Poem&Poem

詩作品

眠りの底

2011年06月14日 15時23分56秒 | My poem
   

眠りの底には小さな子が眠っている
夢をみているわたくしの
その夢のなかでは小さな子が夢をみている
小さな子の夢のなかには
もっと小さな子が夢をみているようだ

その夢のなかには幼児が眠っている
知らないままに飲みこんでしまった
微細な死の種
かすかな呼吸音
そこが眠りの底のようだ

眠りは果てしなく深い
夢は夢を生みつづけているようだ


そして幼児が目覚めれば
幾層もの眠り 幾層もの夢の
扉は一つづつ開けられて
ここに
数えきれないほどの朝を加算する

……目覚める。

記憶と名付けられる夢
目覚めととに記憶を失くした夢
そこから一日が始まる。