べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

レモネードを売って経済学を学ぼう|ひとの仕組みが「信用」を産む

2017年03月28日 | 社会
レモンをお金にかえる法」ルイズ・アームストロング (著)、姪っ子ちゃんへのプレゼント。絵本です。経済学入門の絵本です


序文から引用します

>レモネードの売店から、一歩もはなれずに、ルイズ・アームストロングは読者を、あっというまに経済学の世界に巻きこんでしまいます。レモンと砂糖と水を原料としてレモネードという製品をつくることにはじまり、市場価格、初期投資、資本貸付けから、さらには労働がわの不満に発する経営のつまずき、すなわちストライキ、ボイコットから交渉、調停へとすすみ、競争、価格戦争、利益の減少にまでいたります。さいごに、ヒロインの若い企業家は、合併をなしとげ、資産を流動化してから、すてきなバカンスをたのしみます。ルイズ・アームストロングのこっけいなようで的確なテキストと、ビル・バッソの痛快きわまる絵のドッキングに笑いころげているうちに、読者は経済学と私企業の重要な課題を学びとれるというしかけです。さあ、たのしい“べんきょう”の、はじまり、はじまり。(ここまで引用)


初版は1982年。日本ではバブル前夜ですね。子どもたちにおカネの話をするなんて汚いことだという雰囲気がまだ強かった。経済とはお金もうけの話だと思われていたからです。バブルが始まりそしてはじけると、今度は他人より上手く生きていく手段として経済が語られるようになります。「金持ち父さん 貧乏父さん」がベストセラーになった頃です。ボクはなにかモヤモヤしてなりませんでした

おカネのことを学ぶのは汚いことではありません。でも、「金持ち父さん」そのものが目的になるのかなあってね(書籍の主張はそこだと思いませんでしたが、そんな売れ方だった気はします)

そして21世紀。リーマンショックもありました。もう一度「レモンをお金にかえる法」読んでみました

子ども"も"読めるように書かれた経済学入門です。経済における企業の役割がホント明快です。企業の経済活動は何を目指して行われているのかがよくわかります。わたしたちが日々の売り上げや仕事上の人間関係につい見失いがちな本質が掴(つか)めますよ。高校生大学生や社会人にもぜひ読んで欲しい。オススメです。国の経済政策は続刊になります


引用をもう少し続けましょう

>そのうち 夏がおわって、もう だれも レモネードをほしがらない季節になれば、きみは 資産を流動化しないといけない。

資産というのは、まず きみのかせいだ利益、そのほか、あまったレモンや さとう、それに ジューサーや コップや お店そのものなんかを ぜんぶ ひっくるめたものさ。

流動化というのは、こうしたものを 売って お金にかえることだ。
そうそう、きみは かりたお金を かえさないと いけないね。それで まだ、お金が のこっていたら、きみは 企業家として 成功したんだよ。

きみの てもとには、すきなことにつかえる資金が のこっている。

それに きみは、信用というものを てにいれたんだ。だから、こんどまた 資金をかりたいときには、いつだって かりられるに ちがいない。(ここまで引用)


国際社会や国や企業がつくった仕組みとその行動が「信用」を創造し資金をより流動化させ、新たな資金を生みます。わたしたちが普段使っている倫理的に望ましい信用という考えが、法や政策や契約というカタチになることで経済的にも強いチカラを持ちます。倫理的な信用はあなたとわたしのように二者間だけで成り立ちますが、仕組みとして整えられた「信用」は第三者に対しても広く成り立つからです。巨大な流れから生まれる利益は巨大です。もし全世界に対して成り立つ仕組みを整えたなら、それは全世界を流動化します。これが経済学の「信用」です。ひとが創造し協調し整えていかなければ決して産まれなかったチカラです

このチカラは、利益を生み同時にひとびとが助け合う行動をも促(うなが)します。富を奪うために戦争なんかしていては、戦争が終わるたびに仕組みをつくり直さなきゃなりません。国家間の大きな戦争は避けられるようになります。戦争の火種も小さくしようと多大な労苦を払ってでも協調します。それは、個人で(国家で)富を抱え込むよりもっと巨大な利益が得(え)られるからです

このチカラはひとが創り出す仕組みですから、ひとが完全にコントロールできるかに感じますよね。でも、どんな権力をもってしてもそれができた試しはありません。たとえば、かつての共産圏の計画経済や現代の中国。最初は目覚しい成果を上げますが、10年も越えればほころびが破綻へと変わります。大きな組織では統計上それを誤魔化し破綻していないように見せかけることは可能ですが、経済的な信用を失い株価や通貨安にはハッキリと現れてしまいます

群れとしてのヒトは本能に強くしばられています。こうあらねばという理想は、流れにそった実現をさせなければ一時的なチカラにしかなりません。だから、経済の流れをまず学びましょ。水は高いところから低いところへ流れる。そんな"当たり前"を無視して洪水は防げない。経済学は、治水と同じく流れを知り利用するものです

おカネの流れを学び利用するのが経済学という学問です。もうけを得るのはその一部でしかありませんよ(藤田)


経済の考え方がわかる本 (岩波ジュニア新書) 」(新井 明・著)


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ウィキペディア「信用創造」より引用

>信用創造(しんようそうぞう、英: Credit creation)とは、銀行が初めに受入れた預金 (本源的預金) の貸し付けによってマネーサプライ(通貨供給量)を創造できる仕組みを表す。簡易には準備預金制度のもとで、銀行のみが有する「貨幣を生み出す」機能を指し、創造される信用貨幣の量は準備預金制度に依存する。銀行が貨幣経済において果たしている重要な機能のひとつ。預金創造とも呼ばれる。


コトバンク「信用」より引用

世界大百科事典 第2版の解説
しんよう【信用 credit】

>ここにいう信用とは倫理的徳目のことではなく,経済学の対象としての社会的関係であり,契約・取引と決済との時間的乖離(かいり)にもとづく債権債務関係を基盤に発生するもので,当事者の信頼を前提にするためこれを信用という。信用は実物信用と貨幣信用に大別される。奈良時代の出挙(すいこ)のような米穀等を内容とするものを実物信用というが,現在ではこれは例外的で,圧倒的大部分は貨幣ないし貨幣類似の購買力をもつものの貸借を内容とする貨幣信用である。


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