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銀葉アカシア

2019-03-14 11:16:32 | フラワー・園芸

銀葉アカシア

福岡県直方市福智山ろく花公園にて

(以下、表記のないものすべて同場所にて撮影)

 

冬が終わり、春の訪れる3月。

公園の植え込みや庭木に、びっしりと咲いた黄色の小花を見ることがある。

ヤマブキだったり、オウバイだったり、レンギョウだったりするが、

丸くてふわふわした小粒の花が鈴なりに咲き、

葉っぱが少し灰色を帯びたくすんだグリーンで、鳥の羽のような形だったら、たぶんこれ。

銀葉アカシア(ミモザ/ミモザアカシア)“Acacia bayleyana

ちなみに、銀葉は“ギンヨウ”と読む。

しばらく間違って、“ギンバ”って読んでいた・・・。

 

 

 

オーストラリア原産、マメ科の常緑高木。

日本へは明治時代に入って来た。

一般的に“ミモザ”と呼ばれいて、正式名称で呼ばれることは少ない。

園芸店や花屋でも、平気でミモザという名で販売されている。

ミモザとは、オジギソウの学名であり、同じネムノキ科の植物で姿も似ているけれど混同は避けたい。

誤用しているのは日本だけかと思ったら、ヨーロッパあたりでも これをミモザと呼んでいる。

 

 

花のアップ。

花びらの先端のつぶつぶ(雄しべ?)が散るので、切り花を部屋に飾る際には注意。

 

ちなみに、銀葉“アカシア”は誤用ではないのだが、かつて違う植物をアカシアと呼んでいたらしく、

そのときアカシアと呼んでいた植物を、今は“ニセアカシア”と呼んでいるという。

昔の歌謡曲のなかで歌われていたようで、その世代の方は、

今でもそのニセアカシアを本当のアカシアだと思っておられるようだ。

ハチミツの瓶などに描かれている花もニセアカシア。

植物の名前はややこしい。

 

 

セイタカアワダチソウになんとなく似ているので、花粉症の方のなかには、見るとつらくなる人も居られるかも?

 

福岡では2月頃からつぼみが膨らみ始める。

今年は暖冬の影響か、1月下旬にはつぼみが確認できた。

梅がぼちぼち終わる頃からだんだんと咲き始め、3月に入るといっせいに花開き、

まぶしいくらいに黄色の花をたわわに咲かせる。

ただ、元来寒さに弱いらしく、地植えでこの時期に花を見られるのは九州だけかもしれない。

2月3月に本州から東で見る黄色い小花のアカシアは、

よく似た別種、フサアカシアAcacia dealbata”の可能性がある。

フサアカシアは、銀葉アカシアと比べ樹高も高くて枝ぶりも大きく、

葉色がくすんでいないので区別がつく。

葉の黄色の濃さ、葉っぱや枝の密度は銀葉アカシアの方が高い。

 

 

銀葉アカシアの葉っぱ

 

ミモザと聞いて、花の香りを連想する人もいるかもしれない。

香水や紅茶の香り付けに使用されており、ドライフラワーのリースなんかも人気だ。

だが、香りがあるのはフサアカシアの方で、残念ながら銀葉アカシアには香りがない。

前述したとおり、単に“ミモザ”という名で販売されていることも多いため、

もし、香り目的で苗木や切り花を購入するときには、

フサアカシアなのか銀葉アカシアなのか、自身で見極めて買う必要がある。

 

 

銀葉アカシアのつぼみ

 

園芸店やホームセンターで販売されているものは、

寒さに強く、比較的低木の銀葉アカシアであることが多いので注意が必要。

切り花は、直に匂いを嗅いでみればいいので、見極めは簡単だろう。

葉っぱの形や色が明らかに異なるので別種だと見極めるのは容易だが、

パールアカシアや、三角葉アカシアなど、銀葉アカシアやフサアカシア以外の近縁種もよく見かける。

香りを重視せず、見た目を楽しむだけならば、好きな花姿のものを選べばいい。

 

 

 

花持ちはよろしくないので、切り花の場合は飾る場所に注意が必要。

花がくすんできて散り始めると、小さな粉(雄しべ?)がびっしりと落ちる。

水の吸い上げもあまりよくないようで、葉っぱもすぐにカラカラになってしまう。

その際は、葉っぱも一枚いちまい、バラバラと散らかることも。

花が散ってしまう前に、さっさとドライフラワーにして、

リースやハーバリウムの材料にするのがいいのかもしれない。

 

 

 

樹形は高さ大きさの割にヒョロヒョロとしているので、

びっしりと咲いた花の重みだろうか、よく垂れさがっている。

いびつに枝別れして、その先端に黄色の花が咲き誇り見応えじゅうぶん。

梅が終わり、モモ,サクラが開花するまでの間のこの時期、

ボケコブシとともに、庭を明るくしてくれる。

地域差があるだろうが、銀葉アカシアもしくはフサアカシアが楽しめる、3月4月。

かわいらしいうえに元気なイメージの花と、見た目さわやかなイメージの葉っぱ、

フサアカシアの場合は、ほんのりと甘い香りも添えられて、心地よくなること間違いなし。

街中で見かけたら、つい立ち止って見上げてしまう。

これが咲き始めると、だんだんと暖かくなってくる。

 

以下は銀葉アカシアギャラリー。

 

 

福岡市東区かしいかえんにて

 

 

福岡市東区かしいかえんにて

庭木にするには躊躇するほど大木になる。

 

 

以下は銀葉アカシアによく似た、フサアカシアギャラリー。

アップで撮っている写真があれば、判りやすい比較ができたのだけど、遠巻きに撮った写真しかなかった・・・。

葉っぱの形状で、なんとなーく違いが判るかな?

 

 

広島県呉市音戸 高烏台公園にて

訪れたのが二月下旬で、まだつぼみだった。

 

 

広島県呉市豊島 親水公園にて

こちらは三月下旬、終わりかけだった。

 

 

広島県呉市豊島 親水公園にて

 

 

広島県呉市豊島 親水公園にて

 

広島県呉市豊島 親水公園にて

フサアカシアの方が、銀葉アカシアよりも大木になることが判る。

 

ドラゴンクエストⅩ、いつぞやの春イベントで、

銀葉アカシアのドライフラワーが吊るされた家具が販売された。

アップにして葉っぱを確認してみたが、フサアカシアでなく銀葉アカシアだった。

上にティーカップやハチミツが乗っかっているが、このドライフラワーが紅茶目的だとしたらダウトだ。

 

ハチミツのパッケージに描かれている花はニセアカシア。

こちらの方がよりマメっぽい花。

 

銀葉アカシア

福岡県直方市福智山ろく花公園にて。

 



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