ヤンディーズ

現在闘病中で「病んでいる」ボーカル&ギタリスト、「太郎」の独り言

流血の魔術・最強の演出

2008年03月14日 | プロレス
この本を読んだ時のショックは計り知れないモノでした。
納得するのに、時間がかかったし、小学校の頃から信じていたプロレスに
ことごとく裏切られ、数年、プロレスをどう見れば良いのか?
苦しんだモノでした。

コレを書いた、元、新日本プロレスのレフリーで決して良い形で会社を
去った訳ではない、Mr高橋の豊富な実体験を元に書かれた本なんで
納得せざるを得ないのでした。

新入営業社員だった私が、講道館で長い間柔道修行していた直属の上司
当時55歳位?とホント、新入社員の分際で、プロレス八百長について
セメント口喧嘩した私、
そして、会社の問題児だった(でも当時53歳位)、センターの副所長に
STOPされた・・という恥ずかしい現実をどう、弁解すれば良いやら・・・。

猪木がやっていた「異種格闘技戦」の根本が崩れ落ちた時でした。
オリンピック金メダリスト、そして、最強の柔道王、ルスカに勝った猪木を
子供の頃から「最強」と思っていた訳ですから。
そして、冷静に今考えて、セメント(真剣勝負)でルスカに勝てるハズが無いと・・。
そして、モハメド・アリ戦がセメントであった真実、判定を巡っての秘話とか。

この本を読んだら、今迄、不思議に思っていた、プロレスの実態が
良く解るし、その前にギリギリの線で書いた「プロレス至近距離の真実」の
真実を納得して読めるモノです。

しかしこの本を読んだ時のあのショックはもう、何とも、言葉に表せません。
高田vsヒクソンでの高田、惨敗のショック所では無かったし、
我々が持ち続けていたプロレスの夢が粉々に砕かれた瞬間でした。
これをいきなり「エンターテイメントとして受け取ってくれれば」という
著者の強引な主張はとても、当時、受け入れられなかったです。
散々、流血は嘘モンだと言われていたんですが。
(まあ、自分やレフリー、セコンドがカミソリで切って流血というオチでした)

そして、当時の新日本プロレスは、もう、メタメタでした。
K-1、PRIDEの、基本、MMAセメントの団体が物凄い勢いで躍進し
「キングオブスポーツ」とか言っていた(今も言っている)特に
新日本プロレスの実態がボロボロに明かされた時です。
まあ、個人的には、プロレス出身の藤田和之や桜庭和志が、マークケアー
そして、プロレスの最大の敵だった、グレーシー柔術の世界的ビッグネーム
ホイスグレーシーを倒した後だったんで、救われました。
これが上梓されたのは01年、桜庭vsホイス戦は02年。
その数週間後の船木vsヒクソングレーシー(船木の敗北、引退)
その後読んだ事が、本当に救われました。

至上最大の米プロレス団体WWEがいち早く、
ショーである事を映画で告白したので
まあ、それを見習えという事なんですが・・・・
日本でアレを真似出来るハズはなく・・・。
ただ、新日本を去り、全日本プロレスの社長となった武藤が現在率いる
全日本プロレスの魅せ方は面白いです。NOAHは試合内容、凄いし。
ショーと割り切る、ハッスルも中々笑えます。
みちのくプロレスや今は無きFMWでも改めて見ると面白いです。

しかし、コレはプロレスを演出と解釈した上での見方でして
こう素直に観れるのに、数年かかった程、ショックだったのです。

プロレスを愛している高橋氏が言いたい事も解るし、
ただ、多くのプロレスファンが去っていった、強引な暴露本とういう事は
避けられません。佐山サトルの「ケッフェイ」や高田延彦の「泣き虫」なんて
ショック度としてはとても比較になりません。

やはり本当に強いプロレスラー、そして、魅せるのが上手いプロレスラー
強いけど、魅せられないレスラー、強くは無いけど魅せるのが天才なレスラー

やはり魅せてナンボなんですねぇ。格闘技系はオリンピックにならないと
中々熱狂出来ない国民性という世間一般的な判断もあるしで。
今やボクシングの世界タイトルマッチは本当悲惨な扱いです。

やはり、私がPRIDE等で観ていた、桜庭、藤田達は、大体、多くの
ファンが私と同じ見方をしたように「プロレスを背負った」、格闘家でした。

そして、若い、レスラーとしては、まだまだ、これからの
中邑をエースにしてオリンピック、レスリング金メダリスト、カートアングルに
勝たせてチャンピオンにする、プロレス団体新日本にプロレスとして
不満は有ります。そりゃ、元WWEのスーパースター、アングルを
何度も日本に呼ぶのはお金が大変だし、本当に強い中邑を当てるという
理屈はわかりますが、プロレスLOVE歴◎◎年の私としてはムリがある・・。
そして、若い頃からプロレスの実力が伴わないまま、メインイベンターにされた
中邑も可哀想です。

逆に、本当に強い、永田、中西達と(MMAでは惨敗)アングル、
ブロックレズナー達との戦いの方が遥かに面白かったという、
オールドファンの見方はあります。

そして、この本のおかげで、「人間」猪木を大嫌いになった事
(レスラーとしては別)
色んな、裏側が暴露された事実、もう、今では「KAMIPURO」等で
ほぼ、堂々と語られている事が受け入れれるようになったんですね。
今迄、事あるごとにこの本の名前を出しましたが、

「プロレスは最強のショーである」・・・・この事実を受け入れるのに
本当に散々苦しみましたが、
未だもって・・・やはり、私はプロレスが好きなのです。

また、長くなりました・・・・



コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本のTOPドラマーって | トップ | デレクアンドドミノス »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
難しく、残念 (GRECOおやじ)
2008-03-15 17:58:36
私も若い頃は大人たちが「プロレスなんて八百長だろ」というのに腹を立てていた口です。しかし、ある程度第三者的に(知ったかぶりふかせて)見るようになるとそんなもんかなあと思うのが現実です。この本は読んでませんが、ある程度筋書きのあるエンターテイナーというように今は思ってます。

しかし、若い頃、猪木にあこがれて、興奮してたことは間違いありません。今でも、あのライオンマークのトレーナーもってますよ。妻のパジャマになってきましたが。

格闘技よりもプロレスが好きな親父より。
返信する
GRECOおやじさん (太郎)
2008-03-15 22:05:49
プロレス好きな人は、熱狂的な阪神ファンのように
孤立しがちなのでしょうかねぇ???
ちと、マニアな感覚なんでしょうかね?
大体、大人に「八百長!、血はニワトリの血だ!」とか
バカにされつづけていたので。
(メタルも雑音と・・・。メタルファンとプロレスファンって
両方好きな人、結構多いんです)

私の弟は子供の時、いつも、私のヤラレ役ばかりで
プロレス嫌いだったのに、やはり、タイガーマスクで
ヤラれ、プロレスは好きだったんですが、
この本を読んだときの衝撃は私と同じで、
高田がヒクソンに惨敗したモノより大きい、そして、
以降プロレスを見なくなったとの事です。

ライオンラグランTシャツはプロレスファンのアイテムでしたね(笑)
友人の結婚式でも着ていた男達、居ました。
ジャンボ鶴田の「Jのテーマ」で入場する夫婦とか。
ライオン・・・奥さんの寝巻きとは・・・・(汗)


でも、やはり、プロレスは面白いです。
返信する

コメントを投稿

プロレス」カテゴリの最新記事