Poem&Poem

詩作品

夢・母の死

2015年03月28日 21時30分57秒 | My poem



死んだはずの母が  
夢のなかでは生きていて
何度も母の家を訪ねていたが
今朝の夢のなかで母は死んでしまった

哀しいわけでもなく
もうきっと母の夢は見ないのではないか?
と思う

かつて生きていた母の言葉は
わたしに聴こえて
わたしが記して
もう一度産まれ直して
わたしの言葉になった

この言葉の仕事は終わりは見えないが
母はやっと語り尽くしたのだろうか

かつて引揚げ船のなかで
母が必死で抱いていた
死にかかった幼子の私が
いつか迎えるであろう「死」について
無関心ではなくなった

鏡に写るわたしの顔が
だんだん母に似てきたようだ
毎朝会っているみたい
ずっとそばにいるのね。
お母さん。

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