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元店長風流記

元店長の風流日記。

『吉田豪のセメント!!スーパースター列伝パート1』

2014年03月09日 | 読書
 ★の数で本の評価(あくまで自分の好みを基準としてだが)をしているわけだけれど、ここ半年の内、初めて読んだ本の中で評価★★★★★以上だったものは実は1冊しかない。『商店街再生の罠 売りたいモノから、顧客がしたいコトへ』がそれ。それ以外の本は、初めて読んだ本ではない。読んで面白かったことがわかっている上で、もう一回読み返して評価しているのだ。つまりはそれだけ面白い本とは出会わないということ。評価★×6なんて1年に1冊読めるかどうかといったところだろう。それぐらいのハードルでやっているので、ぜひぜひ読んでほしいと思う。年に数冊しか本を読まない人が、つまらない本を読んでいてはますます本を読まなくなる、好きになれなくなる。それは残念以外の何物でもない。

 『吉田豪のセメント!!スーパースター列伝パート1』を読む。編著・吉田豪。発行・エンターブレイン。2006年4月初版。ISBN4-7577-2774-7。本体1800円+税。ソフトカバー。
 最近はテレビでも見かけることのある吉田豪のプロレス関係インタビュー本。『紙のプロレスRADICAL』誌上で掲載されたインタビューを再録構成(一部、加筆修正)したもの。
 ストロング小林(タレント活動もした元プロレスラー)…力道山の逆三角形に憧れてレスラーになった。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の落とし穴に落ちる企画で怪我をして走れなくなってしまった。阿修羅原(元ラグビー日本代表にして元プロレスラー)…国際プロレスではアニマル浜口さんの姿勢(取り組み方)は盗みたかった。全女の長与千種たちにまで奢っていた。康芳夫(奇才プロデューサー)…モハメド・アリを日本に呼んだ男。実現こそしなかったが、ウガンダのアミン大統領(独裁者)とアントニオ猪木が闘うという、とんでもないビッグプランを仕掛けた男。倉持隆夫(プロレス実況アナウンサー)…僕と古館伊知郎は違う、古館はフィニッシュの技まで知っていた(試合の台本を知っていた)。サムソン・クツワダ(大相撲出身の元プロレスラー)…銀座中毒、稼いだ金を全部使って遊んだ。ガチンコ(極めっこ)で上田馬之助さんは強かった。マシオ駒(全日本プロレスの外国人選手の招聘、若手の育成担当)は素晴らしい男だった。猪木快守(アントニオ猪木の実兄よしもり)…弟アントニオ猪木は小さい頃から「石油王になる!」なんて言っていたから、これはもうスケールが違う。イーデス・ハンソン(マルチタレントにして有名なプロレスファン)…流血試合は嫌い。リングサイドからレスラーが自分で切っているのが見える。田中健一(初代修斗ライト級チャンピオン)…佐山代表はやっぱり天才。小川宏(元全日本女子プロレス取締役企画広報部長)…全女に比べたら借金も子どもみたいなもの。プロレス団体経営で税金の滞納なんて基本ですよ。マジで仲の悪い豊田真奈美VS伊藤薫が楽しみ。田代まさし(プロレス・格闘技大好きの元タレント)…山本晋也監督は日大の応援団の団長で後輩の沢村忠(のちのキックの鬼)にヤキを入れたこともある、喧嘩も強いとの伝説が。やしきたかじんも喧嘩は強い、7人相手にボコボコにしたという。
 プロレスの裏話は夢が広がるというか、幻想が深まる。評価★★★★。プロレス界の貴重な記録。

 本の感想を書くって結構時間がかかる。内容をまとめるのが手間。でもこれを書くことによって本の中身が一層頭に入るし、残る。読み返す必要性が減るのだ。