時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

伝家の宝刀を抜いた。

2020年04月07日 | 時のつれづれ・卯月 

多摩爺の「時のつれづれ(卯月の4)」
伝家の宝刀を抜いた。(緊急事態宣言)


朝日新聞のホームページによれば・・・
昨日(4月6日)までに国内で発生した新型コロナウイルス感染者は
4,011名(死者97名、退院者575名)で、
クルーズ船723名、チャーター便15名、空港での検疫74名を加えれば4,823名になった。

国内で最初の感染者(中国・武漢からの帰国者)が、
神奈川県内で見つかった1月16日から既に3カ月が経ち、
国会で「新型インフルエンザ対策特別措置法改正案」が成立した3月13日から1ヶ月が経つ。

早かったのか?
それとも、遅かったのか?
はたまた、遅すぎたのか?
4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急対策として、
総理がついに、伝家の宝刀を抜いた。

感染が拡大し続ける7都府県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県)に対し
1ヶ月程度(5月6日が目途)の「緊急事態宣言」を発出するとともに、
収入が大きく減った世帯への現金給付や、中小企業やフリーランスの労働者への支援などを含む、
総額で108兆円の緊急経済対策を併せて表明した。

これにともない、総理から指定を受けた7都府県の知事は、
自らの権限で予め準備していた、様々な措置を取ることになり、
私が住む東京都の知事は、昨夜のうちに記者会見を行い、
以下のような措置を取るので・・・ お願いしたいと訴えた。

第一声として・・・ 「ステイホーム、外出しないこと、これに尽きます。」と訴えた後、
徹底した外出の自粛の要請であるが、皆さんご自身を守るため、家族を守るため、
大切な人を守るためと付け加えた。

具体的な措置は・・・ 事業者や施設に応じて対応が異なると前置きし、
バーやナイトクラブなどの娯楽施設、大学や学習塾、商業施設、遊戯施設などについては休止を要請
また、幼稚園や小中学校、高校などには休止を要請するが、
保育所や高齢者施設などについては、感染防止対策の協力を要請するに留めた。
そして、やむをえず外出する場合は行列を作らず、
人と人との間隔を約2m確保するよう注意を促した。

一方で、社会生活を維持する上で必要となる病院、スーパーマーケット、公共交通機関などには、
感染防止対策の協力を要請した上で、引き続き業務を継続するように要請したと説明した。

簡単に言えば・・・ どういうことなのか?
今日までは、外出する際の注意事項として、
三つの(密閉空間・密集場所・密接場面)を避けるように要請していたが、
これからは、昨日までと変わらない「外出の自粛」という言葉が、
昨日までと同じで強制ではないものの、最大級の強い要請に切り替わったということであって、
これを総理は、人の行動を変えて、人と人との接触を7~8割減らすことだと訴えている。

諸外国のような外出禁止じゃなく、外出自粛の要請だから、
伝家の宝刀は竹光だというコメンテーターもいた。
確かにその通りだが、現在の法律で対応可能な「最後の砦」であることも事実で、
国民は強い自覚を持って受け止めねばならない。

緊急事態宣言のタイミングについては、人それぞれだが・・・ 遅いと思う人たちも多いだろう。
しかし・・・ 遅かったと不満を云う人たちは、
これまでの自分は、政府や行政からの要請に応えていたのだろうか?
いま一度、自問自答してもらいたい。

皆がそうであったら、こんなことにはなってないはずだ。
俄か評論家が、さも知ったげにコメントするのは、しばらく控えて欲しい。

要請に応えてない人、自らの意思を持ってない人の多くは、自らの行動を顧みず他人の言葉に流され、
誰かが何かを発すると、必ずその言葉尻を捉えて、責任を転嫁しているのが現実である。
人間っていう生物は、そんなもんだと思えば・・・ 確かに、そのとおりだが、
私は他人に責任転嫁したくないので、自ら考えるとともに、家族のアドバイスを参考にする。

私たちは、どれだけ他人の言葉に左右され、言いっ放しの毒針を吐いて来ただろうか?
PCRの検査しかりで、あるワイドショーで全件検査をすべきだと主張し、
コメンテーターの多くが、SNSの多くが寄って集って「そうだ。そうだ。」と煽りに煽り、
不満をぶつけたが、その効力と医療崩壊の恐れがあると分かると、
いまではそのことについて触れるワイドショーは殆んどなくなっている。

また、布製マスクの戸別配布についてもしかり、ワイドショーやSNSでは、
エイプリルフールだの、税金の無駄遣いだのと、罵詈雑言の嵐でボロクソに叩いていたが、
アメリカのCDC(疾病管理センター)が、布製マスクは効果があると認めたら、
もうそのことに触れなくなっている。

さて、次なる標的は、なんになるのだろうか?
おそらく・・・ 「1世帯当たり30万円の現金支給」に関する支給条件だろう?

個人的には、国民1人当たりに無条件で10万円を支給する案を支持したいと思っている。
金融機関に予め配備しておいた申請用紙に、
マイナンバーと必要事項を記入することで支給することができれば、
役所での面倒な申請手続きが省けるので、クラスターリスクも回避できるし、
ロスタイムも少なくて済む。
さらに、3カ月程度の申請期間の猶予を設ければ、焦って金融機関に駆け込む人も少なくなるだろう。

支給対象者の条件も気になるが、それよりも申請手続きの混雑によって、
クラスターが発生するかもと思うと、可能であるならば、行政窓口で渋滞が想定される、
自己申告方式は避けた方が良いと思うがどうだろう。

こういった非常事態には、頭の良い人が知恵を絞って複雑な制度設計をするより、
単純明快な考えの方が理解を得やすく、人の心に強いメッセージとして届くんじゃなかろうか。

とはいうものの・・・ 無条件の支給にすれば、
収入が減らない、公金で生活している層(公務員・年金受給者・生活保護者など)は、
プラスアルファーの公金収入となり、
本当に必要な方々との差は、さらに広がるとの声が必ず出てくる。
ところが・・・ マスコミ(ワイドショー)は、このことについて触れることはない。

仮にそうなれば、SNSでボロクソに叩かれ、
年金受給者や生活保護者が、格好の餌食にされてしまうことも否めず、
マスコミ(ワイドショー)の対応は、明らかにダブルスタンダードであると云わざる得ない。

収入が大幅減となった人への生活支援と、フリーランスや中小企業への休業補償は、
雇用サイドと経営サイドへの別物の支援だと受け止められがちだが、
実のところは表裏一体で区別がつきにくく、
分けて考えることが困難で、混乱に混乱が相乗効果で一層の拍車がかかっている。

政府のつらいところは、収入減とならない年金受給者(お年寄り)に
「あなた方は対象外だよ。」と言いづらいことだろう。

よって、政府に提案したいのは、NHKを使って改めてより丁寧な説明を行い、
無作為に選ばれた庶民の代表と公開討議をしたらどうだろうか。
また、言質を取られないように、回りくどい喋り方をする政治家や官僚じゃなく、
その筋の専門家との討論会が良いと思う。

どんな対策だろうと、一定数の批判があると思えばそれまでだが、
それが自分の財布と関連が深いとなると、頭じゃ分かってるのに、納得する人は少ない。
うちの女房もそうだったから・・・

マスコミは子育て家族や、教育の現場、介護の現場が困惑してるという。
確かにその通りだと思う。
じゃぁ、緊急事態宣言でだされた「外出自粛の要請」は間違いなのか?
それについては、誰も間違いとは言わない。

回りくどくて申し訳ないが、悪いのはコロナウイルスであって、
我が国の政府や行政が悪いわけではない。

いや・・・ 正確に云おう。
悪いのは、ウイルスでも、感染を世界に蔓延させた中国人民でもない。
初期の段階で事の詳細を隠蔽したうえに、WHOを抱き込み、いまは責任回避に躍起になっている、
放火犯でありながら、消防士を面を被り「世界のオタスケマン」演じている
中国共産党指導部に他ならない。

悔しくて、残念だが・・・ 元凶は手の届かないところにある。
そう捉えるしかないのは辛いが、今はそれぞれで工夫しながら耐え凌ぐしかない。
気持ちは分かるが、対策の綻びを突けば突くほど、不安を助長することに気づかねばならない。

頭じゃ分かってるのに、何か言わなきゃ我慢できない人がたくさん居る。
人々が同じ方向を向いて頑張ろうという時に、
その結束を壊そうとする政治家、文化人、芸能人が情けないぐらい多い。

思いの丈をぶつけたら、事態が改善に向かい収束するするなら、いくら大声で吠えても構わない。
しかし、残念ながら、それはあり得ないし、
緊急経済対策だって冷静に振り返れば、
総理は「これが最後です。これっきりです。」って言ったわけでもない。

一つだけ残念だったのは、外国人ジャーナリストからの質問で、
対策が不調に終わった時の責任を問われた場面で、
総理は「自分が責任を取れば良いという問題ではない。」と言葉を濁したが、
あの場面では「政治生命をかけて取り組む。」と強い意思を表してほしかった。

竹光であっても、伝家の宝刀を抜いたんだから、
この発言は・・・ 不満を通り越して残念でならない。

諸外国からは、我が国の「緊急事態宣言」は手遅れだし、
強制力がなくて・・・ ぬる過ぎるといった声が上がっている。

ちょっとまってくれ!
民度が低い国には分からないだろうが、我が国には大震災の時に、世界が驚いた高い国民マインドと、
四方を海に囲まれた島国という、他国とは違った大きなアドバンテージがある。

よって、今日から一か月は・・・ つべこべ言わず「忍」の一字
冷静になれば分かることだが、けっして難しいことをやってくれと云われてるんじゃない。

耐えて見せようじゃないか。
凌ぎきって見せようじゃないか。
世界を「あっ!」と言わせようじゃないか。

ガンバロー! ニッポン


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