけの、
追及ゲームに興じているようにしかみえない。

与野党があるんだから、意見の違いがあるのは当然である。
とはいえ、本来議論し、前に進めなきゃならないのは・・・ いったい、なんなのか?
それを勘違いして、追及ゲームに没頭していたら、
この問題はのらりくらりと、与党に押し切られてしまうだろう。

野党は問題のすり替えだと騒ぐだろうが、
この問題の根っこが「日本学術会議」のあり方にあるのは明々白々である。
にも拘わらず・・・ 追及ゲームばかりしてるから、
大事なことを、総合的かつ俯瞰的に見ることができず、支持率が上がらないんじゃなかろうか?

結果的には失政だったとはいえ、「コンクリートから人へ」を掲げていた昔の野党の方が、
総合的かつ俯瞰的な視線を持っていたと思うが・・・ どうだろう?

また、インテリたちが騒ぐのも、分からんではないが・・・ 論点が一部のことに偏っており、
被害を被ってもいないのに、被害妄想に陥っているんだから・・・ 情けない。

特定の分野では異彩を放ってはいるものの、全てのインテリが人として素晴らしいわけではない。
自らの考えが、さも世の中の常識かのように、
上から目線で偉そうぶって喋ってる姿が、あまりにも嫌味ったらしい。

この国の不幸は・・・ 各論に拘り過ぎる、レフトスタンドに居る野党と、
被害妄想に陥ったインテリたちを、メディアがワイドショーという御輿に載せて煽り立て、
追及ゲームに興じていることではなかろうか?

本来、中立にあるべきメディアが、バランスを欠いて報道するということは、
国民の視線をそちらに誘導することに繋がり、それこそ・・・ 同調圧力になりかねない。

正確にいえば、こういったことも可能性(おそれ)の域を出るものではないが、
残念ながら、それが現実であり、
知らず知らずのうちに、メディアの同調圧力に手なずけられてしまうのだろう。

メディアによる、自由過ぎるほどに自由な「表現の自由」に、
政府がイチャモン付けたことがあっただろうか?
インテリの言葉を巧みに操った、メディアの同調圧力の方が、よほど恐ろしいと思うがどうだろう?


コメント    この記事についてブログを書く
« オヤジの十八番(おはこ) | トップ | 脱ハンコの先にあるもの »

コメントを投稿

時のつれづれ・神無月」カテゴリの最新記事