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ニトロセルロースラッカー

2025年03月11日 | 音楽
ニトロセルロースラッカー



ギター系弦楽器のヴィンテージリイシューで
特に目立つスペックといえばやはり塗装であろう。
 
正確には50~60年代のギターに使用されていたニトロセルロース・ラッカー(nitrocellulose lacquer、以下ラッカー)で塗膜が形成されているか否かがギターの価値に大きく影響するのである。

 ニトロセルロース・ラッカーという塗料だが、綿などの繊維を原料とするラッカーと可塑剤や顔料等を混ぜた塗料を溶媒で薄め、
スプレーガンで吹き付けるのがギター製造におけるラッカーの基本的な用法である。
 
ギターに塗り付けられた塗膜からは溶媒が揮発していくことで薄くなると同時にギターにしっかりと「なじむ」‐塗膜と木材が一体化するかのような密着度の高い塗膜が形成される。
 




ギター業界において、ラッカー塗装じたいがギターのステイタスというか、付加価値とみなされる傾向は依然として強い。
 
しかし、結局のところ、ラッカーがその価値を発揮するのは年月が経ってからである。 
 
経年による風合い‐色味や光沢の変化、クラック、木部との一体感こそがラッカーの最大の強みであり、オーナーはそのような魅力的な風合いになるまでギターを大切にし、気を使って管理し、ギターを育てる手間が求められる。
 
ラッカーの風合いの変化は時間が与えしギフトそのものであり、そこまで待てないのであればデリケートで扱いが難しいラッカー塗装のギターに手を出すべきではない、とさえ思う。


ポリ塗装の劣化はプラスチック製品の劣化に似ています。
それに対して、ニトロセルロースラッカー塗装の劣化は木製品や、革製品の劣化と似ています。
これは、ポリ塗装の材質がポリウレタン樹脂などであるのに対して、
ニトロセルロースラッカー塗装は木の主成分と同じセルロースで塗装しているためです。
ニトロセルロースラッカー塗装は木製品や革製品と同様にエイジングが進むにつれて独特の風合いが生まれます。これはポリ塗装の劣化と大きく異なります。
ポリ塗装は劣化しても風合いが感じられない原因はその素材であるポリウレタン樹脂にあったのです。
レリック加工を施す場合、ポリ塗装が適していない理由はここにあるのでしょう。
ニトロセルロースラッカー塗装とポリ塗装の関係は本革製品とフェイクレザー製品の関係に似ていると思います。


 

 

 
 

 
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