被害者として立件された死亡者2人のほか、同時期に死亡していた別の2人の入院患者の遺体からもヂアミトールが検出された。事件発覚前の7〜9月の82日間で48人の患者が死亡し、その後の約70日間の間は死亡者がゼロということから、4人以上の被害人数が疑われたが、発覚以前の死亡者は医師の診断により“自然死”扱いで火葬されていたため、既に証拠は失われていた。
横浜市の旧大口病院(現横浜はじめ病院・休診中)で2016年に起きた点滴連続中毒死事件で、入院患者3人の点滴に消毒液を混入し、殺害した罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の第5回公判が11日午前10時から、横浜地裁(家令和典裁判長)で開かれる。弁護側の被告人質問で、久保木被告は何を語るのか-。
9時58分ごろ、久保木被告が紺色のスーツ姿で入廷。弁護士に向かって2度ほど、うなずく仕草をした。
午前10時に開廷した。家令裁判長は「被告人質問に静かに耳を傾けたい」とし、傍聴人に休廷中以外の法廷からの出入りを控えるように要請した。
弁護人が、久保木被告への質問が始まる前に、留置中に医師から処方された薬や特異な言動についてまとめた証拠書類を朗読した。逮捕直後の2018年7月から21年9月にかけて、うつ病や統合失調症を治療する薬の処方を受けてきたと説明した。
さらに特異な言動として、20年に居室内で扉を蹴り続けたと説明した。さらに同年12月28日には、居室内で右手に持った枕を扉に投げつけ、職員に制止されても「やめません」と言い、扉を右足で蹴り続けた。別の部屋で事情を聞かれると、「殺してやる。ここから出て行け」という声が聞こえ、不安になったと説明。部屋に戻る際には、「戻らない。戻っても私の居場所はない」といい窓の鉄格子を手でつかんだという。
「信頼される看護師になりたい」
午前10時10分ごろ、弁護側による被告人質問が始まった。久保木被告は会釈をして、証言台に座った。家令裁判長から「マイクの方に向いて、落ち着いて、質問をよく聞いてからゆっくり答えて」と言われると、久保木被告は小さな声で「はい」と返事した。
弁護人 看護師になろうと思ったのはいつ?
被告 高校2年生のころです。
弁護人 きっかけは?
被告 手に職を付けたいと思っていたところ、母から「看護師は人に役に立てる仕事だから」と勧められました。
弁護人 福祉施設で体験実習をした?
被告 はい。
弁護人 どこで?
被告 老人ホームで行いました。はっきりした記憶はないですが、「ありがとう」と言われ、とてもうれしかったです。
弁護人 看護師、積極的になりたかった?
被告(10秒ほど沈黙し)強い気持ちがあったか分からないですが、信頼される看護師になりたいという気持ちはありました。患者に寄り添い、不安を和らげる手伝いができる素晴らしい仕事だと思いました。
弁護人の質問に、久保木被告は小さな声で早口で話していく。
久保木被告は、看護学校に合格。進学したが勉強が大変で、「実習が苦手でした」「実習を1つ落としています」と明かした。弁護人に「看護師に向いていると思った?」と尋ねられると、「いいえ」と答えた。それでも2008年4月から横浜市の最初に勤務した病院で勤め始めた。
弁護人 看護師になったのは?
被告 学費を両親に出してもらっていたので、卒業しなければと思っていたのと、奨学金をいただいていて返済が必要だったからです。
弁護人 奨学金は何にあてた?
被告 生活費にしました。病院から(奨学金として)6万円を借りていました
弁護人 返済は?
被告 4万円は年数を勤めることで、2万円は月々、給料から天引きされていました。
弁護人 悩みを相談できる人はいた?
被告 いいえ。
弁護人 病院に勤めたのはなぜ?
被告 奨学金をいただいていたからです。
弁護人 勤務は義務だった?
被告 はい。
患者急変、家族に責められ…
不安を抱えながら、看護師になった久保木被告は1カ月ほど各病棟を見学して回った後、リハビリの病棟に配属になった。「大変でしたがやりがいがあるものでした」と感じていた。「退院した患者が病棟に来てくれることがあり、元気な姿を見るのがとてもうれしかったです」と話した。「あなたが担当でよかった」と言われたこともあったという。
リハビリ病棟で3年勤め、奨学金の返済も終わった。しかし、続いて2011年に障害者の病棟に移ると、変化があった。
弁護人 患者の急変はあった?
被告 ありました。
弁護人 家族から責められることはあった?
被告 はい。ルートの確保(血管に針を刺して点滴を入れる)を、やったのですが、なかなかうまくいかず、「早くしてよ。死んじゃうじゃないの」と言われました。
弁護人 どう思った?
被告 申し訳なく…
患者死亡「精神的につらくなった」
久保木被告は、この後、積極的に点滴をやったり、参考書を読んだりして技術の向上に努めたが、不安は消えなかった。看護師長に看護師を続けるか、相談した。
弁護人 師長にはなんと?
被告 看護師を続けることが不安だと。
弁護士 答えは?
被告 看護師の資格を持っているんだから(と引き留められた)
この後、老人保健施設に異動した。しかし、患者が死亡する機会に立ち会い、「精神的につらくなった」。不安を感じるようになり、14年4月から精神科に通い始めた。抑うつ状態で、同年7月まで休職した。
14年8月に休職から復帰した久保木被告は、同じ病院系列の診療所(一般内科)に異動した。患者の血圧を測ったり、採決や胃カメラの介助などが業務で、「最初のころは続けられると思いました」と話す。しかし、夜間や休日に患者から電話で相談を受け、どうすれば良いかを答える「オンコール」という「業務が不安」だったと明かした。
弁護人 オンコールの何が不安だった?
被告 とっさに正しい判断ができるか不安でした
弁護人 できないとどうなる?
被告 患者の容態が急変します
弁護人 急変することが不安だった
結局、久保木被告はオンコールへの不安がぬぐえず、15年4月末に最初に勤めていた病院を退職した。復職後も薬をもらうために、精神科に月に1-2回通院していたが、主治医がかわって方針が合わなくなり、15年途中に通院をやめた。
弁護人(7年間の)勤務で友人はできたか
被告 いいえ
弁護人 なぜ
被告 私が人と積極的に関わるという人間ではないからだと思います
弁護人 仕事以外はどうしていた?
被告 掃除洗濯をして過ごしていました
「亡くなるはず、と割り切れなくて…」
業務に不安を抱えて退職した久保木被告だったが、退職翌月の15年5月に大口病院に就職した。「私の学歴や能力では一般の企業にとってもらえない」と思ったのが、看護師を続けた理由だった。その中で大口病院を選んだのは、「ほとんど延命措置が行われない」ため、自分が延命措置をしなくて良いと思ったからだったという。しかし、実際に勤務を始めるとストレスを感じて始めた。
弁護人 終末期の患者と直接接してどう感じた
被告 患者さんが亡くなるのはつらかったです。とても気持ちがしんどくなることもありました
弁護人 終末期では1日何人も亡くなることも
被告 なくはありませんでした
弁護人 接した患者さんが亡くなってどう思った
被告 うまく表現はできないが、気持ちに折り合いがつけられませんでした
弁護人 折り合いがつけられないとは、具体的に
被告 終末期なので亡くなってしまうが、亡くなることはつらくて。仕事だから、亡くなるはずだったから、と割り切ることができませんでした
弁護人 毎日終末期の患者さんと接していた。最初に亡くなってどう感じた
被告 つらかったです
弁護人 年月がたって、その気持ちはうすれた
被告 いいえ
弁護人によると、大口病院は看護師10人、准看護師9人、非常勤の准看護師2人の勤務態勢だった。法律上、准看護師は医師や看護師から指導を受けて仕事をすることになっているが、看護師の久保木被告が准看護師に指示したことはなかったという。弁護人が「法律違反が常態化していた?」と尋ねると、久保木被告は「はい」と答えた。
夜勤の仕事は夕方から翌日の朝まで2人で担当する。午後6、10時と午前2、4時に点滴を交換するほか、食事の配膳や体位変換、バイタル測定を4-5回行うという。久保木被告は3-4日に1度のペースで夜勤に入っていたといい、1カ月に「8回以上」は夜勤に就いていた。事件があった16年9月には夜勤が10回あった。
弁護人 シフトが出るのが2~3日前、予定を合わせるのが大変
被告 はい
弁護人 夜勤の最中には次から次へ業務をこなさないといけない
被告 はい
弁護人 人手は足りていた
被告 もう少し看護師がいてくれたらいいなと思うことはありました
弁護人 勤務はどうだった
被告 精神的にも肉体的にもきつかった
弁護人 精神的とは
被告 患者さんが亡くなることが多い。つらいと
弁護人 やめたいと思っていた
被告 はい
弁護人 勤務態勢について、師長らに相談はした
被告 いいえ
弁護人 なぜ
被告 そのようなことを言うのがわがままだと思いました。でも、相談しやすい環境ではありませんでした
弁護人 相談しやすい環境ではなかった。どういう点で
被告 師長が厳しく、相談しにくかったです
夜勤の仕事は夕方から翌日の朝まで2人で担当する。午後6、10時と午前2、4時に点滴を交換するほか、食事の配膳や体位変換、バイタル測定を4-5回行うという。久保木被告は3-4日に1度のペースで夜勤に入っていたといい、1カ月に「8回以上」は夜勤に就いていた。事件があった16年9月には夜勤が10回あった。
弁護人 シフトが出るのが2~3日前、予定を合わせるのが大変
被告 はい
弁護人 夜勤の最中には次から次へ業務をこなさないといけない
被告 はい
弁護人 人手は足りていた
被告 もう少し看護師がいてくれたらいいなと思うことはありました
弁護人 勤務はどうだった
被告 精神的にも肉体的にもきつかった
弁護人 精神的とは
被告 患者さんが亡くなることが多い。つらいと
弁護人 やめたいと思っていた
被告 はい
弁護人 勤務態勢について、師長らに相談はした
被告 いいえ
弁護人 なぜ
被告 そのようなことを言うのがわがままだと思いました。でも、相談しやすい環境ではありませんでした
弁護人 相談しやすい環境ではなかった。どういう点で
被告 師長が厳しく、相談しにくかったです
休廷の後、午前11時10分から被告人質問が再開された。弁護人は2016年4月に、旧大口病院で女性の患者が急変して亡くなり、遺族が怒った際のことを久保木被告に尋ねた。
弁護士 女性は急に心拍数が下がりましたが、発見したのは誰ですか
被告 私です
弁護士 処置しましたか
被告 はい
弁護士 その後、亡くなられた
被告 はい
弁護士 患者の子どもが来てどのようにいっていましたか
被告 看護師たちが部屋に集められ、「何でこんなことになったのか」「看護師は最低だ」「看護師に殺された」というようなことを言われました
弁護士 裁判を起こすといったようなことは言われましたか
被告 訴えると言われたようなことはありました
弁護士 どのくらいの時間でしたか
被告 覚えていないが、長く感じました
「私も悪口言われていると…」
この時、遺族に説明したのは日勤のリーダーで、特定にだれかに怒っているわけではなかったが、遺族に納得してもらえず、「怖い」と感じたという。最初に勤めていた病院よりも急変して亡くなる患者が多いことにもストレスを感じていたという。
弁護人 辞めたいと思いましたか
被告 はい
弁護人 いつ頃ですか
被告 2016年5月か6月ぐらいだと思います
弁護人 その頃の体調はどうでしたか
被告 あまりよくありませんでした
弁護人 どんな状況ですか
被告 続いていた不安落ち込みが悪化し、気力がわかなかった。加えて過食症状があった
弁護人 薬を大量に飲むことはありましたか
被告 眠れなくて処方より多く飲んだことはありました
弁護人 最初の病院の時と比べてどうでしたか
被告 内容が違うので比べるのは難しいですが、こなせてはいなかったと思います
弁護人 大口病院内に仕事の相談をできる相手はいましたか
被告 いいえ
弁護人 同僚にどう思われていたと思いますか
被告 仕事ができない、足手まといと思われていたと思います
弁護人 なぜですか
被告 他の人の悪口を言っている姿を見たので、私も言われていると思いました
弁護人 実際に直接言われたことはありましたか
被告 いいえ
弁護人 なぜそのように思うのですか
被告 自分で仕事をこなせている自信がなかったので
続いて弁護人は、患者の点滴袋に消毒液「ヂアミトール」を混入させるようになったきっかけや理由を尋ねた。
弁護人 ヂアミトールを入れた理由は?
被告 私の勤務中に亡くなるのを避けたくて、私がいないときに亡くなれば私の勤務中に亡くなるリスクを避けられると思いました
弁護人 何を避けたかった
被告 家族から責められるのが怖かった
弁護人 なぜ?
被告 具体的には先ほど出た患者のお子さんが激怒したことが大きかったと思う
弁護人 点滴にヂアミトールを入れることを思いついたきっかけは
被告 覚えていません
弁護人 ニュースで見て思いついた?
被告 ニュースで、患者に消毒薬を打って亡くなったことは知っていた。
一方で久保木被告はどのくらいの量を入れたら患者が死ぬかはわかっておらず、どの患者にどの程度のヂアミトールを混入させたか覚えていないとした。ただ「点滴に混入すれば亡くなるという認識はあったか」の問いには「はい」と話した。亡くなった場合に、「遺族への対応をすることは考えなかったのか」との問いには「全く考えていなかった」と話した。
「行方不明、けがした場合に責められる」
そして弁護人は、久保木被告に対し、2016年9月、最初に殺害したとされる入院患者の興津朝江さん=当時(78)=の点滴袋に消毒液「ヂアミトール」を混入した場面について尋ねた。興津さんは膝のけがで入院していて終末期の患者ではなかったが、久保木被告が日勤だった同15日に接した際に問題があると感じたという。
弁護人 どのような(問題があったのか)
被告 9月15日に病院から出ようとしていた
弁護人 理由を知っているか
被告 梅干しの買い出しをしたかったと聞いた
弁護人 あなたに連絡がきて迎えに行った
被告 はい
弁護人 興津さんはすぐに納得してくれたか
被告 なかなか納得してくれませんでした
弁護人 病室に戻るまでのエレベーター内で興津さんは何か言っていたか
被告 早く退院したいとしきりに言っていました
弁護人 あなたが不快に思うようなことは言われたのか
被告 ありません
弁護人 容態が急変する可能性をどう思っていた
被告 低かったと思います
弁護人 興津さんに入れようと思った理由は
被告 このまま入院していたら再び脱院(病院から抜け出す)すると思った。再び自分の勤務が迫っていた状況で、それまでに退院してほしくてやってしまった
弁護人 脱院するとあなたにどんなことがあると考えた
被告 行方不明になったり、けがをした場合責められると思いました
弁護人 興津さんは長く入院する患者ではないのでは
被告 点滴をしていたし、次の私の勤務まで退院しているのか分からなかった
弁護人 迎えに行く前に興津さんのカルテを見たり、詳しく申し送りを受けたことは
被告 おそらく申し送り受けたと思う
弁護人 いつ入れようと思った
被告 脱院未遂を起こしてからだが、詳しくは覚えていない
弁護人 看護記録には興津さんは「梅干しを買いに行きたかったのに。ここは刑務所のようだ」という記述があるが、この記録を書いたのはあなたか
被告 はい
ヂアミトールをめぐっての弁護人と久保木被告のやり取りが続く。
以前に法廷では、久保木被告と一緒に夜勤することが多かった准看護師の供述調書が読み上げられた。この看護師の証言によると、久保木被告はヂアミトールをタオルに巻いて、ナースステーションから持ち出す場面を見たという。
しかし、この日の久保木被告は、ヂアミトールはナースステーションの流しの下か汚物室に置かれており、その場から持ち出さずにヂアミトールの瓶から注射器で吸い上げていたと説明。タオルに巻いたこともないと説明した。注射器で吸い上げる時間は「20秒くらい」だったが、夜勤中に吸い上げることができる時間は「限られていると思います」と証言した。
弁護人 夜勤中にヂアミトールに触ったことがあるか
被告 はい。周りに人がいないかということだけは気を付けていた
弁護人 周りに見られたらどうなるか考えたことはあるか
被告 いいえ
弁護人 興津さんの点滴はどこにあったか
被告 ナースステーション
弁護人 点滴に投与する患者の名前が書いてあるのか
被告 はい
弁護人 どうやって混入した
被告 ゴム栓に針を刺し、吸い上げていたヂアミトールを(点滴袋の中に)入れました
弁護人 ゴム栓に針を刺した理由は
被告 とくにありません
弁護人 泡立ったか
被告 覚えていません
弁護人 点滴は元の段ボールに戻したのか
被告 はい
弁護人 使った注射と針はどうしたのか
被告 おそらく捨てたと思います
「本当に申し訳ないが、ほっとした」
久保木被告が、興津さんが亡くなったのを知ったのは、次に夜勤として勤務した9月18日だった。興津さんの点滴にヂアミトールを混入した9月15日の日勤の勤務から3日がたっていたが、この間、興津さんがどうなったかについて特に不安は感じていなかったという。
弁護人 亡くなったことを聞いてどう思ったか
被告 (5秒ほど沈黙)本当に申し訳ないのですが、そのときはほっとしたという気持ちの方が大きかった
弁護人 興津さんは自分で着替えて自分で出ようとしていたので、その当時、もしけがをしても自分のせいではないと考えなかったのか
被告 そうとは思えませんでした
弁護人 元気だった興津さんが急変して死因が疑われる可能性を考えなかったか
被告 いいえ
午前11時45分に午前の審理は終了した。
午後の裁判が再開された。弁護人は、第2の事件で殺害されたとされる西川惣蔵さん=同(88)=の点滴袋にヂアミトールが混入された2016年9月18日のことを尋ね始めた。久保木被告は、この日夜勤のため午後3時半ごろに出勤。第1の事件で興津さんが亡くなったことを知った。
弁護人 興津さんが亡くなったのを知って、止めようとは思いませんでしたか
被告 思いませんでした
久保木被告が西川さんの点滴に、ヂアミトールを混入したのは、西川さんが「(大部屋から)個室に移動したので、状態が良くない」と思ったからだという。久保木被告は「(自分の)夜勤中に亡くなってしまうのではないかと不安になりました」と話した。
弁護人 西川さんの詳しい状態や家族構成などについて把握していましたか
被告 いいえ
弁護人 家族に会ったことはありますか
被告 いいえ
弁護人 家族が激高するのかどうか判断できないのではないのか
被告 判断できなかったのが怖かったです
シーツ直す「汗をかいて不快だろうと…」
久保木被告は出勤後間もなく、ヂアミトールを「おそらく」汚物室で注射器で吸い上げ、西川さんの病室に向かった。これまでの公判での証言によると、まだ日勤の看護師も帰宅していない時間帯だった。
弁護人 すぐにヂアミトールを点滴に入れましたか
被告 血圧や酸素を測りました
弁護人 なぜですか
被告 いつも流れでしていたので、自然としたのだと思います
弁護人 西川さんをごまかすためですか
被告 いいえ
弁護人 西川さんに声を掛けましたか
被告 確か「血圧を測りますね」といったと思います
弁護人 西川さんのシーツの乱れを直しましたか
被告 はい
弁護人 それはなぜですか
被告 汗をかいて不快だろうと思ったからです
西川さんのシールを取り換えるなどの行動について、弁護人が「患者さんに快適に過ごしてほしいという看護師としての気持ちがあったのですよね?」と尋ねたが、被告は「すいません、説明できません」と語った。
一方、久保木被告は、最初の興津さんの事件の際には、ゴム栓から点滴袋にヂアミトールを注入していたが、西川さんの際には、身体につながる点滴の管の接合部分から直接、ヂアミトールを注入したと説明した。
弁護人 通常の入れ方とどう違うのですか
被告 効果が出始めるのが違うと思います
弁護人 どう違うのですか
被告 ワンショットの方(西川さんの時のやり方)が早く効くと思います
弁護人 西川さんの顔は見ましたか
被告 いいえ
後悔「当時はしていませんでした」
この後、久保木被告は405号室に行った。「通常のラウンドでいつも向かっていた」ためといい、他の患者の処置をした後、白衣のポケットに入れていた西川さんの事件で使った注射器を捨てた、と説明した。
その後、間もなく西川さんは急変した。
弁護人 (急変を聞いて)あなたは402に行きましたか
被告 はい
弁護人 どう思いましたか
被告 看護師の様子を見て、亡くなる直前だと思いました
久保木被告が西川さんの病室に戻ると、2人の看護師が吸引などの処置をしていた。
弁護人 その後亡くなったわけです。後悔はしていますか
被告 今は本当に申し訳ないと思うのですが、当時はしていませんでした
弁護人 遠からず亡くなる方ではなかったのか?
被告 はい
西川さんが亡くなったのは、久保木被告が出勤してから約2時間後の午後4時55分ごろだった。
西川さんが亡くなった後の対応について、弁護人は久保木被告に尋ねた。西川さんの家族に急変したと伝えたのは、久保木被告だった。
弁護人 結局家族対応の一部を担当した
被告 通常は電話では、容体急変したのですぐ来てくださいと伝え、病院にきた家族に詳しい説明を行うのですが、苦手としていたのは後者だけでした
弁護人 あなたの中では矛盾はない?
被告 はい
西川さんの家族が到着したのは、死亡後の午後7時ごろだった。日勤と夜勤の担当者で話し合い、結局は日勤の担当者が家族への説明をすることになったが、久保木被告は話し合いには同席しておらず、仮に同席していても年齢が一番若く、意見するのは「難しいと思います」と語った。
弁護人 そうすると、確実に(家族への説明を)避けることはできなかったのではないですか?
被告 今考えると、できなかったと思いますが、当時はそこまで考えていませんでした。
弁護人 西川さんが急変したとき、夜勤で対応をとなれば、あなたが対応していた可能性があったのでは?
被告 そうなっていたかもしれません
弁護人 家族は(死亡について)納得されていた?
被告 納得されていたと思います
「私自身も同じ立場に…」
一般的に遺族への説明は担当の看護師が行うことになっていた。看護師が説明して納得されず、主治医が説明して納得された場合は、病院内で「いろいろ悪く言われていました」と久保木被告は話した。「○○が説明したんじゃ納得するはずないよね」と評される人もいたという。
弁護人 どう思った
被告 私自身も同じ立場になることを考えました
弁護人 同じ立場になりたくないと思った?
被告 思いました
弁護人 確認ですが、(周囲から)悪口を言われていると思っていた?
被告 はい
弁護人 実際に耳にしたことはあった?
被告 いいえ
弁護人 悪口を言われているのは間違いないと思っていた?
被告 はい
八巻さん殺害「分かりません」
第三の事件、八巻さんについて弁護人が質問を始めた。西川さんに消毒液を投与したのと同じ夜勤中に、点滴に消毒液を混入したと犯行を認めた。
弁護人 八巻さんに、どうして入れようと思ったのか?
被告 (9秒ほど沈黙し)分かりません
弁護人 どういう病状か把握した上で選んだのですか?
被告 いいえ
弁護人 八巻さんについては、病状も家族の状態も認識しないまま入れたのか?
被告 はい
犯行は認めたものの細かな部分になると証言はあいまいになった。
弁護人 点滴袋はどこにあった?
被告 ナースステーションです
弁護人 ナースステーションのどこ?
被告 (10秒ほど沈黙)
弁護人 段ボール?
被告 段ボールに入っていました
弁護人 八巻さん含め、点滴いくつくらいに入れたのか?
被告 私の記憶では10個前後でした
裁判長 もう一回いってください
被告 10個です
一方、起訴状などでは、点滴袋と生理食塩水計6個に混入したこととなっている。記憶との食い違いに、久保木被告は「驚きました」と話した。ただ、犯行に及んだ理由や根拠について「わからない」「思い出せない」を繰り返した。
被告 段ボールから点滴をとってヂアミトールを入れたのは覚えていますが、薬品棚の生理食塩水に入れたことは記憶にありません
弁護人 ヂアミトールはどこにあった?
被告 覚えていません
弁護人 注射器は?
被告 おそらく40㏄だったと思います
弁護人 どうして大きな物を
被告 分かりません
弁護人 注射器のどのくらいまで吸い上げた?
被告 (3秒沈黙)覚えていません
弁護人 吸い上げは1回ですか?
被告 覚えていません
弁護人 何回か入れたかも?
被告 はい
弁護人 同僚がたばこを吸っている間やラウンドの間に入れた記憶はありますか?
被告 はい。
弁護人 10回前後に入れるには複数回にわけても時間がかかる。見られてしまうとは思わなかった?
被告 (10秒ほど沈黙し)あまり考えずにやってしまいました
注射器を使い、消毒液を注入したという被告。特定の患者さんを狙ったのではなかったこと主張した。また、あまりに多くの点滴袋に混入したため、どの点滴に入れたのかわからなくなったという。
弁護人 確認だが、八巻さんのものだという認識は本当になかったのか?
被告 はい。
弁護人 他の方々の点滴は、特定の○○さんのという認識はあったか?
被告 いいえ。
弁護人 どういう認識で入れたのか?
被告 すみません。自分でも分かりません。
これまで被告は「患者の急変時に、家族に説明して責められたくない」ことを理由に挙げてきたが、被告は、責任を追及しそうな家族を把握せず、消毒液を混入した点滴がいつ投与されるかも把握しないままだったという。
弁護人 もともとの動機と行為があっていない。どうしてかあなたは説明できるか?
被告 すみません。自分でも分かりません。
八巻さんに投与した点滴袋が異常に泡立っていたことに同僚看護師が気づき、異物混入が発覚する。
弁護人 泡立っていたと話を聞いてどう思った
被告 (4秒ほど沈黙し)覚えていません
弁護人 ヂアミトール混入すれば亡くなるという認識あったか?
被告 はい
弁護人 緊急時対応は避けても、たくさん人が亡くなれば警察の捜査が入ると考えた?
被告 いいえ
弁護人 9月18日の混入で多くの人が亡くなれば、緊急時対応を避けるというレベルではなくなると考えたか?
被告 いいえ
警察の捜査、悪いことと「痛感」
被告は、入院患者全員が亡くなってほしいとか、病院や周囲を困らせよう、驚かせようという気持ちはなかったと否定した。出勤時に、八巻さんの死亡を同僚看護師から聞いたときの気持ちを弁護人から聞かれると、13秒ほど沈黙し、「覚えていません」と答えた。八巻さんの点滴混入で、警察も捜査に乗り出していた。
弁護人 21日の勤務の際、警察官がいるのに気づきましたか?
被告 はい
弁護人 どう思った?
被告 (10秒ほど沈黙し)よく思い出せません
弁護人 発覚してしまうと考えた?
被告 覚えていません
弁護人 ヂアミトールを入れることについて、考え方が変わったか?
被告 (沈黙)どんなに悪いことだったのか痛感しました。
弁護人 もうできないと思った?
被告 はい
弁護人 落胆しましたか?ほっとしましたか?
被告 (12秒ほど沈黙し)どちらでもなかったと思います。
しかし、病棟にいる警官の姿に被告の心境は揺れていた。
弁護人 周囲に警察官が来た理由を聞いた
被告 はい
弁護人 なぜ?
被告 (5秒ほど沈黙し)警察が来たのは普通のことではないと思ったので
弁護人 自分のしたことを警察に言う気持ちはあったか
被告 なかったわけではありませんが、勇気が出ませんでした
弁護人 重大なことをしたという気持ちはあった
被告 はい
この後、休廷した。
裁判が再開した。旧大口病院では3人が殺害される事件前に、看護師のエプロンが切られたり、カルテが破られたり、印鑑が壊されたり、ポーチに針が刺されたり、ペットボトルに異物が混入するといった多くのトラブルがあった。このトラブルについて、弁護人が「あなたがやったことか」と尋ねると、久保木被告は「全てではないですが、一部は私です」と尋ねた。
弁護人 エプロンは
被告 私です
弁護人 カルテは
被告 私です
弁護人 印鑑は
被告 私です
弁護人 ポーチに針を刺したのは
被告 私です
弁護人 ペットボトルは
被告 違います
弁護人(エプロンを)切ったことは間違いない?
被告 はい
「自分でもわかっていない」
久保木被告は、やった時の記憶がないといい、弁護人から「どんな記憶があるか」と尋ねられると、「エプロンを切ってはさみを持っていた」と話した。以前の病院では、エプロンを切ったり、物を壊したりすることはなかったという。
弁護人 カルテはなぜ破ったのか
被告 カルテに書き間違えてしまった。二重線をして修正すればよかったが、前の看護師が書いたことと同じ内容を書けばちゃんと見ているのか、適当に書いているのではと思われると思って
弁護人 終末期医の患者が多く、急変しなければ前回と容態が同じでもおかしくはないと思うが
被告 その通りだが、書き直しになると適当に書いたと思われると
弁護人 印鑑はなぜ
被告 わかりません
弁護人 誰の印鑑か分かってやった
被告 いいえ
弁護人 ポーチはなぜやった
被告 分かりません
弁護人 特定の人物を選んでやったのか
被告 いいえ
弁護人 大口ではなぜやったと思うのか
被告 カルテは先ほど話した通りで、ほかは自分でもよくわかっていません
弁護人 これらは混入の前のことか
被告 エプロン、カルテ、ポーチは前。印鑑は後
事件後「とにかく眠りにつきたかった」
久保木被告は、2016年5月ごろに、大口病院を辞めようとしたと明かした。この際、「記憶はないが、父の証言だと母には(やめる)相談したんだと思います」と語った。
弁護人 八巻さんの事件以降、睡眠薬を多く飲んだことはある
被告 はい
弁護人 なぜ
被告 とにかく眠りたかったからです
弁護人 首をつろうとしたことはある
被告 はい
弁護人 インスリンを大量に注射した
被告 はい
弁護人の質問が続く。
捜査が進むと、久保木被告は、指紋や白衣の提供に応じた。ヂアミトールや点滴袋に指紋が残っており、提出すれば犯行が分かると覚悟はしていたという。弁護人から「拒むことや逃げようとは思わなかったのか」と尋ねられると、「思いませんでした」と語った。
久保木被告は事件後の16年11月ごろ、実家に戻った。この時、両親から事件について尋ねられた。
弁護人 どう答えました
被告 正直には話せませんでした
弁護人 なぜですか
被告 心配する両親を見て、私が犯人だとは言えませんでした
犯行自供「話す勇気が持てた」
久保木被告は同年11月末に大口病院を辞めた後、一時別の病院で働いた、しかし、その病院も「看護師をしていていいとは思わなかった」と退職した。その後は、日雇いの仕事で、商品を棚から取ってくる「ピッキング」という仕事をしていた。
弁護人 なぜ
被告 身勝手な理由で人を殺めてしまった私が、人の命を守る看護師をしていいいとは思いませんでした
弁護人 発覚しないまま事件が終わると思っていたか
被告 いいえ
弁護人 いつか逮捕されると思っていた
被告 はい
弁護人 警察の事情聴取でなぜ自供した
被告 自分がしたことを話す勇気が持てたからです
弁護人 黙秘しなかったのは
被告 正直に話すことが私の義務であり、償いの一環だと思ったからです
弁護人 覚えていないと言っているのは言いたくないという意味なのか
被告 記憶がはっきりしないということです
逮捕されてから、久保木被告は継続的にうつ病などの薬を使っていた。以前は幻聴がすることがあったが、薬を飲むようになり、被告は「落ち着いてきたと思います」と語った。
弁護人 自殺を図ったことはあるか
被告 1回あります
弁護人 なぜか
被告 警察の取り調べで自分がしたことを口にしたことで恐ろしくなったからです
弁護人 自分がしたことをどう思うか
被告 絶対にゆるされないことで償うこともできないことだと後悔しています
「安らかに最後を迎えられたのに…申し訳ない」
弁護人から「病院を辞めていれば良かったか」と尋ねられた久保木被告は「はい」と答え、「今だったらどうしていたか」の質問に「仕事を辞めると思います」と答えた。
弁護人 ヂアミトールを入れたことをどう思っているのか
被告 人として絶対にしてはいけないことをしたと思いますし、本当に申し訳ないと思っています
弁護人 亡くなった3人に対して思うことは
被告 興津さんは退院できただろうし、西川さん、八巻さんも安らかに最後を迎えられたのに私のせいで苦しい思いをさせてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです
弁護人 (殺人予備罪の)患者さんについては
被告 点滴が投与されなくて本当に良かったと思うし、本当に申し訳ないことをしてしまったと思います
弁護人 混入をしらないまま興津さん、八巻さんに点滴を投与した看護師については
被告 事実を知った時にはショックだったと思います。本当に申し訳ありません
弁護人 どう償いたいと思うか
被告 (10秒以上沈黙)考えてきたが、答えを出せず、どうしたらいいか分かりません
弁護人から、法廷に来ている遺族に伝えたいことを問われると、久保木被告は「すいません。遺族の顔を向いて謝罪の言葉を述べさせてもいいでしょうか」と述べた。検察側は遺族に相談した上で「裁判長に任せます」と発言。家令裁判長が許可した。
久保木被告は「私の身勝手な理由で大切なご家族の命を奪ってしまい、大変申し訳ありませんでした」と1度頭を下げた。その後、「許していただけないとは思いますが、裁判ではお詫びの気持ちをお伝えしたいと思っていました。本当に申し訳ありませんでした」と続けて、腰を折って深く頭を下げた。
家族への心情を問われると、久保木被告は「両親に申し訳ない」と述べた。父親には気持ちを手紙で伝えてあるという。遺族への賠償金は、自分の貯金と「母が将来のために貯めていてくれたお金」を充てたと説明した。
「音が嫌でイヤホン」逮捕前まで
弁護人の質問は、子ども時代の様子に移った。久保木被告は高校生時代、音に過敏だったことや、仲の良い友人がいなかったことを話した。
弁護人 小さい頃、音が嫌でイヤホンをつけていることはあったか?
被告 はい
弁護人 いつごろか?
被告 高校生のころ
弁護人 小中のころはなかった?
被告 はい
弁護人 高校生からいつごろまで
被告 ずっとです
弁護人 最近までか?
被告 逮捕前までです
弁護人 人の名前を覚えづらいことは?
被告 ちょっとわからないですが、指導でついてくれていた看護師の名前を間違えることが何度かありました
質問する弁護人が交代し、交友関係を尋ねた。久保木被告は茨城県で過ごした小学校低学年時代は、友人とおままごとやセーラームーンごっこで遊んだ。神奈川県へ引っ越して入学した中学校でも何人か親しい友人がいた。ただ、高校時代には交友関係がやや希薄になったという。
弁護人 高校で友人は?
被告 高校に入ってからは小中学校のように親しい人はいません
弁護人 孤立していた?
被告 孤立まではいかないが特定の仲の良い人はいませんでした
弁護人 親友と呼べるような人はいなかったということ?
被告 はい
弁護人 トラブルとか暴力を振るうことはあった?
被告 いいえ
弁護人 お母さんとのけんかで本を投げつけたとの証言もあったが記憶にあるか?
被告 はっきりは覚えていない
弁護人 けんかで反抗して物に当たった記憶は?
被告 覚えていません
警察捜査で「その時、正気に戻った」
もう一度、質問する弁護人が交代し、罪悪感を抱いた時期を尋ねた。久保木被告は、八巻さんの事件を機に、神奈川県警が病院で捜査を始めたことを挙げ、「そのときに正気に戻ったような気がします」と語った。
弁護人 点滴に消毒液を混入したとき、何も思わなかったといった
被告 はい
弁護人 一方で患者を殺めたので、看護師を続けることはできないとも話した
被告 はい
弁護人 罪悪感を持ったのはいつか
被告 (15秒ほど沈黙し)警察の捜査が入ったことが大きかった
弁護人 八巻さんの事件で警察が捜査したときか?
被告 そのとき正気に戻ったような気がします
弁護人 罪悪感が生じた?
被告 はい
(東京新聞 2021.10.11)
点滴に消毒液混入、元看護師「担当時間に患者が亡くなるのを避けたかった」…家族の叱責に恐怖
横浜市の旧大口病院で5年前、高齢の入院患者3人の点滴に消毒液を混ぜて中毒死させたとして、殺人罪などに問われた元看護師・久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判第5回公判が11日、横浜地裁(家令和典裁判長)であり、被告人質問が行われた。久保木被告は、法廷にいた遺族らに「大切なご家族の命を奪ってしまい申し訳ありませんでした」と謝罪した。
弁護側の質問に答え、久保木被告は消毒液の混入に至った経緯などを説明。事件の約5か月前、入院中に亡くなった患者の家族から、看護の仕方が悪かったせいだと 叱責しっせき され、恐怖を感じたことが大きなきっかけになったとし、「自分の担当時間に患者が亡くなるのを避けたかった」と話した。
その後、裁判長に許可を求めた上で、遺族らの方を向き、「許していただけるとは思っていないが、おわびの気持ちを伝えたかった」と述べ、2度頭を下げた。
起訴状などでは、久保木被告は2016年9月15~19日、旧大口病院に入院していた興津朝江さん(当時78歳)、西川惣蔵さん(当時88歳)、八巻信雄さん(当時88歳)の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入させ、中毒死させたなどとしている。
(2021.10.11. 読売新聞)
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