でらできあい

ワンランク上のリアルカジュアル:デラックス溺愛

うわさの姫子

2008-09-14 07:39:31 | バッハ
「うわさの姫子」
 全然懐かしくないが思い出したものはしょうがない。

・シュバイツァー「バッハ」
 読み始めました。たしかに「音色」についてよく書かれているところもあるんだけど、宗教や教会について書かれているところは読むテンションを合わせにくい。
 著者シュバイツァーもまた熱心なキリスト教徒なので、バッハがいかに立派なキリスト教徒だったか~という側面を強調しがちになるのですが、そっちに触れない方がバッハの音楽が持つ力というものを引き立たせるのではないでしょうか。

 まったくキリスト教には縁がない私にもバッハのナニは伝わってくる。キリスト教関連はよくわからないので、思う存分読み飛ばしつつ、続き読んでみます。たぶん。

 という今週ももちろんヘンデルばっかり聴いていたよ。

マータイさんはMOTTAINAIか

2008-09-09 23:22:23 | バッハ
マータイさんといえばMOTTAINAIだが、マタイ受難曲はどれくらいMOTTAINAIのか。

ひさびさに聴いて、癒されるどころか疲れはてました。マッタリというよりヘビーだし。
聴いててベートーベンの大フーガのことを思い出しました。あの曲って見かけ倒しのわりに、名前でトクしてる。世界最大トーヨーフーガとかスペシャルローリングフーガとか巨神兵フーガとか、そういう名前の方がいいと思う。

えー、何の話かというと、『さぁー、バッハの有名な宗教曲でも聴いて、いっちょ感動でもするか~!』みたいな聴き方ではダメってことですな。聴くと自動的に泣ける曲は、意外なぐらい沢山あるのですが、マタイはその手の曲じゃないということで。

過剰な期待を寄せずに、もっと普通に聴いてみます。

シュバイツァー

2008-08-31 07:46:31 | バッハ
 楽典って音色の話がすっぽり抜け落ちているじゃん。バッハのように楽器ごとの音色の特性を活かしている作曲家について考えるには楽典だけじゃダメ~、などと思って文献をあさっていた頃、シュバイツァーの書いた文章は、実際に音に出された音楽を対象に「バッハ論」が展開されていて、感動しました。(拾い読みしかしていないのだけど)
 音楽は抽象なんかじゃない。音楽のリアリティについて書かないと意味がない。良きアマチュアの執念深い文章というのでしょうか。はやく再読したいぜ。
 
 シュバイツァーがオルガンを弾きまくっているCDを自宅内で発見。現在廃盤の模様。いつ買ったんだっけ?
 1930年代の演奏は原盤のゆがみもあって、なかなか微妙な状態なのですが、いい音楽です。
 音楽は当然のように遅くなる。テーマを歌っていると必然的に遅くなる。その遅延が有機的に次のコードを招き、次の音楽を引き寄せる。シュバイツァーはバッハのことがほんとに好きなんだなあ、わかるわかる、俺も好きだもん。
 テンポが揺れない音楽はあくまで結果だ。揺れざるを得ない音楽と、それによってさらに揺れる音楽を組み合わせていった結果、偶然のようにテンポが揺れない音楽が完成するときがある~。バッハの考えていたリズム感っていうのも興味ある。

 と絶賛しつつも、やはりヘンデルの合奏協奏曲が聴きたくなり、op.6を聴きまくったのは内緒です。

平均率クラヴィーア:メモ

2008-08-28 10:14:15 | バッハ
平均率クラヴィーアと野球のことを考えずに暮らしたい・・・。
という夢を叶えるべく、モーツァルト「魔笛」を見てみる。
ああ。夢のように楽しい音楽。サービス満点。

「平均率」メモ
・教育用には向かない。弾きたい人だけ手を出せばいい。
・先生に内緒でこっそり弾け。
・こんなに「捧げもの」っぽいとは存じませんでした。
・楽器の特性を活かしているのに、チェンバロ/クラヴィーア/ピアノどれでもいけそう。
・宗教でも世俗でもない音楽。
・ゴールドベルクみたいな楽しいバリエーションと、平均率の博物学的?多様性は別の言葉で言い表したい。
・プラナリアから生物学を語るような感じで、「動物好きだから生物学やってみたい」と思うと返り討ちに遭うのと似ている。
・こういうのはバイブルとは呼ばない。(Vn無伴奏も)
・バッハは器楽曲というジャンルを新設し、(Tuttiを必要としない)ソリストという職業を開拓。指揮者とソリストの時代が始まる。
・宇宙人に聴かせるなら、やっぱバッハだろ。
・バッハは途中で聴覚を失い作曲家として絶望したが、平均率などの作品を残した~という新しい説を思いつきました。
・バッハはステージパパに育てられ神童としてヨーロッパを行脚。35歳で亡くなる直前にデスマスクをつけた云々・・という新説を思いつきました。

平均率クラヴィーア

2008-08-24 18:56:54 | バッハ
平均率クラヴィーアのリヒテル盤をまだまだ聴いてます。
CD4枚組だったのね。通して聴いたことってほとんどなかった。

LPレコード時代にスピーカーの前で4枚連続で聴く聴き方。
ウォークマン時代にテープやCDを何枚か持ち歩く聴き方。
iPod時代にCD4枚分を一気に聴く聴き方。
平均率48曲を延々と聞き続ける生活は21世紀になって生まれたばかりだ。

ご家庭で掃除でもしながら、あるいはネットで遊びながら、料理をしながら聴いてみる。
残業のための音楽。日々続く残業。終わるあてのない残業、終焉に向かわない音楽。

ブログに書くようなことが今日は無かった君へ
無駄な日記帳みたいなブログを読むのも書くのもうんざりだ。
わかる。
日常生活も冴えないが、ネタっぽいことを書くのも頑張ってて嫌だ。
わかる。
バッハもきっとそう思って平均率クラヴィーアを書いたのだ。

こうしてブログを読んでいるあなた、こういう時間に聴く音楽として平均率クラヴィーアは良いですよ。
つーか独り用の音楽すぎるなコレ。聴くにしても弾くにしても。バッハが発明した独り用音楽。

バッハへの偏見

2008-08-20 09:15:08 | バッハ

バッハの風景
樋口 隆一


 偏見もだんだん完成されてきたので、樋口隆一さんのバッハ本を読みました。ルターとかカルヴァン主義とかにひさびさに触れました。作曲家の伝記風なものって全然読んだことなかったので新鮮です。俺の言うことなんて気にしないで君が聞いたバッハの印象のまま進め!というメッセージが書かれていたと思います。たぶん。

えー。今までのバッハへの偏見まとめです。
・音楽の捧げもの、フーガの技法には青春を捧げた。
・バッハはサンゴ礁とか見たこと無いはずなのに、ああいう音楽かいてて凄い。
・ウミウシ図鑑
・バッハのヴァイオリン協奏曲、2台のVnの為の協奏曲~よくわからん
・無伴奏チェロ組曲サイコー。無伴奏Vnとの違いが面白い。
・シェリングの無伴奏はそんなに好きじゃなかった。
・マタイって10年に1回ぐらいしか聴いてない。
・声楽の曲ってほとんど聴いてない
・多声部の鳴らし方もうまいが、楽器の音色の違いを活かすのがうますぎる
・コード進行というには面白すぎる通奏低音
・置き去りにされているのに、ついていけてる気分
・難しい印象を与えてないのはすごい
・大好き

 あれ全然まとまってない。とっちらかってる。
 などと書きつつモーツァルト聞いているのは内緒です。

バッハの弦楽四重奏曲

2008-08-16 19:35:22 | バッハ
バッハはなぜ弦楽四重奏曲を書かなかったか?

 四重奏というジャンルは(交響曲と同様に)ハイドンが作ったジャンルなので、ハイドン以前に位置するバッハは当然のように書いていない
 という答えには全然納得してません。

 Vn/Vn/Va/VcというTutti四声部はとっくに確立されていたし、トリオソナタをはじめ、通奏低音と内声を動かす面白さといえば元祖バッハ本舗本店だし、頼まれていない曲だってさんざん作ったのだし。なぜバッハは弦楽四重奏というジャンルを作らなかったか。

 (1)面白くないから
 (2)へたくそが多くてイマイチ
 (3)書いたけど封印
 (4)野田が赤いジャンパー着てるから俺はもうジャンパー着ない

弟子 「バッハ先生。まったく新しい曲ができました。なんと画期的に弦楽四重奏です!」
バッハ「(また素人が陥りがちな安易なところへ行ってしまったか・・・。)」
弟子 「弦楽四声部をすっきり機能させるために、Vcはリズム重視、Vn1の旋律を際だたせて、内声部は和音を刻ませてます。」
バッハ「(だせえ! 全然聞く気しないし作る気しない。)」
弟子 「フーガの楽章もあるので、バッハ先生も納得してくださるかと・・」
バッハ「・・・。」
バッハ「私は以前[平均率クラヴィーア]の弦楽二重奏・三重奏版への編曲を頼まれたことがあったが、その仕事は断った。なぜだかわかるかね?」
弟子 「いや、ちっとも。先生は平均率クラヴィーアを三重奏で弾いているかのように演奏しなさいとアドバイスなさるじゃないですか。」
バッハ「君は本当にわかっていないねえ。」

 いえ僕もわかっていないのですが、作曲家が書かなかった曲、手がけなかったジャンルについて考えることは重要なんじゃないかと思っています。
脱線しつつまだまだこの話は延々と続くのですが、また後日。

宗教と世俗

2008-08-13 17:15:49 | バッハ
 バッハの宗教曲も少しずつ聴き始めました。
 とはいえ実は当時の「宗教」のニュアンスがよくわからない。今でいう「愛と経済と生き甲斐」が一体化したような感じか。愛のない人生なんて、とはいえお金も大切よね、いやいや生き甲斐があれば愛もお金もいりません。その全てを内包しているような感じ~ええ、とりあえずそんな風に理解することにしました。

 そうすると宗教カンタータと世俗カンタータって分類も微妙。「愛と経済と生き甲斐」VS「世俗」。世俗の対象ってなんだ?バッハを数種類に分類するとしても、宗教担当、世俗担当みたいな分け方は無さそう。バッハF不二雄さんもA不二雄さんも宗教・世俗両方書いたのです多分。アーメンのない世俗も、現世のない宗教もない。あ、だいたいあってるっぽいじゃん。

 カンタータってほとんど聴いたことがない上に、もちろんドイツ語もわからない。とりあえず歌詞もタイトルも無視してひたすら聴きまくってみることにします。何が書かれているかは音楽からのみ掴んでみる。音から伝わるもの、それが全てだ。(あれ、亜星のときと逆なこと言ってる)

 バッハをいくつか聴いているうちに飽きてきて、ヘンデルのイタリア語カンタータを聴いてうっとりしていることは内緒です。

小林亜星

2008-08-12 06:26:30 | バッハ
小学生のときだろうか、「クラシック音楽を聴いているんだ」と友達に言うとこう聞かれました。
「歌詞がない音楽ってどうやって聴くの?聴き方がわからない。」

 小林亜星のCMソング集を聴いていると、そのとき友達の言っていたことがよくわかる。メロディと歌詞は一体化していて、詞のない音楽だけを想像することなんて出来なくなってくる。

「あなたとコンビニ、ファミリーマート」
「安さ爆発、カメラのさくらや」
「金、銀、パール プレゼント」
「新三共胃腸薬 顆粒」
「トイレのトラブル 8000円」
「パッ!とサイデリア」

 どれもメロディと歌詞の合い方が気持ちよすぎる。
 クラシック音楽のメロディにも歌詞をつけて歌うのが流行の兆しを迎えているが(我が家で)、指揮者が歌詞カードとか配ってくれると作りたい音楽のイメージが明確になって嬉しいかも。指揮者ごとに異なる歌詞カード。遊んでいるようで音楽の本質に近づいているような・・。

 えー、そこまで書いておきながら以下を載せるのはどうかと思うが、小学生気分でつくってみたよ。

[ベートーヴェン交響曲第8番 第三楽章]
 ぼく ちびデブはげ長男
 しっかり者、理想高くプライドも高い
 若干でもモテたことは無いわけではない

[バッハ ブランデンブルク協奏曲第4番 第三楽章]
 らっきょう 福神漬け カレーにのせるよ


バッハ雑感

2008-08-09 06:14:16 | バッハ
というわけでバッハをいろいろ聴き始めました。

 チェンバロ協奏曲から聴いたのがよくなかったか。BWV1052ってどうみてもヴァイオリン用の曲だよなあ。ヴィヴァルディのパクリっぽい。ヴィヴァルディみたいな都会的な曲を書きたかったがうまく書けないバッハの悶々が伝わってきます。実はバッハも才能の無さに悩んでいたか。

 たとえばヴィヴァルディとヘンデルは才能豊か。
 バッハばかり聴いた後でヘンデル聴いてビックリした。コードの自然な発展的進行、音楽が自在に伸びていく。早見えでアイデア豊富、盲点になりがちなコードにパッと手が伸びる明るい才能。モテてモテてしょうがない。
 ヴィヴァルディは当時誰もが憧れた感じが伝わってくる。旋律の美しさ、ドラマチックな展開。都会育ちで品が良く無駄が無い。

 バッハのことはもちろん大好きなのだが、奴はなんだか重くしちゃうんだよな。感動的な曲を書くが、そもそも感動なんて必要とされていなかったジャンルに感動を持ち込んだ感じ。重さを何かに昇華させたか。田舎の詩人の信仰。
 バッハ聴きまくろうと思っていたのに、何だかヘンデルに浮気したまま戻らなくなってきてしまいました。

 えー。バッハももうちょっと聴いてみます。