時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
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健康保険証がなくなるらしい。

2022年10月17日 | 時のつれづれ・神無月

多摩爺の「時のつれづれ(神無月の30)」
健康保険証がなくなるらしい。

先週の13日(木)だった。
既に2日ぐらい前から情報がリークされていたので、やっと発表したのかだったが、
2024年を目途にして、健康保険証をマイナンバーカードと一体化させ、
現行の健康保険証を廃止するという・・・ とっても大きな決断が下された。

左寄りの野党は、いままでポイント付与というアメを配っておきながら、
いきなり方向転換して、健康保険証を廃止というムチを打つのか・・・ との声を発していたが、
その他の野党は、セキュリティー対策が見えてないことと、性急すぎることを指摘して、
丁寧な説明が必要とする声が大半であって、表だって反対する声を発してはいない。

そりゃそうだろう・・・ 既にマイナンバーカードが、5~60%普及しているというのに、
未だかつて、20,000ポイントが付与された以外には、ほとんど役に立っておらず、
行政サービスのIT化に寄与しているとの実感はない。

そう捉えれば、マイナンバーカードを本格的に活用し、定着化させるために、
インパクトが強くて、効果がハッキリと見える、
ポイント付与の条件とした、健康保険証の紐付けから有効活用するのは必然であって、
医療システムの改革を切り口にして、さまざまな行政システムのIT化に、
いよいよ・・・ 本格的に着手したのではなかろうか?

住民票や印鑑証明書なんて、毎月必要なものじゃないので、カード取得の必要性を感じないが、
定期的に通っている、クリニックの医療システムであれば、
直接的な住民サービスではないものの、間接的には医療費控除などがあり住民サービスに繋がるし、
健康保険証は、紛失しないように収納場所を決めて、取り扱いに注意していることもあって、
タイミングを見て・・・ ここから着手するのは必然なんだと思う。

思い起こせば・・・ 1970年に「国民総背番号制」の議論から始まってから半世紀、
個人情報を行政に管理されることを、頑なに嫌がったが為に、
この国では、行政サービスのIT化が大きく遅れてしまい、
先進国であり、経済大国でありながら・・・ IT後進国になっている。

あくまでも個人的な思いだが、半世紀前に「国民総背番号制」が導入されていたら、
15年ぐらい前に起こった、消えた年金問題はなかったと思うし、
行政サービスのIT化も、もう少し進んでいただろう。

10万円が給付された、コロナの特別定額給付金だって、
ポイント付与の条件にされた、公金の受け取り口座が紐付けされていれば、
プッシュ方式で・・・ あっという間に入金されていたはずだし、
医療費控除の申告も不要となり、確定申告も簡略化されていたはずだ。

また、個人情報のことだけに注目が集まっているが、
健康保険証を、マイナンバーカードに紐付けることによって、
この国の医療システムが、大幅に改善されることに触れないで、ただ反対と言うだけであれば、
反対のための反対だと、言わざる得ないと思うが・・・ 如何なものだろうか?

マイナンバーをキーにして、市中のクリニックにあるカルテが、ネットワークで繋がれば、
掛かり付けのクリニックと、総合病院との連携が図られるし、
紹介状を書いてもらわなくても、カルテの最後に添え書きがあれば済むはずだ。

セカンドオピニオンとして活用するとしても、
事前のデータを参考にして、視点を変えて検査したり、もっと深掘りする場合にも役立つだろう。

さらに、医師の不正請求をチェックすることが容易になるし、
医師が毎月定期的に行う、診療報酬を請求する事務的な作業部分においても、
無駄が大きく軽減されるのみならず・・・ マイナンバーカードには、顔写真があることから、
なりすまし診療についても、容易に見破ることができるのではなかろうか?

さらにさらに、薬局でのチェックが追加されれば、無駄な投薬チェックが可能となり、
薬の飲み合わせの悪さも回避できるだろうし、
年寄りを薬漬けにして、薬をダブつかせることもなくなってくるだろう。
「お薬手帳」を持ち歩くことだって・・・ 必要なくなるのだ。

そう捉えれば・・・ 不都合なことは、
なに一つ見つからないと思うが、如何なものだろうか?

あくまでも個人的な思いであって、政府の回し者でも、幇間(たいこもち)でもないが、
健康保険証の廃止(マイナンバカードへの統合)については大賛成だし、
女房も、管理するカードが1枚でも減ることは・・・ ありがたいと言っていた。

デジタル化担当大臣は、就職・転職・退職の際、切り替える必要がなくなるので、
利便性が上がるとの説明をしたが・・・ 既にさまざまな方面から、懸念する声が上がっている。

街角のインタビューでは、マイナンバーカードの必要性を感じないと言う声があったが、
「なにを寝ぼけたことをいってるんだ。」と申し上げたい。

普及率が進んだから、やっと次のステップ(本格的なIT化)に進めるのであって、
いまから、必要性を感じることに着手するのである。
申し訳ないが、それぐらいの想像力もないのかと・・・ 情けなくなってくる。

また、なくしたときが怖いので、持ち歩きたくないといった懸念を口にする人もいた。
再発行に時間が掛かることは致し方ないことだが、24時間365日で電話対応するらしいし、
ICチップは、システムを繋ぐキーであって、
仮に紛失したとしても、そこに情報が入っているわけではない。

情報によれば、不正にアクセスをすれば、ICチップが壊れる仕組みになっているらしく、
カードの表面に記された、氏名・住所・生年月日・性別・番号が漏れるだろうが、
それは、健康保険証を無くしたときも、ほぼ同じであって、
マイナンバーカードに限ったことではないし、
さまざまアプリをインストールすることで、いまでも情報はけっこう漏れてる。

75歳以上の後期高齢者で、施設に入っている方々は、マイナンバーカードを施設に預けるのかと、
心配する声もあったが・・・ いまでも、施設に入所している後期高齢者の多くは、
親族が管理しない限り、健康保険証は施設に預けざる得なく・・・ いまとなにも変わらない。

とはいえ・・・ デジタル担当大臣の発表したことで、
霞ヶ関(厚労省)が、大混乱していることは、間違いないだろう。

厚労省は医師会を交えて、健康保険証とマイナンバーカードを一体化する議論をして、
様々な条件を提言していたが・・・ デジタル化担当の大臣から、
相談されることがないまま、ものの見事にハシゴを外されてしまった。

医師会のトップは、苦虫をかみつぶしたような顔で即刻会見すると、
嫌みっぽい口調で、注文をつけていたのを見ると、
彼らは、改善に着手することよりも、
身内の不満を治めることの方が最優先なのが、露骨に見えるから、まさに既得権の権化である。

2024年までに、あと2年あると捉えるか、2年しかないと捉えるかが、
きっと、それが今後の焦点になり、スケジュール化することになるのだろうが、
目標を決めないと・・・ やる気のない人たちは、いつまで経ってもやらないので、
期限を切ることは、けっして悪いことではないんじゃなかろうか?

この国に限らず、どこの国でもあることだが、改革や改善に取り組もうとすると、
必ずブレーキを踏む・・・ 獅子身中の虫が出てくる。
不思議なぐらい、一番近いところにいる身内のような者たちが・・・ 足を引っ張ってくる。

そして、彼らは「やりたくない。」とか、「できない。」とは言わないものの、
「あれはどうする。」とか、「これはどうする。」と重箱の隅を突いて妥協を拒み、
とどめは「政府が信用できない。」と・・・ 駄々っ子のような理由で、責任転嫁を図ってくる。

残念だが、他国では普通に即決できることが、
この国では、10年も、20年も・・・ かかってしまうのだ。
それで、良いんだろうか?

強引過ぎるかもしれないが、IT化の推進は待ったなしである。
突破力のある、デジタル化担当大臣の手腕に期待したいと願ってやまない。

なお、前もって触れることを怠ってしまったが、本件はあくまでも個人的な思いであって、
コメントをいただいても、勝手ながら議論するつもりはないので、
申し訳ないが、ご理解をいただきたい。


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