時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

一生に一度しかない18歳の夏

2020年05月21日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の11)」
一生に一度しかない18歳の夏

大変に残念だが、昨日(5月20日)行われた、日本高等学校野球連盟の運営会議及び理事会で、
全国高等学校野球選手権大会の全国大会(夏の甲子園)と、
49代表校を選ぶ・・・ 地方大会の中止が決定された。

日本高等学校野球連盟の会長は、次のように中止に至った経緯を説明した。

 3年生にとっては高校最後となる夏の選手権大会、何とか実現したいと感染状況を注視してきた。
 緊急事態宣言が延長され、感染者数の少ない県でも休校や部活動停止の期間が長くなっており、
 地方大会、全国大会ともに影響が深刻になることが明らかになってきた。
 39県で緊急事態宣言は解除されたが、学校や部活動の再開の見通しに変わりはなく、
 このタイミングでの決断に
なった。

5月14日、39県では緊急事態宣言が解除されたものの、
未だに休校や部活動を停止している学校もある。
テレビでは、地方の強豪校を取材し、監督から野球部員に対して事の顛末を伝え、
同苦する様子が放映されていた。

悔し涙を流す野球部員の姿は痛ましく、
立派に受け答えする光景は、可愛そうで見るに堪えなかったが、
一方で、この決定を・・・ 3カ月近くの休校(部活動の停止)で、グラウンドに立つことが出来ず、
自宅のテレビを見て、人知れず涙を流した野球部員が数多くいたことも忘れてはならない。

私自身も球児だった高校時代、甲子園は大きな目標ではあったが、
そのチケットを手に入れるのは極めて困難で、
ほとんどの球児と同様に、甲子園の土には縁がなく・・・ 地方球場で燃え尽きていた。

試合に負け整列が終わり、応援してくれたスタンドへ感謝の意を伝えると、
なぜか不思議に涙がこみ上げてきた。

さらに片づけた用具を肩に担ぎ、重い足を引きづり球場の外にでると、
つい先ほどまで鬼だった監督が、仏の笑顔でねぎらうもんだから、そこでまた涙がでてしまう。
そんな思い出すら作ることができず、
2020年度の3年生は、母校で、自宅で涙を流したことだろう。

一生に一度しかない18歳の夏
失敗を怖がることなく、直向きにプレーを続ける球児たちを見たかったが、
プレーボールのコールを聞く前に、ゲームセットのコールが発せられてしまった。

大きな声を出し、グラウンドの整備と、用具の手入れから始まった高校野球
土埃と汗にまみれ、涙しながら白球を追い続け、
薄暗い灯りの下で黙々とバットを振り続けた2年と4カ月

かけがえのない経験を、ともに積み重ねた、仲間たちとの絆を糧に、
次のステージでの活躍に期待したい。

ありきたりで、なんの素っ気もなく申し訳ないが・・・ ガンバレ!
沖縄県の高校野球指導者たちが「心の甲子園」と題して歌う、
栄冠は君に輝く」がYouTubeにあるので見て欲しい。

ところどころで音程が外れ、けっして上手ではないが・・・ 心に沁みる。

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