言葉のない絵本『階段』ができるまで1
2023年にギャラリーとコレクターの方々からお話を頂き、求龍堂から画集を出版することが決まった。
作品に全て物語性があることからいろんなシーンを集めたビジュアルブック的な感じで構成することになった。
今まで制作してきた作品は絵画もプロジェクトにもほぼ全ての作品に言葉と絵の組み合わせの構成で作品を制作してきた。
いつも絵画の中にいるのは少女。少女を中心に狼、鹿、カラス、ロウソクや袋など、なまざまなアイテムの組み合わせと
少女の声を画面に入れていた。
画集で進んでいたが、アートに興味のある人達以外の人たちにも観てもらうきっかけを作りたいということになり、
物語性のある作品を活かしながら画集から絵本へと変更することになった。
少女を主軸にストーリーのある絵本作りをした。
壁画制作と合わせての原画制作だったので思考や感情もかなり入った内容だった。
編集者やギャラリストと話し合いながら絵本制作を進めていった。
今の社会に何を投じていきたいのか、見えない過去や現代、未来思考、様々な構造の中に共有と自我が混沌と混ざり合い
複雑さが現れてきた。
小さく急速に変化していく時代、新たな価値観、関係性や共有の変化、突然訪れる災害、世界のリスクなど、
この変わり目の時代に、どう表現に取り入れながら意味を持たせていくかを考えていた。
絵本という媒体で物語の構成や特にエンディングがはなかなか納得いくものできなかった。
どうしてもエンディングが希望や明るい未来を感じさせないといけないという感じになっていた。
*言葉のない階段絵本ができるまで2に続く

當代藝術館MOCA 台湾 2010年 150号 アクリル/キャンバス

心の中の少女は次々に生まれて死んでいく 2012年 200号 アクリル/キャンバス

この世のこの夜 Wada Fin Arts 2022年 銀座金春通りをテーマに滞在制作

Signs of memory Pink Window Project Berlin 2004