あさりチャーハン

多摩爺の「こりゃ美味い（その４１）」
あさりチャーハン　餃子みんみん（東京都武蔵野市）

朝メシ食ってると・・・　「吉祥寺まで買い物に行くけど、ついてくる？」と女房
「ついてくる？」との言い草は、あまりに上から目線で、少し「カチン。」ときたが、
帰りに晩メシの買い物するので、荷物を持ってくれと言いたかったことぐらいは、
なんとなく推測がつくので・・・　「えぇよ。」と返事をしたものの、主夫はこれからが忙しい。

女房は鏡と睨めっこで、白髪を１本ずつ摘まんでは切っていたが、
私は洗濯物を干して、掃除をしてだから、ホントに忙しい。
時計を見たら・・・　もう９時である。

ひと仕事済ませて、急いで着替えたら・・・　今度は来た服が「貧乏くさい。」とダメだし、
「貧乏くさいと言われても、いまさら金持ちにはなれないんだから仕方ないよ。」と言ったら、
箪笥からセーターを出してきて・・・　「キチンとしなきゃ。」と怒られてしまった。

別にキチンとしてないとは思わないが、リタイアして直ぐにコロナ禍だったこともあり、
すっかり「おうち大好き人間」になってしまい、見てくれを気にかけなくなったのも事実だから、
こういったときには・・・　着せ替えのマネキンの如く、
黙って従うのが一番で、「はいはい。」と言って着替えれば、波風は立たない。

９時３０分過ぎ、金魚の糞の如く、後をついて家を出ようとしたら、
パッと振り返ると「頭がインコになってるので、帽子を被って。」と新たな指示が出た。
寝癖があるってことだが、人の頭を見てインコとは・・・　腹の中はプンプンだが、
できることなら、靴を履く前にそう言ってほしかった。

吉祥寺に買い物行くだけなのに、運びやするだけなのに・・・　もう、朝から大変である。
そして１１時２０分・・・　買い物を済ませたら、
こんどは「お昼だから、駅近で美味しいお店を知らない？」と聞いてきた。

あなたの口に合うかどうか、その補償はできないけど、
「餃子とチャーハンが美味しくて、行列ができる町中華ならハモニカ横丁にあるよ。」と言うと、
じゃぁそこで・・・　と即決、買い物はチンタラしてるのに、メシの決断はなんと早いことか。
そんなこんなで、ちょっと男前な女房を、ハモニカ横丁へ案内することになった。

因みにハモニカ横町とは、ＪＲ吉祥寺駅の北口の目の前にある、細くて狭い路地の飲食店街で、
軒を連ねた飲食店の入り口が、ハーモニカのようで、ハモニカ横丁と呼ばれている。
とはいえ、その大半は夜のお店で、昼間は閑散としているんだが、
向かったお店「餃子みんみん」の前には・・・　なぜか、いつも行列が出来ている。

お店の開店は１１時３０分、着いたのは１１時２８分だったが、
すでに客が入っていて、空いてる席は二つしか残っていない。
さすが人気店だが、寒いところ外で待たずに入店できたのはラッキーだったと思う。

店内はカウンター６席、テーブル席は４人掛けが３テーブルだから・・・　満席で１８席だが、
コロナ禍故に余裕を持たせてあるのと、このシーズンは寒くて着ぶくれしてるので、
テーブル席に４人座るのは、ちょっと厳しいかもしれない。

店内は狭くて、トイレ（店の外にでて左に曲がった隣の店の奥の階段を上った中二階）はなく、
店員さんが、配膳にすれ違うのでさえ難儀に見えるが、
私たちが入店して満席になると、ものの数分もしないうちに行列ができるんだから、
さすが・・・　人気店である。

メニューは、基本的に餃子（持ち帰り用もある。）、チャーハン、ラーメンの３種類、
ラーメンには、醤油、塩、味噌に加えチャーシュー麺や、ワンタン麺など数種類あるが、
注文の多くは、ラーメンライスか、ラーメン餃子、チャーハン餃子の３品に集中している。

なかでも逸品なのが・・・　餃子と「あさりチャーハン」で、
お客さんの、半数以上が注文しているようにみえた。

もちろん、「あさりチャーハン」と餃子を注文したかったが、
カウンター席が狭かったのと、隣に座ってたオッチャン（私より少し年上にみえた）が、
迷惑なぐらい足を広げて座っていたので狭くて、チャーハンだけにして餃子はテイクアウト

隣のオッチャンには、ちょっとムカついたが、
私たちより先に座っていたし、もし揉めたらメシが不味くなるので、なにも言わなかったが、
お互い様ができない我が儘な老人は、どこにでも居るんだなと思うと、
自分も老害にならぬよう・・・　改めてに気をつけねばと思った。

食レポをすると・・・　チャーハンが出てきたときは、八角形のお皿が小さいなと思ったが、
どっこい、これがけっこうなボリュームで、
私には適量だったが、女房は１／３ぐらい残してしまうんだから、やっぱり多かったのだろう。

それにしても、健康のために、もう少し痩せなきゃいけないのに、
残り物には福があるとはいうものの、
その福が脂肪となって、お腹にぶら下がるんだから、堪ったもんじゃない。

炒め具合は、パラパラより、ややしっとりで、蓮華で救っても崩れない程度の良いあんばい、
味の方は、口に入れた途端に「濃いな！」感じるぐらいだから、
塩分は、かなり濃いめといっていいだろう。

駅前なので、ガテン系の方々が多いとも思えないことから、
若者の町で、若者が好む味付けが・・・　これっていうことなのかもしれない。
因みに女房には・・・　この味はすこしキツかったようだが、私的には大満足であった。

メインとなる「あさり」は、たっぷり入っていて、その他の具材はやや少なめで、
チャーシュー入りのチャーハンとはちょっと違ったジューシー感があり、
豚肉とは違った、貝類特有の食感もさることながら、
口の中にジュワーと広がってくる旨みが、なんともいえないぐらい美味い。

テイクアウトした餃子は、晩メシの食卓に上がったが・・・　これがまた美味い。
カウンターに座ってチャーハン食べてる目の前で、次から次へと作られていく餃子が丸見えで、
大きめの皮に、餡をたっぷり包み、形を整える手元がメッチャ手際よくて、
見ていて飽きが来ないんだから・・・　これぞ、職人技なんだろう。

５個入りで１パックの餃子なんで、２パック買おうかなと思ったが、
大きく見えたので１パックだけにしたんだが・・・　これが大正解だった。
年寄り夫婦の胃袋には、１パックで十分すぎるほどのボリュームといって良いだろう。

晩メシの後、ネット調べてみたら、
食べログの「餃子１００名店」の店になってるんだから・・・　改めて納得であった。
チャーハンもさることながら・・・　この店のイチオシは、やっぱり餃子なんだと思う。

アンケートを取れば、常に住みたい町の上位に来る吉祥寺の駅前にあって、
お店のあるハモニカ横丁は、けっしてオシャレとは言えないどころか、
そこかしこに昭和感が、プンプンと匂ってくる、とってもディープな飲食店街である。

さらに、お店に至るまでも、店内も、小さくて、狭くて・・・　窮屈だが、
人って不思議なもんで、美味い店は探してでもやってくる。
「餃子のみんみん」って・・・　まさに、そんな店かもしれない。


一番人気の餃子はお持ち帰りにして、ランチでいただいたのは「あさりチャーハン（７９０円）」
やや小ぶりのお皿だが、意外や意外けっこうな量があって・・・　とっても美味しい。

ＪＲ吉祥寺駅北口を出たら目の前にあるのが、細い路地に飲食店が軒を連ねるハモニカ横丁がある。
大げさに言えば・・・　改札口から徒歩２分といったとこだろうか？
多くの店舗が夜の営業のなか、開店と同時に行列ができる超人気店が「みんみん」である。