「最近の製作」というカテゴリを作ってはみたものの,一番最近のCQマシンに時間を取られて,このカテゴリに1つも記事がないという,あんまり好ましくない状態を解消(?)するために,半年前に最終型が出来上がったPSNトランシーバを紹介します。
出発は,JA3DEW清水OMが,何年か前にCQ誌に連載された,バタフライ方式のPSN送受信機の記事でした。
SSBの発生は,AF-PSNにポリフェーズネットワーク,RF-PSNは,74AC74を使ったジョンソンカウンタによるデジタル移相,AFフィルタにスイッチドキャパシタ(エリブリックフィルタ)を使ったローパスフィルタで帯域を確保するというもので,変調方式は,OMの考案されたバタフライ方式によるダイレクトコンバージョンです。
受信は,送信と真逆の回路で,これもダイレクトコンバージョン。
しかし,50MHzにこれをそのままというには,デバイスの性能の関係でかなり無理があるため,最終的には,9MHzを中間周波数にした,シングルコンバージョンとしました。
完成したのは,昨年の今頃(約1年がかり)でしたが,バタフライ方式の変調は,キャリアサプレッションをトリマコンデンサの調整に依存しているため,安定した状態を長期間維持するのは難しく(特に移動運用には,温度変化,振動などの要素があり厳しい),結局メリゴ方式に切り換えて,マイナス電圧を使って,DCオフセットでキャリアサプレッションを確保することにしました。(このあたり,ブログでは説明が十分できませんが)
バタフライ方式時のツートーン変調信号です。波形のピークがなんだかニョゴニョゴしているのが見えると思いますが,これが,キャリア漏れしていることを表しています。
受信は,9MHzを中間周波数としたことで,クリスタルラダーフィルタをルーフィングフィルターとして使うことができるようになり,混雑状態にはいい感じになりました。受信検波部はバタフライ方式です。
AGCには苦労しましたが(IF基板は4種類で実験),かなりいい音,なので,大口径スピーカーをボックスに入れた専用スピーカーを作ってみました。
周波数制御は,JA1PHJさんの頒布されているDDS-ONE(AD9851)を使用し,制御はアトメル社のAVRマイコンを使っています。(自分で言うのもナニですが,結構完成度が高いプログラムです)
これ,中身です
ケースに入れた状態
で,CQマシンの次の製作は,PSN方式のマルチバンドダイレクトコンバージョントランシーバーに挑戦してみようかと思っています。
AF-PSNはオペアンプを使ったオールパスフィルタ,RF信号は,DDSチップを2つ使って,位相差90°を作ることにして,変調はデュアルDBMでなんとかならないかと構想を練っています。
夢は広がります!!
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ブラックパネルに白文字が引き立ちますね。
私のバタフライ方式は後からトリマコンの容量を5PFに減して小容量の温度補償コンデンサを組み合わせ調整を楽にしています。
月日が経過しても調整はズレないようです。
週末には時々私のバタフライ方式と大本さんのメリゴ方式のSSBで交信しています。
よく言うのですが両方式の電波が同時に聞ける事は滅多にないですね。
SWLからの受信レポートは大歓迎です。
私は大本さんの計画に引きずられながら追って挑戦する事とし、とりあえずそれまでに以前から思っていた熊本シティスタンダード方式のトランシーバーに再挑戦すべくプリントパターンの作成を始めました。
夢は躍動の1980年代に遡りますがFCZコイルが無くなった現在、再び熊本方式の難点だった面倒なコイル巻きの壁が立ちふさがりました。