よろず戯言

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脳内ポイズンベリー

2015-06-26 00:52:18 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

真木よう子 主演のコメディ、“脳内ポイズンベリー”だ。

原作は水城せとな氏の同タイトルの少女漫画。

キャッチコピーは、“恋する?恋しない?ただいま脳内会議中!”。

 

 

予告編も何も観ずに、チラシのみで純粋に観たいと思ったこの作品。

このチラシの真木よう子の表情!

このなんともいえない表情だけでもう、観たくなってしまった。

タイトルや雰囲気からも察することができるが、原作は少女漫画。

だが、この脳内会議という設定の面白さ、そしてその会議の面々の個性的な俳優陣。

こないだビリギャルで知ったばかりの、演技派女優の吉田羊

妖怪大戦争のときの少年が、こんな青年に!?とびっくらこいた、神木隆之介

三谷映画の常連脇役、ひょうひょうとした曲者キャラの、浅野忠之

そしてなによりも、この真木よう子のなんともいえない顔!

これまでクールな役ばかりだった彼女が、今回初めてこのような役を演じたのだとか。

これは観ないわけにはいかない!

 

 
 
恋に極端に奥手になっている、アラサー女子のいちこ(真木よう子)。

仕事関係での飲み会の席で出会った、年下のフリーター男子に一目惚れ。

そしてその彼に駅でばったりと会う。

偶然の再会!

運命の再会!!

話かけようか話かけまいか・・・。

迷ってこんがらがって、おどおどするいちこ。

そのとき彼女の頭のなかでは---。

 

 

理性を司る議長の吉田(西島秀俊)、

ポジティブを司る、明るく能天気な石橋(神木隆之介)、

ネガティブを司る、陰気でヒステリックな池田(吉田羊)、

衝動を司る、無邪気な少女ハトコ(桜田ひより)、

記憶を司る、寡黙な老人、岸(浅野和之)。

それぞれいちこの脳内感情を司るメンバー達が会議の真っ最中!

 


 
「脈あるって!大丈夫だって!!」

声をかけようと皆に呼びかけるポジティブ石橋。

「早乙女、好きーーー!」

それに呼応して、大声で賛成する衝動ハトコ。

それとは逆に過去の失恋経験から、絶対にうまくいくわけないと猛反対する、ネガティブ池田。

冷静に考えて、ここは慎重にいくべきと反対の姿勢を見せる、理性吉田。

あーだこーだと脳内会議でなかなか話がまとまらないなか、

現実のいちこは、勇気を出して声をかける。

 

 

いちこの一目惚れした年下の男子、早乙女(古川雄輝)。

おぼつかない会話から、脈絡のない展開になり、

脳内会議室も混乱を極める。

そんななか、気付けばいちこは早乙女とベッドイン。

脳内会議室が何者かに占拠されたから・・・?

 

 

いちこの勘違いや、とり越し苦労、早乙女の元カノの登場など、

ひと波乱、ふた波乱あり、めでたく早乙女と交際すうことになった!!

一件落着と思われた、今回の恋だったが、

なぜか、会議室ではざわつきが収まらない。

いちこの過去の失恋のショックがまた蘇る。

 

 
いちこが早乙女と交際して間もなく、

出版社の編集部担当者の、越智(成河:そんは)が、彼女に告白してくる。

越智は熱心で誠実な年上男子。

いちこの心情を察してサポートしてくれ、このうえなく頼れる存在。

だが、早乙女にぞっこんないちこは、越智にときめくことなく、

ただの“いいひと”止まりで、彼の告白もプロポーズも蹴ってしまう。

 

 

早乙女は美大出身のアーティスト志望のフリーター。

魅力的だが、ときに何を考えているか解らない不思議な青年。

いちこは携帯小説が出版され、それがベストセラーとなり、

映画化まで決定し、今や売れっ子作家に・・・・。

仕事は充実しているが、成功しない彼に何かと気遣ってしまう毎日。

ちょうどその頃、脳内会議室では異変が起きていた・・・。

 

早乙女との関係を保つため、これまで自分の感情を殺してきた いちこ。

だが、彼女の心は限界に達していた。

脳内会議室も、その影響で未だかつてない危機的状況に陥った!

このままでは・・・自分が・・いちこが壊れてしまう!

議長のくせに優柔不断で「風見鳥」と揶揄されていた議長の吉田が決断する!

他のメンバーも異議せず、初めて脳内メンバー全会一致で、いちこが決断したこととは・・・!?

 

 

なかなか面白かった。

現実パートと、脳内会議パートの二つのパートが交互に繰り広げられる。

同時進行でなされる場面もあり、会議の混乱と、いちこの混乱がシンクロしていて、

観ていてすごく面白い。

会議メンバーの誰かが突っ走ると、それに合わせて、

現実のいちこも突飛な発言をしたり、大胆な行動に出たりしてしまう。

人の思考を擬人化して会議させるという、原作者のこの発想は本当面白い。

 

現実パートでは優柔不断ないちこに、じれったくなる。

いちこを囲む、早乙女と越智、タイプの異なる二人の男性、

現実的に考えれば、アラサー女子で選択するならば、間違いなく後者なのだが、

いちこは早乙女を選んでしまう。

そうして苦しく辛い思いをするいちこに、またじれったくなる。

だがいちこの選択は現実離れしているようで、実はリアルなのかもしれない。

 
早乙女役の古川雄輝

初めて観る・・・と言いたいが、実はロボジーに端役で出演していた。

すぐにピンときた、吉高由里子とちょっといい関係?だった、

大学のロボットおたくの集まるラボで、ひとりクールにふるまっていた少年役だったひとだ!

ちょっと不思議で危険な雰囲気の漂う早乙女役を見事に演じていた。

 
対する越智役に、舞台俳優の成河(そんは)。

これまで舞台がメインで、まだテレビやスクリーンではそれほど馴染みのない俳優さん。

自分も今回初めて知った俳優さんだ。

不器用で真面目でとにかく“いいひと”キャラの越智を、

これまた面白いくらい真面目に演じていた。

傍から見れば、滑稽に映るよう、クソ真面目に演じたのだとか。

 

 

 

理性・吉田役の西島秀俊、知っている俳優さんではあるが演技を観たのは初めて。

なんでも、こういう優柔不断で情けない役は初めてらしい。

真木よう子と同じく、それぞれこれまでのイメージとは真逆の役どころで注目されていた。

 
ポジティブ・石橋役の神木隆之介、大人になってから(まだ子供だっけ?)の演技は初めて観た。

昨年公開された、実写版のるろうに剣心で、宗次郎役に大抜擢されていたのは知っていたが、

自分はこれを観ていない。

石橋を演じたこの雰囲気なら、宗次郎役はぴったりだったんだろうな。

 

 

ネガティブ・池田の吉田羊と記憶・岸の浅野和之はさすがの演技。

おそらく脳内メンバーで一番台詞が多かったであろう、ネガティブ池田。

吉田羊が吉田(役名だけど紛らわしいな・・・)や石橋に詰め寄り、

たたみかけるように怒鳴り叫ぶシーンが連続する。

台詞のみならず、その動きも凄い。

ビリギャルで初めて知ったと書いたが、実は魔女の宅急便にも出演していたと知る。

ああ・・・クリーニング屋のおばちゃん役だな!

そして浅野さんは、相変わらずひょうひょうとして、いい味を出していた。

ザ・マジックアワーのデラ富樫や、ALWAYS続・三丁目の夕日の詐欺師役など、

クセのあるキャラやらせたらハマる。

 

 
衝動・ハトコ役の桜田ひより

初めて観る子役の子だったが、なかなかキュートでいい味出していた。

幼少の頃から、テレビドラマなどで活躍していた子らしい。

ゴスロリ衣装で、ブリブリなああいう役柄だったので、なんとも言えないけれど、

ふつうの演技も観てみたい。

しかし、この芸名・・・有名なピンク系女優が合わさってるんですけど・・・。

両名ともお世話になりました。

 

公開から早くも二ヶ月経とうとしているが、

回数が減ったとはいえ、まだまだ上映中の劇場が多いようなので、

原作のファンはもちろん、興味のある方は観るべし。

真木よう子のあの、目をくりくりした乙女顔はたまりません。


 


 


 

 



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