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倉前盛通『悪の論理』

2005年03月05日 21時40分06秒 | 読んだ本
倉前盛通氏の『悪の論理-地政学とは何か』を読みました。

落合信彦氏の本を読んだら、国際政治に興味を持ったので、家にあった『悪の理論』を読みました。

約300ページ弱の本で、第一時大戦後から1980年頃までの近代史を一気に学べる良い本だと思います。

この本では、地政学を
1)母国を主要素とする国際経営の理論
2)国家の望むものを獲得するための行動原理
3)世界的勢力を確保すための活動の科学
と定義しています。

僕がこの本を読んで思ったのは、地政学とは地理的特長によって、その国の外交戦略(とくに軍事)を決める理論かなぁと思いました。

この本では世界の国々を大きく2つに分類しています。

1)大陸国家
陸軍が発達。ソ連、中国、ドイツなど

2)海洋国家
海軍が発達。日本、イギリス。そしてイギリスの影響を受けているアメリカも海洋国家になります。

一つの国が、2つの性格を両立しえないそうです。

第二次大戦の日本の敗因は、海洋国家の日本が、大陸国家のドイツの地政学に影響をうけ、陸軍を増強し、中国内部に進軍したためだと説明されています。

第一次大戦後の世界は、それぞれの国が、自国の地政学に従い、資源(領土、領海、石油など)を奪い合う、戦いの歴史であったことが書かれています。

あくまで倉前氏の説だと思いますが、僕にとっては、各地に起きた紛争を理解するのに役立ちました。

学校の授業では、駆け足で済まされてしまう近代史を勉強しなおすのには最適な本だと思います。

歴史の授業で時間をかけて勉強する古代史より、現在の私たちの社会生活に繋がっている、近代史こそ、しっかり学ぶべきだと思います。

『二人の首領』が読みたくなりました。

『悪の論理』はアマゾンマーケットプレイスで1,500円で取引されているので、ご自宅に眠っている方は、出品してみることをお勧めします。

その他のブログも見る。

第七の巻物を読んだ回数 3回
ジョギング 30分

落合信彦『アメリカよ!あめりかよ!』

2005年02月25日 18時33分20秒 | 読んだ本
落合信彦氏の『アメリカよ!あめりかよ!』を読みました。

面白かったです。一気に読めました。

落合氏のアメリカ留学から、石油マンを経て、ジャーナリストになるまでが書かれています。

落合氏の破天荒な学生生活や、落合氏の父親を含めて、彼を取り巻く人達もとても可笑しく、魅力的です。

60年代のアメリカの時代背景も良く分かります。

彼がジャーナリストになった後に、ジョン・F・ケネディの暗殺を扱った、『2039年の真実』という本を書いているのですが、60年代、ケネディがアメリカにどれほど大きな影響を与えていたかも知ることが出来ました。

ただ、落合氏の作品は盗作の疑いがあるので、落合信彦という、半架空の人物が活躍する、冒険活劇と思って読むと良いとおもいます。

落合氏ほど、国際政治を分かりやすく書け、かつ読者を魅了する作者はいないので、その意味で存在価値があると思います。

小説版、ゴルゴ13では無いでしょうか、、

僕は、基本的に政治に興味が無いのですが、他の作品も読みたくなりました。

その他の日記も読む。

第六の巻物を読んだ回数 2回

大前研一『中国シフト』

2005年02月18日 16時59分55秒 | 読んだ本
大前研一氏の『中国シフト』を読みました。

『ボーダレス・ワールド』後の世界が書かれています。

『ボーダレス・ワールド』には、企業がグローバル化するまでに5段階あると述べています。

1.海外市場に製品を輸出する(海外市場での販売は、その地域の特約店やディーラーが行う)
2.海外市場で、自主的に販売する
3.海外市場で、自主的に生産、マーケティング、販売を行う
4.海外市場に、本国と同等の機能を持つ現地法人(本国のコピー)が出来る
5.人材も現地雇用され、企業がインサイダー化(現地化)する

インサイダー化した企業の例として、日本IBM、日本コカコーラ、ホンダ・アメリカなどを挙げています。
(以前、大前氏のメルマガで、中国企業はまだ第1段階だといっていました。)

『中国シフト』のテーマは、「クロスボーダーの(国境を越えた)業務トランスファー(移転)」だと思います。

例としてユニクロを挙げています。

ユニクロは、マーケティング、デザインは日本で行い、中国の工場で生産し、できた製品を日本で販売しています。

同様の業務形態をしている企業として、5000円眼鏡の「Zoff」、100円ショップの「ダイソー」を挙げています。
(Zoffが4月に幕張にも進出します。ラッキー。^_^v)

『中国シフト』の中で、この動きが製造部門(ブルーカラー)だけではなく、管理部門(ホワイトカラー)にも起きると言っています。

そして、欧米ではすでに起こっているそうです。

21世紀の社会は、アウトソーシングがされに進み、企業のフレーム(意思決定機関)だけが残り、実際に手足を動かす人達は、海外に流れていくようです。

そのため大前氏は、現代のサラリーマンに対し、知的に怠惰になるなと言っているのだと思います。

この本は、気軽に(税込1,260円、200ページ)”その先の世界”が見渡せる、良著だと思います。

ただ雑誌連載をベースに作っているので、本の構成が粗雑です。

その部分が残念です。

その他の日記も読む。

第六の巻物を読んだ回数 3回
ジョギング 30分

大前研一『ボーダレス・ワールド』

2005年02月16日 16時20分32秒 | 読んだ本
大前研一氏の『ボーダレス・ワールド』を読みました。

大前氏の代表作です。

たしかイギリスのエコノミスト誌で20世紀のビジネス書ベスト50に『ストラテジック・マインド』と共に選ばれたと書いてあったと思います。

内容としては、

・グローバル企業の性質
・製品開発のあり方
・成功する企業提携
・グローバル社会での政府の役割

などが書かれているます。

国内外の巨大企業と渡り合った大前氏の豊富な経験を活かし、企業の視点から、グローバル社会の姿を描き出しています。

90年代に書かれた本なので、中国に対する視点は無いですが、書かれている内容に古さを感じませんでした。

今まで色々な本で読んだ大前氏の考え方を、自分の中で整理できたように思います。

雑誌の連載を本に書かれている本なので、幅広い内容を取り上げていると印象を受けました。正直、読み終えるのにかなり時間が掛かりました。

製品開発のあり方に書かれた部分は、本のテーマからずれている気がしましたが、僕もエンジニアだったので、とても納得がいきました。

大前氏は、「開発の能力には、個人差がある」、「担当者の作った質問項目で作ったアンケートで市場調査しても意味が無い」と言っています。

大前氏は、もともと原子炉開発の技師だったので、エンジニアの心境の分かる経営コンサルタントだと思います。

会社の方針や、企画の気まぐれに振り回されているエンジニアの人には、大前氏の本で論理武装をする事をお勧めします。

この本で、「企業がグローバル化するためには、本国の会社の組織や制度を進出先の会社に根付かせるのではなく、本国と進出先の企業が、価値観を共有するのが大事だ」と書いてありました。

京セラの稲盛会長がアメリカの提携先の企業と、経営哲学を共有したのに通じると思いました。

今後も、国境を越えた企業買収や提携が増えてくると思うので、今こそ、この本が読み返されるべきだと思います。

その他の日記も読む。

第六の巻物を読んだ回数 3回

板倉雄一郎『社長失格』

2005年01月29日 18時49分31秒 | 読んだ本
板倉雄一郎氏の『社長失格』を読みました。

板倉さんの本を読むのは、これが初めてです。
板倉雄一郎事務所にスタッフとして応募したら、一冊ぐらい著書を読んでから応募して下さいと、返信が来たので読みました。

この本の存在は知っていたのですが、失敗の原因を並び挙げただけの本だろうと思って、今まで手にしませんでした。

実際に読んでみると、板倉さんの企業から破産までを描いた、ノンフィクション小説という作りになっていました。

数年間で板倉さんが経験した事自体が、凄まじかったのだと思いますが、展開のスピードが速く、飽きる事なく一気に読むことができました。

ベンチャー企業に関する、金字塔的な作品だなと思いました。

板倉さんの発明したハイパーシステムは、インターネット接続中に、ディスプレイに広告が表示されて、インターネットの接続料が無料になると言う物です。

昔、アスキーが無料プロバイダーをやっていたのを覚えている人もいるかと思いますが、あれです。

ハイパーシステムの優れている点は、ただ広告を流すだけでなく、アンケートによってユーザーの属性を調べ、それにより、ターゲットを絞って広告をだせる点です。

ちょっとインターネットと広告の事情が分かれば理解できると思いますが、インターネットでは、東京の分譲マンションとか、地域を限定した広告を出すのが難しいです。

今、ハイパーネットに近いのが、アマゾンのお薦めかなぁと思います。

アマゾンは購入履歴によって、トップページにお薦めの本が表示されます。

自分の興味あるものが、宣伝されれば広告の効果が高いですし、ユーザー側も便利です。
しかも、インターネット接続料は無料です。

ユーザー側にも、広告主もメリットがあるシステムだったのです。

ハイパーシステムが、上手く軌道に乗れば、全ての人が無料でインターネットが使える社会が実現したかも知れないと思うと、「もったいないなぁ」という気分になりました。

これほど将来性のある、日本発の事業を、まわりの人が育ててあげられなかった事が残念でなりません。

板倉さんの会社(ハイパーネット)が、ハイパーネットを始めた時は、すでにIMS(Interactive Marketing Service)という事業が利益を上げていて、ハイパーシステムも営業的にはプラスのようだったので、ハイパーネットの倒産理由は、ハイパーネット開発時に借り入れた資金の返済が滞り、キャッシュがショートしたためです。

僕はこの本を読んだ限りでは、板倉さんに小さなミスはあったかも知れませんが、それは仕方の無いことで、板倉さんには十二分に経営者の資質があると思いました。

やはり敗因は、その頃はまだ、日本にベンチャーを育てる文化が無かった事だと思います。

ハイパーネットが倒産した時期は、山一證券などが倒産したのと同時期で、将来性の無い会社も、将来性のある会社も一様に貸しハガシをしました。

銀行が事業の将来性を見て、返済時期の先延ばしなど判断が出来ない事が分かります。

よく「銀行は晴れた時に傘を差し出して、雨の時に傘を取り上げる」と言いますが、板倉さんや、ハイパーネットの社員が経験したことは、それ以上の厳しい状況だったと思います。

この本は、銀行の体質などが知れて、起業などに興味がある人に、とても参考になると思います。

また、板倉さんの文章は、処女作とは思えないほど、描写力に優れているので、普通の読み物としても楽しめると思います。

僕も将来、自分で何か出来ればと思っているので、この本に出会えた事を感謝しています。

その他の日記も読む。

第五の巻物を読んだ回数 3回
ジョギング 30分

ノーマン・V・ピール『積極的に考える』

2005年01月25日 18時16分58秒 | 読んだ本
ノーマン・ヴィンセント・ビール氏の『積極的に考える』を読みました。

自己啓発本の歴史的名著です。

デール・カーネギーの『道は開ける』に近いと思います。

悩みを取り除いたり、自分の現状を前向きにとらえる方法が書いてあります。

200ページ程の本なので、多くの自己啓発本を読んだ後に復習的に読むのが良いと思います。

作者が牧師と言うこともあり、聖書からの引用が多いので、初めて自己啓発本を読む人は少し受け入れ辛いと思います。

人生の岐路に建たされている人や、落ち込んでいる人にお薦めです。

その他の日記も読む。

第五の巻物を読んだ回数 2回
ジョギング 30分

松下幸之助『大切なこと』

2005年01月12日 21時50分06秒 | 読んだ本
松下幸之助氏の『大切なこと』を読みました。

松下さんの『道をひらく』『続・道をひらく』の中から、若者向けの文章を選び出して、再編集した物だそうです。

原典の『道をひらく』は、企業や国のあり方にまで言及しているので、松下さんの偉大さが伝わってくるのですが、『大切なこと』は人のあり方について書かれた文章だけが選ばれているので、ただの道徳書で終わっている感じがします。

『大切なこと』は小学校高学年から、中学生向きかなぁと思います。

高校生以上は、『道をひらく』を読んだ方が良いと思います。

ただ、やはり松下さんのメッセージは心に響きます。

『道をひらく』では、一番最初に掲載されている、「道」と言う文章が、『大切なこと』では、一番最後に掲載されています。

「自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。」で始まる文章なのですが、きっと、人生に疲れたときや、自分の進む道に悩んだ時に、勇気を与えてくれると思います。

その他の日記を読む。

第五の巻物を読んだ回数 3回

梅棹忠夫『知的生産の技術』

2005年01月08日 22時43分10秒 | 読んだ本
梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』を読みました。

後正武さんの本に、日本の思考法に関する著名な本として、
梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』
川喜多二郎氏の『発想法』
板坂元氏の『考える技術・書く技術』
を上げていました。

僕は『発想法』と『考える技術・書く技術』をすでに読んだことがあるので、今回、歴史的な名著である『知的生産の技術』を読むことにしました。

30年以上前の本なのですが、当時から筆者が、情報化時代の到来を予見していることに驚きました。

この本を基点として、『発想法』や『考える技術・書く技術』が生まれたのだなぁと思いました。

発想法や思考法に興味がある人は、インターネットやコンピュータの発達していない時代に、先人がいかに情報を収集したり、管理するのに苦労していたかを知れて、面白いと思います。

アマゾンや後さんの本では、この本の評価が高いのですが、今の

後正武『論理思考と発想の技術』

2005年01月07日 18時03分27秒 | 読んだ本
後正武氏の『論理思考と発想の技術』を読みました。

今まで、ロジカルシンキング系の本を何冊か読んで、いつも途中で挫折していたのですが、後さんの本は始めて最後まで読むことが出来ました。

他のロジカルシンキングの本は、例題演習として販売データなどをもちいていて、まるでMBAのテキストのようなのですが、後さんの本は、普通の小論文を使って、ロジカルシンキングの重要性を説明してくれるので、普通の人でも読みやすいと思います。

最近、国際機関の調査で、日本の学生の読解力が低下していると話題になっていたのに対し、ある評論家は、もっと本を読むべきだと言っていたのですが、僕は、高校などで、ほんの少しロジカルシンキングの基礎を教えてあげれば、読解力は簡単に向上すると思います。

この本の中で、いぜん日本で沸き起こった、「割り箸が、環境破壊に繋がる」という議論を例に、日本人の論理的思考力のレベルの低さを指摘しています。

日本人は、感情に訴えかける修辞の部分と、論理的な主題を見分ける力を養う必要があると思います。

この1冊で、ロジカルシンキングの内容を理解するのは無理だと思いますが、ロジカルシンキングの重要性は理解できると思います。

後さんの本は、3冊ともアマゾンで評価が高いので、他の本も読んでみようと思います。

その他の日記をみる。

第五の巻物を読んだ回数 3回

稲盛和夫『実学』

2005年01月06日 22時34分50秒 | 読んだ本
稲盛和夫氏の『実学』を読みました。

経営の本です。

経営の視点から会計について説明しているので、ちょっと簿記をかじった事のある人なら、面白く読めるのではないでしょうか。

トップの視点が分かるので、サラリーマンの人は読むと良いと思います。(うちの社長とちがうなぁと思って、がっかりするかも、、)

原価計算の話もあるので、日商簿記2級程度あれば理解が深まると思いますが、平易な文章で、長くないので、簿記に関心のある人なら、高校生でも読めると思います。

会計の視点で言うと、「常にキャッシュがどれだけあるかを把握するのが大切だと」言っているようにように思います。

京セラは、日本の企業の中では、いち早く米国の会計基準に対応していたそうです。

株式投資の観点から言うと、棚卸資産の評価に関する記述が参考になりました。

株式投資に興味がある人も、この本を読むと、会社の中のお金の流れが知ることが出来るので、読む価値があると思います。

僕は以前、セザールの株を買って、その後、セザールが倒産してしまった経験があるのですが、その当時、セザールの棚卸資産が増大していたそうです。

流動資産における、棚卸資産の割合、そして、その推移には注意を払う必要があると思います。

京セラの経営を支える2本柱は、「会計学」と「アメーバ経営」なのだそうですが、「アメーバ経営」については、後半で駆け足で紹介されている感があるので、少し分かり難かったです。

稲盛氏も、「アメーバ経営」を詳細に説明するだけで本1冊書けると言っているので、「アメーバ経営」に掛かれた本があれば読んでみたいです。

また、京セラの会計を実現するために実施されている、ダブルチェックシステムを実例を上げて紹介しているので、会社のマネジメントで苦労している人にも参考になると思います。

高額なビジネススクールに行く前に一読することをお薦めします。

その他の日記をみる。

第五の巻物を読んだ回数 1回